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えっ!!Pythonで株価分析を!?――近刊『Pythonでできる! 株価データ分析』はじめに公開

2023年1月下旬発行予定の新刊書籍、『Pythonでできる! 株価データ分析』のご紹介です。



データの収集から売買ルールのシミュレーションまで。

Pythonひとつで株価データの本格的な分析ができる!

◆こんな方にオススメ!◆

・株に興味がある、Pythonユーザーやプログラミング経験者
・新しいジャンルの実データ解析にチャレンジしたい方
・将来自動売買システムをつくるため、株価分析のプログラミングを勉強したい方
 
◆株価分析の流れがひととおりわかる!◆
・株価データの収集
・チャートの表示
・指標を使った分析
・売買ルールのテスト
株価分析の一連の流れをPythonで行うことができます。
 
◆実践的な分析手法を網羅!◆
株価分析に使われる指標をテクニカル指標といいます。
移動平均線、MACD、ボリンジャーバンド、RSI、ストキャスティクス、など、代表的なテクニカル指標について、その意味とPythonでの分析手法を解説します。
 
◆環境をかんたんに用意できる!◆
Google Colaboratoryという、ブラウザ上でPythonを動かすサービスを利用するので、ソフトのインストールなど、めんどうな環境設定はいりません。
サンプルプログラムも完備。すぐに実行でき、プログラムを動かしながら学べます。


はじめに
近年、ITの進歩により、大量のデータを分析しその傾向や法則性を読みとって業務を改善する、という試みが多くなされています。開発ツールの拡充で、個人レベルでもデータを分析してその結果と原因の関連を考えることは比較的簡単にできるようになりました。そしてそれは、株価分析をはじめとするファイナンス分野でも同様です。

2020年以降、新型コロナウィルス(COVID-19)によって経済活動が停滞しています。その状況下で、NYダウが過去最高を更新したり、日経平均株価が30年ぶりに3万円台に迫るなどの不可解な現象も見られました。このような現象も、株価データを分析することで説明したり予想したりすることができます。

データ分析を行ううえで、最も注目されているプログラム言語はPythonです。Pythonはプログラム言語の仕様として、わかりやすいシンプルな構文で処理を記述できるように設計されています。さらに、標準ライブラリとして多くの機能が用意されています。簡単にいうと、Pythonは「覚えることが少なく、作成する処理も少なくて済む」というプログラム言語といえます。

まさしくプログラムや株価分析を行う初学者にとって最も適したプログラム言語です。

また、本書ではGoogleが提供しているPythonの実行環境Google Colaboratoryを利用します。これにより、実行環境を準備することなくすぐに無料でPythonでの株価分析を行うことができます。

機械的に行うデータ分析以外にも、移動平均やローソク足など従来の株価データの見方においてもできるだけ多くの説明をするように配慮しています。

株価分析だけでなくデータの扱い方や見方など、本書での例が読者の皆様が何らかのデータを活用する際に役立つことを願ってやみません。
(以下略)


本書の内容は、ITエンジニア向けメディア「@IT(アットマーク・アイティ)」での連載記事『「Python」×「株価データ」で学ぶデータ分析のいろは』を加筆修正したものです。



WINGSプロジェクト 片渕 彼富(著)
山田 祥寛(監修)


【目次】
1 株価分析を始める準備

 1.1 データ分析とPython
  1.1.1 データ分析とは
  1.1.2 Python とは
  1.1.3 株価分析とPythonについて
 1.2 Pythonの実行環境
  1.2.1 Python の実行環境Google Colaboratory
  1.2.2 Google Colaboratoryをインストールする
  1.2.3 Google Colaboratoryでファイルを作成して保存する 
  1.2.4 Google ColaboratoryでPython のコードを実行する 
  1.2.5 Google Colaboratoryでオブジェクトの表示を確認する 
  1.2.6 ライブラリをインストールする 

2 株価データの構造
 2.1 株価データの概要
  2.1.1 株価データとは 
  2.1.2 株価チャートとは 
  2.1.3 株価チャートからわかること
 2.2 株価データの取得
  2.2.1 株価分析で利用するライブラリについて
  2.2.2 ライブラリから株価データを取得する
 2.3 データフレーム
  2.3.1 データフレームとは 
  2.3.2 データフレームの構造 
  2.3.3 本書で分析する株価データの形式 
  2.3.4 データをグラフで確認する
  2.3.5 範囲を指定してデータを抜き出す
  2.3.6 条件を指定してデータを抜き出す 
  2.3.7 CSVファイルから株価データを読み込む

