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【書評(?)Vol.3】即答力

インナーナラティブデザイナーのわたしによる、読書感想文です。
わたしとことばの出会いと、わたしと本の関係性を綴っていきます。
書くことへの評価、というとおこがましいので、「書評(?)」としています。

それでは、ご紹介したいことばと本の紹介を始めます。

「なぜ、なに、なんだろう」

朝日新聞出版,松浦弥太郎『即答力』

仕事と暮らしにおいて何よりも大切なことは"即答する力"。「思索という誠実を忘れない」「大切なのは、目標よりも習慣」「言葉のセンスを身につける」など、チャンスを逃さず自身の世界を広げる43のコツを、さまざまな分野で活躍する著者がていねいに綴る。

裏面の書籍紹介より

本との出会い

松浦さんのことばは、軽快でわかりやすく、すっと頭に入ってきます。
むずかしくて立ち止まることばではなく、文章として読んだときに何かが引っ掛かることなく、やわらかく響いてくる。

ことばとことばの組み合わせで織りなす文章にリズムがあって、読み進む手が止まらなくなってしまいます。

最初に読んだのは、『最低で最高の本屋』(集英社文庫)でした。

この本を読んで、文章を読んで、ことばに触れて、松浦さんのことが大好きになりました。特に、仕事のスタイルや考え方に憧れを抱いています。「本当」を突き詰める原動力は、恐れ多いですがわたしと重なる部分があるのです。

そんなわたしが、今回『即答力』を手に取ったのは、仕事でコミュニケーションがうまく取れていないと最近感じていたからです。
コミュニケーションが取れていないと感じる1番の要因だと思っているのは、わたしの頭の中で考えていることをことばで表現できていないことです。
考えていること、思ったことをことばにすると、自分でも「あれ?」と違和感を抱くことがあります。大袈裟に書くと、ウソになっちゃうと感じています。
この現象を、なんとかしたいと思ったからです。

即答力、というくらいですから、きっとヒントが書かれているのではないかと。
そんな期待を抱きながら、この本を手に取りました。

ことばの出会い

誰にでもできる、本質に入り込んで深くコミットする方法は、実にシンプル。とにかくたくさんの質問を繰り返すことです。

冒頭の「なぜ、なに、なんだろう」をあいことばに、常に質問を続ける姿勢が即答力を身につけることに必要だと書いてあります。
好奇心を持つ、自分をアップデートするためにも疑問をたくさん持つことが大事だと。

問いを立てまくる、質問をしまくる。
問いを立てられると、「あれ?たしかに本質はどこだっけ?」と、わたし自身もこの1年でたくさん感じてきました。

いま、仕事をする中で、悩みを聞き出すときにも問いをたてまくることを常に意識しています。
それを自分自身にもやってあげること。
まずは自分の頭の中で、問いをめぐらせること。
それが大事だなと改めて気づきました。

ただフラットに「相手が大切にしていること」を尊重しましょう。そこを深掘りしていくことで、その人の本質が見えてくるのですから。

これも意識していることが改めてことばとして書いてありました。
あくまで、聞く側の姿勢は「引き出す」。
本当に思っていること、根底にあることはなんだろう?
その疑問を常に絶やさず、相手自身に気づいてもらう。
こちらからアドバイス、というよりは、客観的な意見を混ぜながら…。

自分のスタンスがどうやら間違いではなさそうだと気づき、少し自信がつきました。

寡黙であれ。元気であれ。明るくあれ。太陽のようになろうではありませんか。

松浦さんからのご提案、ほんとうにそうなりたいと思います。

「この人がいてくれると安心する」「この人がチームにいると前向きになる」
そんな人になれたら、なんとうれしいことなんだろうと思います。
誰かを引っ張っていくことはできなくとも、安心感を醸し出せるひとになれたらいいなとしみじみと思います。

おしゃべりなわけではないけど、常に明るくありたい。照らし続ける存在でありたい。
あれ、と松浦さんにしてはめずらしい口調で言われると、シャンとします。
最後にやわらく誘うことば選びも大好きです。

即答力は、必ずしも早く応えること・俊敏性が求められることだけが即答力ではないですね。

必要なシーンで、自分が必要だと思うことばを、自分が必要だと思うことばの強度で投げかける。
それが大事な即答力なのではないかと思いました。

わたしとことばの出会いと、わたしと本の関係性を綴った【書評(?)Vol.3】でした。

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