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日々娯楽日記 2022.04.27

 いつもお疲れさまです。

 来たる9月30日に向けて、細々と準備中の杜乃です。この日は、「第17回 小学館ライトノベル大賞」の〆切日です。

 そのゲスト審査員には、なんと武内崇先生がご参加されるとのこと! これは書くしかねぇ! と意気込んだはいいものの、プロットを練っては没にし、練り直してはまた没にするばかりで、なかなか執筆が進みません……。

 でも、武内先生に作品を読んでもらえる機会を逃すわけにはいかないのです。〆切までに頑張って完成させたい……!


 さて。今回もやってまいりました、日々娯楽日記。3回目となる今回は、一度読んでいたけど最近になって読み返した漫画について語っていきます。

 1話から最新話まで何作品も完走するのは大変ではありますが、どの作品もメチャ面白くて、あっという間に読み終わりました。それはもう、「伝説と共に駆け抜け」て、「狂った犬の様に伴走」ったものです(サムネ回収)。


闇鍋ジャンル漫画『ゴールデンカムイ』

 まず初めに、『ゴールデンカムイ』(以下、金カム)から語りましょう。

 金カムはアニメ1期が始まったタイミングで漫画も読み始めて、今ではヤンジャンのアプリで最新話を追いかけています。

 ギャグとシリアス、笑いと感動が荒波のように押し寄せてくる感情ごった煮漫画。金カムとはそういった作品なのです。

 公式が付けたジャンルが「冒険・歴史・文化・狩猟グルメ・ホラー・GAG & LOVE!! 感情闇鍋ウエスタン!!!」なので、この漫画を型に嵌めることはもはや不可能だと言えます。


 本作は、アイヌ文化、日露戦争、新撰組など、明治末期ごろの歴史的要素をふんだんに盛り込み、一つの作品として上手に落とし込んでいます。特に、アイヌ文化に関しては本作を通して初めて知ることばかりで、とても学びが多いです。これは是非とも子どもたちに読んでもらいたいっ。

 また、クセの強い(というかクセしかない)キャラクターが大勢登場するのも本作の特徴です。クセもあれば性癖も惜しみなく露出させてくる奴らばかりです。

 江渡貝くん、親分&姫、姉畑支遁……etc。度を超えた変態どもが続々と現れて、彼ら(江渡貝のぞく)の皮を続々と剥いでいく……と書けば、なんと殺伐としたストーリーでしょう。これは是が非でも子どもたちには読ませたくない……。

 魅力が十二分に詰まっているのは確かなのに、人に薦めるには少々勇気が要る。それも、金カムならではの特徴と言えるのでしょう。これで北海道が大々的に金カムを応援してくれているのだから、良い時代になったものです( ̄∇ ̄)


 そんな金カムにおいて、欠かすことのできないキャラクターと言えば、皆さんは誰を思い浮かべますか?





 そうです。スケベマタギこと、谷垣源次郎ですね。

©︎野田サトル/集英社


 ファンからも作者からも愛される谷垣ニシパは、主人公の杉元よりも主人公してます。

 谷垣と二瓶の師弟関係、谷垣とインカラマッの恋模様、谷垣とチカパシの親子にも似た絆など、シリーズを通して谷垣ニシパは熱い人間ドラマを繰り広げてくれます。こりゃ好きになるわ。


 そして、本作を語る上で見逃せないのが男たちのクソデカ感情のぶつけ合い。金カムの「LOVE」の要素はほとんどこれに集約されていると言っても過言ではないでしょう。

 ウイルクとキロランケ鶴見中尉と第七師団の人間関係は仲間とか家族とかそんな分かりやすいモノじゃあないのです。
 相手が自分の意に背くようであれば、溜め込んだ感情が爆発して相手をキルしてしまいかねないというヘビーさ。愛憎渦巻く男たちの関係。

 これを公式が余すことなく提供してくださるのですから、順調に捗りますね(なにが)。


 明日、4月28日には最終回を迎えるとのことで、最後まで見届けたいと思います……!




技名を叫んでから殴る『血界戦線 Back 2 Back』

 これもまさか完結するとは思いませんでした。技名を叫んでから殴ることでお馴染み(?)の『血界戦線』です。
 完結とは言っても、現在連載中の「Back 2 Back」が終わるということで、作品自体はまだまだ続くのではないかと思います。

 『血界戦線』といえば、アニメ1期のオシャレOP・EDが今でも印象に残っています。「シュガーソングとビターステップ」はよく流行ってましたね。有線放送にカラオケと、いろんな場面で流れてました。もうお腹いっぱい。

 しかし、『血界戦線』といえば、金カムに負けず劣らずの闇鍋感があります。金カムが感情のごった煮なら、『血界戦線』は厨二病のごった煮と言ったところでしょうか。

 一夜にして異界と混じり合い、超常現象や魑魅魍魎が日常のものと化したニューヨークを舞台に、吸血鬼やその他の敵対生命体を相手に日々暗躍する秘密結社ライブラ。ふとしたきっかけから、「神々の義眼」を持つ少年レオナルド・ウォッチはライブラの一員として加わることになる──

 ──と厨二心を持った人なら垂涎ものの世界観でしょう。つまり私の同志です。


 厨二設定が魅力的な『血界戦線』ですが、本作の興味深いところは、主人公の出番が予想以上に少ない点です。コミックスの表紙や公式サイトのバナーなどを見ても、主人公がクラウスさんだと考えてしまいそうです。

 キャラクター紹介に至っては、クラウスさんが一番上で、レオは三番目に位置しています。間にザップを置いているあたり、レオの作中での扱いが容易に想像できますね。

©︎内藤泰弘/集英社


 それでも、レオが活躍する時は非常に心を揺さぶれます。ネジとの物語は何回読んでも泣けますし、シーズン1の「妖眼幻視行」におけるDr.ガミモヅとの戦いは、レオの孤独感に胸がザワザワしました。

 「Back 2 Back」においては、「災蠱競売篇」でもレオの活躍が光ってましたね。レオの出番は、シーズンの終盤にならないと増えないのはお決まりなのでしょうか……。

 「Back 2 Back」の完結は金カムの最終回と同じ4月28日とのこと。いや、長年追ってきた作品の最終回が同じ日に重なるとか、許容範囲を超えてまうって!





