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価値が生まれる時

「人はいつ死ぬと思う…?」
「…人に、忘れられた時さ…!」

人気漫画ワンピースの初期の盛り上がりどころであるドラム王国のDR.ヒルルクのセリフです。
永六輔氏の言葉であり、メキシコの死生観でもあります。

では、価値はいつ生まれるのでしょう。
マーケティング•マネジメントにおいて顧客の価値が起点とされていますが、それは本当に価値でしょうか。

例えば経済活動の基本である貨幣の価値も一定ではありません。
100円玉を持っていても物価が上がれば相対的に価値が下がりますし、特売の日であれば瞬間的に価値が上がります。
為替の変動などもっと極端で、常に価値が変動し続けています。
100円が本当の価値を表す瞬間は支払いの時です。
ほうれん草一束なのか、チョコレート一枚なのか、中古の文庫本一冊なのか。
その交換によって価値が確定されるのです。

製品の価値、それは最初に意識しなければならないものですが、交換されるまで確定されることはありません。
家事を圧倒的に楽にすることができる製品があったとしても、誰も対価を支払わなければ価値の存在を証明することができないのです。

マーケターは顧客の価値を常に意識します。
市場調査から始まり、仮説を積み重ねて価値創造を行いますが、その価値はいつでも仮説でしかありません。
創造しても仮のもの、実現する要素を盛り込んでも仮のもの、顧客の対価と交換されてようやく存在が確定されるのですから、マーケターが全てのプロセスに関与するのは当然のことなのです。
プロセス中の価値はあくまで仮説、交換されて初めて価値になる、忘れないようにしましょう。

最後に、交換によって価値の存在は確定しますが、進化を発揮するかどうかは顧客が使用して認めてようやくなのも忘れてはなりません。

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