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自分の多面性を受け入れる
自己肯定感の話を。
本当の自分って??
考えたことはありませんか?
どれが本当の自分なんだろうって。
家にいる自分と学校にいる自分。
友達の前の自分と恋人の前の自分。
仕事をしている自分と趣味を楽しむ自分。
自分らしさとは何かを求めようとする時って、色んな自分を自覚した時だと思うんです。もっと言うと、自覚してそのギャップに違和感を抱いた時かな。
さっきまで明るく周りの人を引っ張る勢いで振舞っていた自分が、家に帰ると自信の無い弱気な自分になっていたり。
「これがやりたい!」って決めた次の日には、「いや、これじゃないかも」なんて昨日の自分の熱は何だったんだ、と自分自身に調子を狂わされたりすることもある。
こういうことが多いと、ひとまず自分というのを定めてみたり、まとめてみたり、整理したくなるわけで。そして1度スッキリと言葉にまとめてはみるものの、また違う自分に出会って出会っての繰り返し。
そういう状態であるのに、人から「あなたって〇〇な性格でしょ?」なんて言われると「いや、自分はそんな人間じゃない」と否定し、自分のことを分かってくれる人なんて誰もいないと、途端に自分を知ってるかのように振舞うことだってあるのだから、困ったもので。
あぁ、本当の自分ってなんなんだ。
自分らしさは複数あっていい。
でね、僕はそういうことをよく考えて疲れることも多かったんです。自分で自分が分からない感覚というか、分かってるつもりなんだけど上手く説明できない感じにとても気が疲れてたんです。
そして、これはつい1年前くらいから出てきた価値観なんですけど、「どの側面も自分だよな」ということ。
居場所ごとに自分のキャラクターがあっていいし、役割があっていい。昨日は明るい自分でも、今日は静かな自分でいい。自分の人生の段階に応じて価値観や行動が変わっていいし、変わらなくてもいい。やりたいことが増えてもいいし、減ってもいい。
なんかもう結局どれも自分なんだよなと受け入れるようにしてみました。
そうすると、どの時間にいる自分も、どの場所にいる自分にもある程度の自信を持てるようになりました。心にちょっとした余白も生まれました。
加えて、多面的な自分をそのまま受け入れてあげると、他人の「他人らしさ」にも、より寛容になれている気がします。
分人主義
ちょっと話は変わりますが、僕は普段ライターというお仕事をしています。(といっても、まだ仕事として始めて約半年程度なんですが。)
昨日の午前中は、本屋さんの取材をさせていただきました。長崎市出島町にある〈BOOKS ライデン〉さんです。
その取材の中で「分人主義」という話が出てきました。
「分人」とは、対人関係ごとに生じる様々な自分のことだ。
一人の人間は、複数の分人のネットワークでできており、「本当の自分」という中心は存在しない。
私は、近代的な「個人」という考え方の限界を乗り越えるために、「分人」の概念を発送した。
―――「自由のこれから」平野啓一郎
作家の平野啓一郎さんの著書で、「分人主義」という考え方が述べられているということを聞いて、あぁ良かったその感覚は間違ってなかったんだと少しホットしたんです。
要するに、本当の自分は存在しないという認識が分人主義であり、まさに僕自身の感覚をシンプルな言葉で表現していたものだったので、きっとその話をしている時の自分はとても笑顔になっていたに違いありません。
そして、その分人主義というものが気になって少し調べてみると、こんなことも書いてありました。
コミュニケーションは他者との共同作業である。会話の内容や口調、気分など、すべては相互作用の中で決定されてゆく。
自分を愛するためには、他者の存在が不可欠だという、その逆説こそが、分人主義の自己肯定の最も重要な点である。
愛とは、「その人といるときの自分の分人が好き」という状態のことである。
―――「私とは何か」平野啓一郎
「他人らしさ」にも寛容になれている気がする。と前述しましたが、
他者に対して今までより寛大な気持ちが持てるようになったのも、他者の存在が自分らしさをかたちづくっていると感覚的に捉えていたからなのかもしれません。
どれも自分でどれも良い
どの自分も自分であり、核となる本当の自分というのは存在するようでしない。
あらゆる場面や瞬間の自分を認める。無理して認めることが難しかったら、自分が好きな分人でいれる時間を長くとれる環境に身を置いてみたりするのも良いかもしれません。
きっと今のあなたは素敵だし、明日のあなたも素敵なんです。
どれも自分で、どれも良い。
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