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失敗の科学#53

①我々が成長するカギは失敗とどう向き合うかにある。

サッカーの試合に負けたり、仕事の面接に落ちたり、試験に落第したり、誰もが失敗を経験する。

医療過誤は10人に1人(2005年)起きている。
原因としては、3つあり
❶疾患が複雑だから
❷資金や人で不足から
❸医師が咄嗟の判断に迫られているから

ただ、本当の原因はもっと深いところにあり、
我々が自分自身から失敗を隠すからである。

自分の失敗で自尊心や職業意識が脅かされると、
我々はつい頑なになってしまう。
高い地位に上りついた医師にとって
幸せを公にするのは耐えがたい苦痛だろう。

研究によると人は失敗を恐れるあまり、
度々曖昧なゴールを設定する。

②クローズド・ループ現象

失敗や進歩に繋がらない現状。
オープン・ループ現象
└失敗が適切に処理され、学習の機会や進化をもたらすこと。

指導者である医師たちが、
ミスの隠蔽は正しいことだと信じ、
それを実践している姿を見て医学生は学ぶ。

つまり医学生は予期せぬ結果を説明する時、
ミスではなく、複雑な事態が起こったと説明する。
しかも患者にはなにも言わない。

航空機業界は改善を繰り返し、
事故率を低下させてきた。

相反するこの業界の違いには、
失敗から学ぼうとする姿勢(スタンス)の違いにある。

では、我々がその姿勢を取り入れるには
具体的にどうすれば良いのか。

どう浸透させれば良いのだろうか。

ps.エレノア・ルーズベルト
人の失敗から学びましょう。
自分で全部経験するには人生は短過ぎます。

③集中の盲点

航空業界は、失敗をデータの山だと捉える。
失敗にはパターンがあり、
集中しすぎて1つのことしか見れなくなることが
原因であった。

④あらゆる法則

・失敗から学ぶ事は最も費用対効果が良い。
・あらゆる物事に当てはまるものは、何からも学べない
・1万時間の法則
└才能が開花するまでに1万時間の訓練が必要である

常に自分の間違いがチェックされ、
その結果が出る。だから嫌でも改善し、
適応しなければならない。
→集中的訓練

間違いを教えてくれるフィードバックがなければ
訓練や経験を何年積んでも向上しない。
→トヨタ生産方式

⑤失敗から学ぶには2つの要素

❶理想と現実のギャップを埋める事
└そのためには学習チャンスを活かすシステム作り
❷組織のマインドセット(人、各個人のスタンス)

ps.死刑判決の3回に2回は憲法上の過誤を犯していた
└人は自分の信念と相反する事実を突きつけられると
事実の解釈を変えてしまう

認知的不協和
自分が有能でないことを認めるのがこわい。
人は皆自分が頭が良く筋の通った人だと思っているから。
→自尊心が学びを妨げる

人間は外発的な動機より
内発的な動機に支配されやすい。

⑥累積淘汰と量が全てを凌駕する。

繰り返し改善を続け、成功した。
進化とは、選択の繰り返しである。
→累積淘汰(累積的選択)

面白い実験で、陶芸クラスで
質を評価すると伝えられたクラスと
量を評価すると伝えられたクラス(総重量が50ポンドならA,40ポンドならB)

→量を意識した(求めた)グループの方が
もっとも質の高い作品を出した。

量のグループは、
次から次へと作品を作り、試行錯誤を重ね、
粘土の扱いにも上手くなった。
質のグループは最初から良いものを作ろうとするあまり頭で考えることに時間を使いすぎていた。

早い段階で試行錯誤するプロセスは、
リーン・スタートアップ(小さく始める)に通じる

⑦反事実は目に見えない

ウェブサイトのデザインを変えて売り上げが伸びたとする。
多くの人は買えたから利益が出たと思うだろう。
だが、本当にそうだろうか?
ライバル会社が潰れたり、金利が下がった、
雨の日が続いてたまたまオンラインで購入するひとが増えたのかもしれない。

デザインを変えていなければもっと利益が出ていたかもしれない。

選択のバイアスにより、
意見の偏りが生じる場合がある。

⑧小さな改善の大切さ

小さな改善(マージナルゲイン)が大切
→検証しない仮説ほど怖いものはない
小さいレベルで何が有効で何がそうではないかを見極めることが必要。
ステップが小さくても積み重なれば驚くほど大きくなる。

ホットドックの早食いに使えるぐらいだから、
マージナルゲインのアプローチ。つまり、
トップダウンではない、
ボトムアップのアプローチは何にでも使える。

⑨人は根本的な帰属の誤りに陥る

簡単に言えば原因がその人の性格的な要因に求め、
状況的な要因を軽視する傾向にあること

真の無知とは、知識の欠如ではなく、
学習の拒絶である。

⑩誰でもいつからでも能力を伸ばすことができる

成長マインドセットの本質

ベッカム(サッカー)はごく一般的なサッカー選手で、
リフティングも5,6回しか続かなかった。
ただ、諦めずに毎日毎日毎日失敗を繰り返しながら少しずつテクニックを学集中力を鍛えていった。

リフティングを365日、毎日欠かさず行い3年間。
2003回までリフティングできるようになった。

そのあとは5万回はフリーキックの練習をした。

失敗はしてもいいではなく欠かせない。

マイケルジョーダンも
9000本以上のシュートを外し、300試合負け続けた
ウイニングショットを任されて外したことは26回ある。

失敗から学べる人と学べない人との違いは、
失敗の受け止め方の違い。

失敗を自分の力を伸ばす上で必要なものと受け止めるか、自分に才能がない証拠と受け止めるのか。

自分の考えや行動が間違っていると指摘されるほど
ありがたいものはない。

間違いが大きければ大きいほど、
進歩の幅も大きい。
己の地位に固執して、批判を拒むものに成長はない。

全てを失敗ありきで設計せよ。

一流のコーチは、ただ学習ができる環境作りをするのではなく、最も効果的なトレーニングをできるように配慮する。

同じスキルを磨くのでも、
できるだけ早く、そして奥深く学ぶことを目指す。

フェイルファスト
└事前になぜうまくいかなかったかを
チームで失敗を想定してブレストしあう
→プロジェクトがすでに死んでいる
このような失敗という抽象的な概念を具体化すると
問題に対する意識の持ち方が変わる。

■番外編
やり抜く力GRITは知力と体力を凌駕する。

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