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私は一か月後、初めてのコーヒーを飲む。

私は1ヶ月後、初めてのコーヒーを飲む。



毎週末、未開拓のカフェを探し、お気に入りのカフェを見つけることが趣味の私は、今日も初めましてのカフェに来た。

観葉植物に囲まれた、緑が印象的な入り口。中に入ると、クラリネットの音が印象的なクラシックが流れていた。照明は暖色で、落ち着いていて穏やかさに満ちた空間である。

私はブレンドコーヒーを頼む。

ふと注文を受けた店員さんの顔を見る。
私と歳が近い感じでとても爽やかな印象だった。

あ、そうそう。
このお店の名前は「primus amor」
読み方はよく分からない。

コーヒーが置かれた。
ゆっくりと味わいながら、
目の前のアンティークの置物を眺める。

その中には小さな鏡もあり、
さっきの店員さんが映りこんだ。

鏡越しに彼と目が合ったが、
すぐにそらされてしまった。

会計を済ませ、来週はどこに行こうと考える。



一週間がたった。
私は「primus amor」に来ている。

ブレンドコーヒーを頼んでいた。

また、鏡を見つめる。

飲み終えて会計を済ませ、お店を後にする。

来週は何を頼もうかと考える。



また一週間がたった。
私はブレンドコーヒーを頼んでいた。

また鏡を見ると、被っていた埃がきれいに拭かれていた。鏡越しには彼が映っていて、また目が合った。

「あれ、今日のコーヒーはいつもより酸味が強いみたい・・・。」


・・・・・・・・


彼女はきっと今日も来る。

僕はなぜか入り口横の棚に置かれている鏡を
きれいに拭いていた。


15時。
そろそろ来る頃だろう。
そして、頼むのはきっとブレンドコーヒーだ。

(カランカラン~)

注文を聞きに行くと、やはりそうであった。
何だか嬉しくて注文を聞いた後「よし!ありがとうございます!」なんて言ってしまった。恥ずかしい。

今日はもっと心を込めてこの一杯を淹れたい。

彼女の目の前にゆっくりそれを置く。

店の奥に戻りカウンターの掃除をしていたが、あの鏡が気になり顔を向ける。彼女と目があった。

いつの間にか彼女はコーヒーを飲み終え、
レジにて会計を済ませた。

「また、お待ちしております!」



(カランカラン~)

扉が開き入ってきたのは彼女だった。
ほんの少しだけ、今日も来てくれるのではないかと期待していた。

でも、さすがに三週連続は来ないよな・・・
なんて思いながら、
今日もブレンドコーヒーを入れる。



(カランカラン~)

入ってきたのは、僕と歳が近そうなお客さん。

店内は暖色の照明のはずなのに、
その瞬間だけなぜか少し眩しく感じた。

注文時はいつもお客さんとの会話を積極的にしているが、今日はなぜかできなかった。顔すらも見れなかった。

頼まれたブレンドコーヒーを淹れ、
お客さんの前に置く。

店の奥に戻った後も、妙にその方が気になり顔を向けてみると、鏡越しに目があってしまった。その瞬間店内に流れるクラシック曲のテンポが上がったような気がした。



僕は今日、初めてのコーヒーをつくったのだ。


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Model:村上茜さん
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