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信州ビーナスライン サウナ放浪記 最終回 サ室のマナーについて考える 【諏訪 ロマネット編】

車山高原でのサ活のラストを飾るのは、このエリアのサウナといえば…で有名なロマネット。
名前の通り、ローマのテルマエロマエを再現したような佇まいからは想像できない強力なタワーサウナは、このあたりのサウナーにとっては、いわば関東人の草加健康センターのような絶対的な存在である。
順調なファスティング生活も終盤となり、サウナに入ると手首の毛穴からもシャンパン(毛穴から出る結露のような汗) が出てくるようになった。ここらで強力な熱波を浴びて実力試しといきたい。

さて、この施設は諏訪地域随一のサウナの名所ということもあり、とにかく常連さんたちのクセの強さと連帯感は、事前のサウナイキタイによるリサーチでもよくわかった。私のような新入りシングルサウナーが排除されることは間違いない。

サウナブームにおいては、ドラクエと呼ばれる若者グループが施設を襲撃しては、サ室でおしゃべりしたり、汗を流さず水風呂に入ったりするなど(かけず小僧ともいう) 常連のシングルサウナーに迷惑をかける現象が社会問題となっている。そういえば、私の会社の後輩にもサウナーを名乗って、休日になると友達を引き連れてしきじだのウェルビーに行ってた奴がいたな。奴は空気の読めなさから言っても間違いなくドラクエだ。施設としてもマナー改善の徹底をお願いするものの、ドラクエは一回荒らしたら次の場所にいくため、ドラクエが増え続けた結果、常連さんが離れていってしまい客単価は減ってしまう。施設のことを思うと、ドラクエ許すまじ!!サツガイして晒し首にすべし!!となってしまうのだが、実は女子サウナでは、あまりドラクエ現象は見られなかったりする。
女子サウナーも少ないから基本そこまで混んでいないのもあるが、殺意を覚えたドラクエ女子に遭遇したことは未だない。
ただ、女子サウナーの中でもマナー違反をする人は多々見受けられる。逆に新参者よりも常連の方々の方がマナーが悪くて、新参者サウナーたちが離れていってしまうのだ。
ドラクエ撃退には、男サウナに常連オバサンたちを投入したらどうだろうか。

とにかく、ここロマネットは施設は素晴らしいものの、常連サウナおばさんたちのマナーの悪さの方が印象的だった残念な例。

施設の名誉のために言うと、お風呂もサウナも水風呂も外気浴も全てが素晴らしいサウナ施設で、特にテルマエ風の天然温泉は、陽当たりもよくヨーロッパのテルマエにも負けず劣らずの風格をともなっている。
また信州地域では珍しいロウリュとアウフグースのサービスもやっている意識の高い施設なのである。

前回、公衆浴場は地元のおばさんたちのコミュニティであって、おしゃべりを聞いているだけで癒されると書いていながら、早速矛盾しているのだが、ここはコミュニティがさらに発展した結果、ムラ社会を形成してしまったようだ。
まず、コロナ感染対策のため黙浴を施設が呼びかけているにもかかわらず、ガン無視。
みんなしゃべるしゃべる。
さらに、私のような他所者を見ながら、『どこからきたかわからない人がサウナにいるのはやーだねー』と堂々とディスる。

場所取り禁止も当然無視で、そこらじゅうがオバサンたちのマットやタオルで埋め尽くされ、もはや座る場所がわからず…。やむなく、一番上に座ったところ、また睨まれるw 
生意気ということか!受けてたとうじゃないか。
ところが、ロウリュ後のあまりの暴力的な熱さで早くも下の段にいきたくなる。しかしオバサンたちに負けるわけにはいかない…と謎の闘いが繰り広げられる。

極め付けは、床ロウリュババァの登場。
自分のタオルを雑巾絞りして床に撒水し、ジュワ〜っとロウリュしているのだが、おいおいそれ汗が混ざってないだろうな!!と死ぬほど気持ち悪くなる…。
サ道のドラマで偶然さんが汗ロウリュ男について語っていたら、イケメン蒸し男が失神していたシーンがあったけど、わかります。吐くほど気持ちが悪いぞ。みんなよく平気だな…

結果として、とてもレベルの高い施設なのだが、常連おばさんの王国と化していて、わたしにはなかなかレベルが高いサウナだった。
ビーナスライン漂流記のラスボスといったところか。
特に、長野県民の排他的な性質も相まって、都会からのシングルサウナーが、サウナハット被ってウキウキやって来るのはお門違いも甚だしいということである。

そんなモヤモヤした帰り道。1週間の高原生活も終わりに近づいたので、帰りはまだ通ったことのない山道で車山高原に上がってみることにした。
諏訪方面から白樺湖に上がるには、ビーナスラインの風光明媚なルートが2通り、152号線で上がる最速ルート、そしてビーナスラインが出来る前に使われていたという古道424号線というルートがある。

今回唯一424号だけ通っていなかったので、この日の帰りは冒険してみることに。
普段あまり使われていないだけあって、道の状態は結構酷い。すれ違う車もほとんどなく、夜とか一人で通行したものには、ブレアウィッチプロジェクトみたいになることが予想される怖い道だ。ネットで調べていたら大量の鹿に囲まれたという情報も。

しばらく登っていくと霧ヶ峰牧場に抜けた。エアコンで有名な霧ヶ峰。民家もいくつかある。こんなところに人が住んでいるんだなー厭世的だ。

でも、またしばらく登ると、フィナーレに相応しい素敵な景色が私を待っていた。

富士山が一番綺麗に見える場所は、実はビーナスラインラインではなく、この忘れられた道沿いにあった。
目の前に広がるのは、八島ヶ原湿原というらしい。
天空の箱庭と呼ばれているのも納得。調べたところだと、ここもまた新海誠監督の『君の名は』で描写された地域とも言われている。
なんだか今回は、偶然にも君の名はの聖地巡礼をしてしまったようだ。

12000年前から成長し続けるこの奇跡の湿原を前に、サウナのマナー問題なんてどうでもよく思えてきた。
私たちはみんな、この地球の一部であって、ちっぽけで儚い存在なのだから、サ室の中くらいみんな好きに生きたらええやん…

毎日最低往復50kmの山道を頑張って疾走してくれたマリウス号。冬の山道でも給油は1回しかしなかったプリウスの脅威の燃費。がんばりました、ありがとう!!マリウスの勇姿が夕日に映えます。

信州ビーナスラインサウナ放浪記 完

美肌の湯 ロマネット
長野県 岡谷市 長地権現町4丁目1-24
入場料 540円
営業時間 入浴 10:00-22:30  
朝風呂 5:30-9:00 (受付8:30まで) 
源泉掛け流し あり。加水なし!つるつる!
タオルセット あり
アメニティ ボディーソープやシャンコンはある
ドライヤー あり
駐車場 あり
客層 地元のヌシたち
サウナ フィンランドサウナ
外気浴 あり 小さな小庭
水風呂 15度のバイブラつき
サ飯 やまびこ食堂のソースカツ丼食べたかった…
フロガーポイント 信州のテルマエ

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