3 株価データの可視化
 3.1 株価データを可視化するライブラリ
  3.1.1 Pythonでグラフを描画する
  3.1.2 株価チャートを作成するライブラリ
 3.2 ローソク足チャート
  3.2.1 ローソク足チャートを描画する
  3.2.2 チャートのアスペクト比を指定する 
  3.2.3 出来高を表示する 
  3.2.4 指定した期間でチャートを表示する 
  3.2.5 表示スタイルを変更する
  3.2.6 ローソク足から株価の動きを考察する
  3.2.7 週足チャートの表示 
 3.3 移動平均線
  3.3.1 移動平均線を表示する
  3.3.2 複数の移動平均線を表示する
  3.3.3 移動平均を算出する
  3.3.4 算出した移動平均線を表示する
  3.3.5 移動平均線のラベルを表示する 
  3.3.6 移動平均線から株価の動きを考察する

4 株価の方向性
 4.1 株価データの分析手法
  4.1.1 トレンド 
  4.1.2 トレンドライン
  4.1.3 テクニカル指標 
 4.2 テクニカル分析の準備
  4.2.1 TA-Libのインストール
  4.2.2 TA-Libを利用して移動平均線を描画する
 4.3 ボリンジャーバンド
  4.3.1 株価の変動幅の目安となるボリンジャーバンド 
  4.3.2 ボリンジャーバンドの算出と表示
  4.3.3 ボリンジャーバンドから相場を判断する 
 4.4 ボリンジャーバンド,移動平均線,ローソク足
  4.4.1 トレンドの転換 
  4.4.2 跳ね返り
  4.4.3 平均回帰 

5 株価のトレンド転換
 5.1 株価の上昇と下降
  5.1.1 移動平均線が重視される理由 
  5.1.2 上昇と下降のタイミング
  5.1.3 ゴールデンクロスとデッドクロスの見方 
 5.2 ゴールデンクロスとデッドクロスの算出と表示
  5.2.1 ゴールデンクロスとデッドクロスをデータでもつ手順
  5.2.2 5日移動平均と25日移動平均の値を比較する 
  5.2.3 ゴールデンクロスとデッドクロスの発生日を検出する
  5.2.4 発生日と終値をデータフレームにもつ
  5.2.5 発生日と移動平均をデータフレームにもつ
  5.2.6 ゴールデンクロスとデッドクロスをチャートに表示する
 5.3 売買シグナルの検出
  5.3.1 売買シグナルを検出するMACD
  5.3.2 MACDの算出
  5.3.3 MACDの表示
  5.3.4 MACDの見方 
  5.3.5 ボリンジャーバンド,移動平均線,MACDからの考察

6 株価のトレンド分析
 6.1 相場の強弱
  6.1.1 相場の強弱とは
  6.1.2 売られすぎと買われすぎ 
  6.1.3 RSIの計算と表示 
  6.1.4 ストキャスティクスの計算と表示
  6.1.5 RSIのダイバージェンス
 6.2 複数の指標を可視化する
  6.2.1 RSIとストキャスティクスを同時に表示
  6.2.2 相場の強弱とトレンドの転換
  6.2.3 株価の変動範囲を表示する
 6.3 チャートを保存する

7 インタラクティブな可視化
 7.1 自由度の高い可視化
  7.1.1 高度なグラフを描画するPlotly
  7.1.2 ローソク足チャートを表示する
  7.1.3 日付の表示形式を詰める
  7.1.4 レイアウトを更新する
  7.1.5 移動平均線を表示する
  7.1.6 ゴールデンクロスとデッドクロスを表示する
  7.1.7 ボリンジャーバンドを表示する
  7.1.8 出来高を表示する
  7.1.9 MACD, RSI,ストキャスティクスを表示する
 7.2 分析結果の保存
  7.2.1 チャートの保存 
  7.2.2 データフレームの保存 
 7.3 さらなる可視化
  7.3.1 複数の銘柄の株価データを取得できるyfinance
  7.3.2 トレンドラインを引くplotly.express
  7.3.3 株価を予想するProphet

8 よく利用される売買戦略
 8.1 移動平均線と株価の関係
  8.1.1 グランビルの法則
  8.1.2 チャートでの確認 
 8.2 ローソク足パターン
  8.2.1 ローソク足のパターンとは
  8.2.2 TA-Libでローソク足のパターンを検出する
  8.2.3 1本のローソク足のパターン
  8.2.4 2本のローソク足のパターン 
  8.2.5 3本のローソク足のパターン 

9 売買のシミュレーション
 9.1 過去の株価データでのトレード
  9.1.1 バックテストを行うbacktesting.py
  9.1.2 売買のルールを作成する
  9.1.3 バックテストを実行する
  9.1.4 パラメータの最適化
  9.1.5 任意の取引のルールでバックテストを行う
 9.2 デイトレード戦略
  9.2.1 相場で見られるアノマリー
  9.2.2 分足データを取得する
  9.2.3 15 分足を利用したアノマリー戦略

索引


 

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