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ICHASUと『お絵描き散歩』を始めました

皆さん、こんにちは!
4年ぶりにnoteにログインしましたよ。

2ヶ月前からYouTubeで『ICHASUのお絵描き散歩』というシリーズを始めたのですが、これが想像していたよりクリエイティブ脳を刺激される面白さに溢れていて、ものすごく楽しいんです。

だから「絵を描ける人も、自分では描けないと思っている人も、上手くなくても良いからとにかく楽しんで欲しい!」という気持ちを込めて、僕達が始めた『ICHASUのお絵描き散歩』ご紹介したいと思います。

「絵を描く」ことでしか表現できない面白さがある

僕は仕事で写真と映像の制作もしていて、趣味でもよくカメラ片手に旅に出たりフォトウォーク(「お写ん歩」と呼ぶ人も)をしたりします。
シャッターを押せば誰でも撮れるカメラで同じ場所を撮影しても、撮り手によって全く異なる写真がアウトプットされるのが写真の奥深さであり楽しさなんですよね。

でも同じルートで散歩をしても、写真ではなく『お絵描き散歩』をすれば誰も観たことがない世界が立ち上がるんですよ!
そりゃまぁ、何もないところから筆一本で自分の世界を創造できるのがイラストレーターの特殊技能ですから、当然と言えば当然なのかもしれないですが、絵を描けない僕は心から感服してしまうわけです。

『ICHASUのお絵描き散歩第1回江の島編』完成作品

ICHASUって誰?

ICHASU(イチャス)はキャラクターを描くアーティスト/イラストレーターです。

BUILDINGのポートフォリオページではイラストレーターとしての作例のほか、最近公開された渋谷区のプロジェクトも掲載しています!

アーティストとしては三越伊勢丹のコンテンポラリーアートギャラリー(個展 『MOON』、個展『MIXIM』)やmograg galleryなど、幅広いファンから支持を受けながら個展を開催してきました。
現在はCAT'S FOREHEADでアートワークを販売しています。

なぜICHASUと『お絵描き散歩』を始めたのか

僕はかねてからICHASUのマネージャーとして彼女が持つ以下の特殊能力に気付いていました。

驚くほど自分の生活圏外のことを知らない
東京で生まれ育ったのに下北沢も赤坂もようわからんレベル。だからちょっと離れた公園やレジャースポットはほぼ未踏の地で発見の連続。

・一緒に歩いていると一人で話し続けているか驚いている
ギャラリーの展示を巡ったりご飯を食べに行ったりする道中、散歩している犬を見ては喜び、なんてことのないモノ(家の壁とか)に注目し、それを見てどう感じたかを移動中にずーーーっと話してる。

・ほとんど部屋から出ないのに毎日のように新しいキャラクターが動き回るイラストを描いている

最近はこんなイラストを描いています!というダイジェスト動画です↓

日々「この特性を掛け合わせてなんか面白いことができないものか?」と考えていた中で、ある日「ICHASUを初めて訪れる場所に連れて行って、そこから刺激を受けて描いたら新しいICHASUの世界がもっと広がるんじゃないだろうか?」とひらめいたわけです。

『ICHASUのお絵描き散歩』のルール

僕達の「お絵描き散歩」は単に目の前の風景をスケッチしたり写生をすることが目的ではありません。
「まだ見ぬ作品を生み出すための探検」を楽しみたいのです。
そこで以下のようなルール(プロセス)を設定しました。

  1. INPUT:初めて訪れる場所を五感で感じる

  2. SELECT:気になるところで簡単なスケッチをする

  3. OUTPUT:散歩を終えて帰宅して”今回の1枚”を制作する

INPUT:初めて訪れる場所を五感で感じる

触れば波の弾力と海水の温度が伝わる
触ってわかる熱さもある
轟音と振動で覚醒する
気になったら近づいて観察する
潮だまりでカニも見つける
お台場で鵜の大群に遭遇して畏怖の念を抱く
スパイスの香りも目の前にないとわからない
もちろん味もね

