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サウナとはスポーツなのか【東久留米 スパジアムジャポン編】

サ活=大人の部活動である。

サウナにどハマりしてしまったフロガーモリコはブレにブレて、ブームに乗ってサウナイキタイにも登録し、先輩サウナーたちのレビューを毎日チェック。Twitterはこれまで政治色強めだったが、最近ではサウナ関係のフォローばかりしていて、フィードには常にサウナネタが溢れている。もはや風呂界ではユダ的な存在になっている気がする。今、風呂の踏み絵をしろと言われたらしてしまいかねないが、風呂とサウナは共助の関係であるし、そこにボーダーも派閥も争いもないピースな関係であるがゆえ、問題ないと開き直っている。

熱しやすく冷めやすい、あんかけモリコも2021年からサウナ歴2ヵ月ほどですでに訪問したサウナは20ヶ所を達成。飛ぶ鳥を落とす勢いで、サウナーの仲間入りを企んでいる。サ活という言葉も、サウナ活動を部活のような感じに言い当てた素晴らしい言葉だと思う。そう、仕事終わりのルーティーンサウナ、休日の遠征サウナ、これはもはや部活の領域だ。アウェーのサウナに行くときは、まるで他校と対戦するときのような気持ちになるし、逆にホームサウナでは授業後の練習のごとく先輩サウナーを見習いながら、日々サ道に励んでいる。

その日のサ活は、先輩サウナーがお薦めしていた東久留米のスパジアムジャポン。このネーミングセンスよ。サウナ甲子園西東京代表を決める地区予選会場みたいだ。

東久留米遠征の道のりは、青梅街道をひたすら突き進むが、その途中私の部活時代の聖地である東伏見を通過する。大学時代アイスホッケー部でマネージャーをしていたので、春と秋のリーグ戦時代は毎週のように試合で東伏見のダイドードリンコアイスアリーナへ訪れていた。私達の大学のホームリンクは新横浜だったので、東伏見は常に戦いの場というイメージ。そして、遅刻すると選手は腕立て伏せの罰がつく緊張感の中、防具を積んで乗り合いの車でこのリンクに向かうときは、環七、青梅街道の大渋滞の恐怖と隣り合わせ、いつも集合時間の3時間前に家を出発していたなぁ。汗臭い防具に囲まれながらくだらない話をしたり、試合に向けての作戦ミーティングをしたり、渋滞のときには全員パニックになりながら抜け道を探したり、懐かしい道のりを走っていく。まさか当時の自分が、今の年になっても週末一人サウナに行くためにこの道を走っていると知ったら、それはきっと複雑なリアクションをするに違いない。

東伏見に近づいたので思わずナビから脱線して、リンク前を通る。何も変わらないリンクと東伏見駅前の光景。お店がなくなったりとかいろいろ変化はしているもののあの頃のままでエモい。ここで、氷を買ったり、試合後の反省会をしたり、昇格が叶わなかった先輩の言葉を涙ながらに聞いたり、渋滞の恐怖で早く出過ぎた結果、2時間前についてしまいやることがなくマックでただただ時間をつぶしたり。二度と戻らない時間に思いを馳せる。(当時流行っていたレミオロメンの3月9日が脳内再生される)

しかし、今の私には新たな部活がある。何のプレッシャーもないが、部活と同じくらい密度の濃い時間をサ室の中で過ごし、精神鍛錬を行っているのだ。先を急ごう。

西東京の甲子園球場または渋谷センター街 スパジアムジャポン

で、そこから30分ほどで着きました。東久留米に。想像していたが、やはり遠い。そして施設の巨大さに圧倒される。こ、これはまるで甲子園球場。なんだか強そうな他校の選手たちも続々と入場していく。

自動殺菌ゲート(画期的!)を通り、中に入るとそこはコロナ禍で行き場を失った西東京中の若者たちが一同に集結するパラダイスのようになっていた。こんなすごい人を一度に見たのはここ1年で初めてかもしれない。百合子が見たら、ただじゃ済まされないやつだ。

選択式の館内着のセンスもなかなか目を引く。どれを選んでも事故の予感。詳しい館内着は↓の記事にて写真が載っていますが、この館内着はデートには全く向かないと思う。どんな美男美女のカップルだとしても着こなしがかなり難しい。

ここはもはや部活というよりは、渋谷センター街さながらの部活をさぼる若者たちの天国。広大な休憩スペースにこの個性的な館内着で、岩盤浴したりマンガを読んだり一日中廃人として過ごすにはもってこいの場所であることがわかる。テントサウナにも興味があったので、休憩スペースエリアにも入ったが、なんだか全く肌に合わず落ち着かないため、一周見回って即退散した。

ここからが本番。サ活スタート

浴場の方はいかがなものかと入ってみると、広大な空間に、数えきれないほどのお風呂の種類。サウナのブーストに欠かせない高濃度炭酸泉もあってうれしい。

スパジアムジャポン HPより

サウナはフィンランドとスチーム塩サウナの2室。本格的サウナーたちも集まっていた。サウナハットをかぶっている3人組や、私のようなシングルサウナー、ノリで入ってきた先述の若者たち、フィリピン人集団など、客層は多様性にあふれる。フィンランドサウナはオートロウリュ式で、日替わりでアロマの香りがする。テレビがあるのは好みに分かれるが私は嫌いではない。温度についてはまだ語れる身ではないが、最初の12分1セットで十分に汗が出た。ここで出る汗は、部活でかく汗に等しく、煌めいていているに違いない。ポカリスウェットを爽やかに飲み干したいところだが、なんと浴室内は飲料持ち込み禁止。

スパジアムジャポンHPより

ただ、広いサ室だからといっておしゃべりする若者は、退場してよし!グランド走ってこい!