走る女の子は好きですか?『ウマ娘 シンデレラグレイ』

 Cygamesのドル箱コンテンツ、ウマ娘。そのコミカライズ版が『ウマ娘 シンデレラグレイ』(以下、シングレ)です。

 ゲームを始めたのとほぼ同時期にシングレを読み始めました。ウマ娘の設定はおろか、競馬についても無知だった頃なので、設定や用語を覚えるのに少々時間がかかりました……。

 今回、二週目で読んだことで新たに発見できたことも多かったです。ベルノライトの健気さとかカサマツ組の愛おしさとかその他諸々。

 なお、ゲームの方は「プリティーダービー」という副題なのに、漫画の方はプリティーの要素がゴッソリ削ぎ落とされています。

 もちろん、シングレのキャラクターも十分に可愛いですけどねっ。中でもオベイユアマスターは推していきたい。ああいう二面性のあるキャラは杜乃の心に深く突き刺さるんです……。

©︎久住太陽・杉浦理史/集英社


 シングレはプリティーの要素を抑えた分、スポ根要素に力を入れているのが窺い知れます。

 レースの描写は疾走感がよく伝わってきて、終始ワクワクしました。ウマ娘の醍醐味ってやっぱりレースだよな、と改めて思わせてくれました。

 ゲームだと、トライアスロンをしたりダンスパーティーをしたり、レースと関係がなくなることが多いので、レースのことはちょっと忘れがちになります(オイ)。


 シングレの数あるレースの中で、特に日本ダービーの演出には痺れましたね。二つの○○○を一つのものとして描くことで、ゴールの瞬間まで読み進めた時の衝撃は大きかったです。

 また、オグリキャップがここから這い上がっていくんだと思えば、もうムネアツ必至です。

 金カム・血界戦線シーズン2が最終回を迎える4月28日には、シングレの第三章がスタートします。この日は朝から心が激アツになりそうです。





科学のお勉強に『Dr.STONE』

 最後に、現在進行形で読み進めている『Dr.STONE』(以下、ドクスト)について語りましょう。

 実は、連載が完結するまでドクストは漫画・アニメともに触れてきませんでした。ジャンプの定期購読を始めた段階で、アメリカ大陸編に突入していたこともあって、1話から追いかけるのがちょっとメンドくさいなーと思っていたのです。

 しかし、いざ読み始めてみると、これが面白いのなんの! ネット上で「ドクストは面白ェ」と数多くの声が上がっていた理由がよく分かりました。


 大まかな話の筋は、全人類が石化した世界を舞台に、科学の力で元の世界を取り戻そうとする少年少女らの冒険活劇です。

 何もかもが石化して、文明がリセットされた状態から物語はスタートします。主人公の千空が持ち前の科学知識を駆使して、一から文明を築き上げていきます。その過程で仲間と出会い、強敵に立ち向かっていく……という流れはTHE・王道展開です。
 そこへ科学の知識を取り入れることで、物語を楽しみながら科学の勉強もできるという学習まんがみたいに仕上がっています。


 また、ドクストはスピーディに物語が展開し、無駄がどこにもありません。その上でどのキャラクターにもスポットが当てられて、読者を魅了してくれるのです。

 中でもあさぎりゲンの人気ぶりは(Twitter界隈では)凄まじいですね。

©︎ 米スタジオ・Boichi/集英社・Dr.STONE製作委員会


 あさぎりゲンは、普段は嘘つきで小物臭くて業界用語を喋っていて、「軽薄男」「ペラペラ男」などと呼ばれていて、コーラのために仲間だったはずの司を裏切る男なのです。

 こんな奴のどこに惹かれる要素があるんだ……と思った時期が少しだけありました。二、三日ほど。


 自他共に認める「軽薄男」であるゲンですが、ここぞという時にお得意の口八丁で仲間のピンチを救ってくれます。彼がいなければ、千空ら科学王国は志半ばで瓦解していたであろうことは疑う余地もありません。

 ズルくてカッコいい、略してズルかっこいい男。それがあさぎりゲンなのです。


 とまぁ、ここまで語ったはいいものの、まだ最終回までは読み切れていません。ホワイマンって誰やねん? という状態ですので、遅ればせながら物語を追っていこうと思います。





 以上で、漫画語りは終わりです。

 最近は、アニメ・映画・小説などのコンテンツよりも圧倒的に漫画を読む時間が多くなっています。漫画の場合、紙媒体と電子媒体のどちらでも手軽に楽しめる点が嬉しいですね。

 スマホの画面だと、漫画以外のコンテンツって少し見づらい気がします。活字は目がしょぼしょぼしてくるし、動画だとヌルヌル動きすぎて脳の処理が追いつかない心地がするのです。これって老化ですか?

 ともあれ、ガガガ文庫の公募もあるので、今までよりも執筆モードに移行していければと思います。今回の記事はそのウォーミングアップでもあったのです。


 先人たちが紡いできた物語を糧に、新たな物語を紡げるように精進していく所存です。


「なりたい、とか、なれたらいい、とかじゃない。(中略)なるからなるんだ。」
『アオアシ』小林有吾/小学館

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