SELECT:気になるところで簡単なスケッチをする

散歩をしながら気になったところで描く。
なぜ気になったか?は深く考えずに描く。
その理由はあとからちゃんと考える。

OUTPUT:帰宅してから”今回の1枚”を制作する

スケッチを参考にしながらも、「散歩で記憶に残ったこと」=「自分にとってインパクトがあったこと」を手探りで辿りながら、"今回の1枚”のイラストをつくります。
最近、ここから作品を制作するプロセス本番だという気がしています。

スケッチをしたモチーフが自分にとって大切なはず

家に戻っていったん寝て、やっと浮かび上がってくるイメージだってある。
それらを「どう組み立てて1枚の絵にするか」を考える。いや、悩む。
料理にたとえるならスケッチは食材集めです。
目の前に並んだ様々な食材を元にどんな一皿へと仕上げるか?が、クリエイターの腕の見せ所なんですよね。

入れたいものを全部入れるワケにはいかないし
「絵」として面白くなかったら(不味い料理なら)意味がない
この瞬間を待ってたんや!!
時には自分を俯瞰して見つめ直す局面も大切
ディテールにもこだわらないとね

まだ4回目ですが、「今回の1枚」を仕上げるプロセスに『お絵描き散歩』の面白さが詰まってるということがわかってきました。

この動画ではICHASUが「何を描こうか」と悩む、「ノリノリで描いたもののやっぱり違う」と描き直すなど、完成までの思考のプロセスをできるだけ収録しています。
ちょっと長い動画ですが、絵を描ける人もそうでない人もICHASUの思考の過程を追えるところを楽しんでもらえると思います。
「そこが気になるのか」とか「みんな悩みながら作ってるんだな」ってね。

クリエイティブのキモはSELECTにある

デザインも写真も編集も、成果物の「クオリティ」や「伝わりやすさ」を決定するのはSELECT(選択)のプロセスにあると思います。
これはたぶん、料理や音楽や生け花や建築や・・・とにかくほとんどのクリエイティブに当てはまるのではないでしょうか。

つまり「良い成果物をつくるクリエイター=SELECTが上手い」ということですよね。

クリエイティブ=アイディアと思われがちですが、アイディアは何かと何かの組み合わせだし、その「何か」はそこら辺にあるものなので、その業界で一定時間過ごしていると「何か」を組み合わせてどんどんアイディアを出すことは誰でもできるようになります。
そしてお題(クライアントの希望)に合いそうなアイディアらしきものを、どんどん詰め込むことも簡単にできるようになります。
会議をすればアイディアなんて次々に出て来ますから。

そんな”思いつきの破片のごった煮”的な状況から、「伝わる」とか「刺さる」とか「面白い」とか「イケてる」成果物へと昇華させるために、媒体の制約(誌面サイズ、写真の枚数、動画の尺)の中で最適なSELECTができるのが良いクリエイターなんだと思います。

ちなみに僕が写真を現像するまでのプロセスでは、「撮影する=空間から画角と瞬間をSELECTする」よりも、たくさん撮った写真の中から「どれを見せるかをSELECTする」ことが一番難しくて楽しいと感じています。

おっと、クリエイティブ業界の方なら誰でも知ってる初歩的なことを長々と書いてしまいました。

ここで何を言いたかったかというと、『ICHASUのお絵描き散歩』は、現場に着いてから帰宅して「今回の1枚」を描き終わるまでSELECTがずーっと続くということなんです。
なにしろ初めて観るものや予期せぬ動きの組み合わせが、360度のパノラマ空間×散歩の移動距離ぶん連続するわけですから。
結果的に楽しみながらクリエイティブ脳が刺激されるんですよね。

だから『ICHASUのお絵描き散歩』では

  • どこでスケッチをするか

  • 何を感じてスケッチをしたか

  • 「今回の1枚」で何を描くか

という「ICHASUの思考のプロセスを辿ること」を重視しています。
もしお時間がありましたら、第2回目以降もご覧いただけると嬉しいです!

そして皆さんが、それぞれのやり方で『お絵描き散歩』をはじめて、完成した作品を見せてくれるともっと嬉しいです!!


さて、そろそろ梅雨入りしそうですが『ICHASUのお絵描き散歩』第5回目のロケ地も決まりました。(ロケ地のSELECTもまた楽しいんです)
では仕事の合間を縫って、楽しみに行ってきまーす!

第3回善福寺川緑地編より


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