水風呂も、大きい分子供も入ってきたり、何人か同時に入るので羽衣はこわれるなど、完璧ではないかもしれないが、不自由ない感じ。

一番気に入ったのは外気浴スペース。ネオンでキレイにライトアップされた露天エリアにある畳の上に寝転がることができる。寝転がって外気浴するのは初めてだったが、脳にかかるドライブがすごい…。一瞬で昇天。

3セットしっかり決め込んで、塩サウナでしあげたら今日の部活は終了。このサ活で得られる爽快感は、きつい練習が終わった後の気持ちに近い。(マネージャーのくせにw)実際、運動しているわけではないのに、サウナは運動と同じ効果は得られていると思う。調べたことないけど、きっと科学的にも実証されているだろう。

スパジアム ジャポン
住所/東京都東久留米市上の原2-7-7 
https://www.spajapo.com/
入館料 750円 土日祝 850円
レンタルタオル 300円
天然温泉 武蔵野温泉 ナトリウム炭酸
アメニティ 揃ってる
館内着 デザインに注目
サウナ 2種類
客層 地元の若者たちが多い 家族連れも
水風呂 あり
外気浴 あり
駐車場 あり
フロガーポイント お風呂の種類も人も多い

練習後のメシこそが、部活の醍醐味

大学時代も練習後の「メシ行く人ー」ってやつにマネージャーのくせにいつも行っては、選手と同じ量のご飯を食べていた。とんかつ、ラーメン、大盛りパスタ。もちろんそのおかげで、つくものもしっかりついたが。でも、マネージャーだからといって、ただ立ってタイムを測って「ガンバー!」といっているわけではない。大ボトルもって走って、みんなの荷物運んで、ストレッチ手伝って、ちゃんと肉体労働をしているのだ。なので、部活後のメシほど美味いものはないと思っていたが、サ活を始めてからは、サウナ後のメシはそれに匹敵すると思うようになった。

スパジアムジャポン(今更ながら通称スパジャポ)内には、麻布十番の人気ピザ屋Savoyがあるなど、充実したフードコートがある。ただ、なんとなくこの若者たちに紛れて食べる気にならなかったので、帰り道にフロ飯へ寄ることにした。またの名をサ飯。

そこで、東伏見の試合後、よく寄っていた店を思い出した。青梅街道沿いにある中華「梁山泊」。


ここの肉あんかけチャーハンが美味しくて、東伏見帰りには毎回食べていたなぁ。当時はロシア人夫婦の店員さんがいて、あまりに私達が行き過ぎた結果仲良くなって、何故か今度一緒にバドミントンしましょう!みたいになったけど、結局行けず仕舞いになってしまった。10年以上ぶりに訪れた梁山泊も、アイスアリーナ同様変わった様子はなく、厨房も活気がある。ロシア人夫婦はさすがにもういなくなってしまったが、メニューもあのときのまま。

そして、懐かしの肉あんかけチャーハンを注文した。チャーハンが見えないほどにもられた肉あんかけを崩すと、中からふわっふわの卵チャーハンがお目見えする。これこれ、この感じ。味も全く当時のままで、まさに青春の味。大人になって当時は決して食べられなかったいいものも食べるようになったけど、この味は普通に今食べても美味しすぎて泣ける。ぴえん。美味しいよぅ…。

サウナによって、向上された味覚で食べると、味わい深い。カウンターに座ってみんなでワイワイ食べていた当時の自分たちの姿が蘇るようだ。部活飯、いいよなぁ…。

あっという間に一山たいらげる。食欲も当時から衰えていないのは誇れるポイントだ。

♨今日のフロ飯♨
梁山泊
住所:東京都練馬区関町南3-4-51
電話:03-3928-9284
営業時間:17:30~23:00
定休日:月曜
いただいたもの 肉あんかけチャーハン 870円

結論、サウナはスポーツである。

賛否両論あることは覚悟の上でいうと、結論、サウナは私の中ではスポーツである。極限まで自分を追い込んで、惜しみなくアドレナリンを出し、爽やかな汗をかく。誰かと競うわけではないが、戦う相手は自分自身。そして、追い込んだ先に得られる達成感と極上の快楽の無限ループ。これこそ、まさにスポーツ。そして何の確証もないけれど、なんとなくスポーツと同じ体質改善の効果は得られていると感じてる。なので私はこれから、人間ドックのアンケートの「続けている運動」という欄に週に2,3回のサウナと記載しようと思う。チェスやesportsもオリンピック種目になるのであれば、2032年夏季五輪には、正式種目として「サウナ」が加わる、なんてことがあったりして。ないか。

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部活の思い出

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