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春暁

春 暁
            孟浩然 作
            井伏鱒二 訳
ハルノネザメノウツツデ聞ケバ
トリノナクネデ目ガサメマシタ
ヨルノアラシニ雨マジリ
散ッタ木ノ花イカホドバカリ
              出典『日本の詩歌28訳詩集』(中公公論社)

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 春暁 (しゅんぎょう)    孟浩然 (もうこうねん)

    春 眠 不 覚 暁 
    処 処 聞 啼 鳥 
    夜 来 風 雨 声 
    花 落 知 多 少 

  春の暁 
 春眠 暁を覚えず 
 処処(しょしょ) 啼(てい)鳥(ちょう)を聞く 
 夜来(やらい) 風雨の声 
 花落つること多少なるを知らんや 


孟浩然は世俗をきらい 山にひきこもって
おっとりと豊かな詩を書きました
熾烈をきわめる科挙の時代に生きたニートのことをおもい 読むと、さらに沁みます

そして井伏鱒二の妙訳 よくぞ やってくれました
慈しみ、毒とユーモアが洗練され
巨体の女装家、マツコ・デラックスのたたずまいにも どこか似ていると思いませんか

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