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【読書感想】今必要とされていることーー細川英雄著『対話をデザインする』を読んで

細川英雄著 ちくま新書 2019年出版

 タイトル見た時から気になっていて、これから読む本リストにキープしてたので図書館で借りて読んだ。

 この本、とても良書。啓発書のようなハウトゥー本のような感じもあるが、哲学やコミュニケーション学といった感じもあるし、語学を勉強する人なども読んだ方がいいと思ったし、いろんな角度から読める本。

 「「自分」とは、「私」の中にはじめから明確に存在するものでなく、すでに述べたように、相手とのやりとり、つまり他者とのインターアクションのプロセスの中で次第に少しずつ姿を現すものです。」p. 34 というように、だから対話というものが大事だという。だから自分探しというよりも、他人との対話をしていきながら自分というものと出会う、といった感じの印象を受けた。なので、他人との対話に挑むとき、「私のテーマ」を持つ、というのは分かりやすい。「私のテーマ」を持っておけば、会話しやすいのは事実だ。

 「ここで、わたしたちが言語を用いて、他者とやりとりし、その複数の他者とともに何らかの社会を形成していくことが不可欠であるとするならば、対話はその根幹思想としての理念と方法論を持たなければならないでしょう。その思想とは、まさに他者とともに生きるという共生の思想であり、社会形成の思想でもあるはずです。これを個と社会の循環と考えてみましょう。」p. 196

 このように考えると、人間、だいぶ、生きていくのがなだらかになるようなきがした。他者との共生という概念は、この本に書いてあるような対話を通して痛感できるものである。

 対話の仕方にこうしたらいい、ああしたらいい、というのはなんだか、押しつけがましいような気がするが、この本を一読すると、人との接し方、言葉の用いり方、など意識するようになって良いかもしれない。

 自分の意識改革に良い本である。


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