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思考の周辺視

安いミニプロジェクターを試していた時のことです。
画面が小さい割には輝度が高く、それなりに見えるものではありましたが、画面を見ていない時だけやけにチラつきを感じました。
投影された映像を見ている時には気にならないのに、目を逸らすと視界の隅で明滅するのです。
映像機器に詳しい方に聞いたところ、人の目の特性によるものなのだそうです。
視野には中心視と周辺視がありますが、それぞれ異なる受容体が働いているそうなのです。
中心視は明るい場所で色を見分ける特性が強く、周辺視は暗い場所で光を感知するのに長けている為、プロジェクターのLEDのように高速で点滅している映像も周辺視では点滅として認識できるのだそうです。
周辺視と中心視、この二つの特性は人の思考ともよく似ています。

何かを考える時、集中すると「周りが見えなくなる」と表現されます。
周りが見えない代わりに見ているところの解像度は高まり、精度の高い思考ができます。
一方で集中しようとしている時に頭の隅で思い浮かべたことが案外重要なことがあります。
今考えるべきことではないと意識から排除してしまうと後で思い出せなくなるようなことが意識の少し外側で起きたりします。
集中力を削ぐかのように見えるこの意識の周辺視での思考が実は非常に重要なのではないかと考えています。
目が意識の外側で起きる些細な変化を捉える機能を持つことで生存確率を高めているのであれば、思考の周辺で起きていることに意識が向かうのも何かの意味があるはずです。
では具体的に何かというと人それぞれという曖昧な回答になってしまいますが、アイデアを練る時には周辺視に映る内容をメモすることで新しいアイデアが生まれるように思います。
視野の使い方はスポーツによって異なります。
意識の視野の使い方もきっと違うことでしょう。

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