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機能的価値は数値化する

商品と価値は切っても切れない関係です。
なんでもないだけの品物に価値が与えられ、商いとしての役割を担うことで商品になります。
さて、その価値には一般的に二つの種類があります。
それが機能的価値と情緒的価値です。

一般的に機能的価値とは機能、性能、品質に関わることであり、情緒的価値は心理的、精神的に影響を与えることと言われています。
もう少し踏み込んで表現するなら、機能的価値とは定量的なものであり、情緒的価値は定性的なものです。
機能か情緒かを分ける線引きは数値化できるかどうかで考えられます。

例えばオーブントースターで考えてみましょう。
ある機能が搭載されているかいないかは0か1かで表現できますので機能的価値です。
最高温度が300度、タイマー時間が120分、自動メニューが50種類、これらも機能的価値です。
遠赤外線ヒーターはというと波長を数字に置き換えることができます。
一方で「トーストが美味しい」はどうでしょう。
従来より30%速く焼けたとしても、だから美味しいとは言いきれません。
水分量が20%多く残っても、破断強度が一定値以下でも、それ即ち美味しさであるとは言えません。
数値化と美味しさが繋がらないということは、美味しく焼けるというのは情緒的価値なのです。

情緒的価値は比較評価できないものです。
比較評価できないから価格に転化できたり、機能を超えて選ばれる力があるのですが、理性的な判断においては除外されるリスクを伴います。
気をつけなければならないのは機能的価値として比較しようとしているのに数値化できない時です。
数値化できない主観的な判断なのに、さも理性的に上下関係をつけようとしている様を見せられると違和感を禁じ得ません。

機能の比較は数値で、数値化できない要素は情緒的なものとして捉える、そんな棲み分けを意識しましょう。

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