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増え続けるアルファベット

マーケティングには様々なフレームワークが登場します。
商品企画に限定しても、捉える情報の範囲や当てる焦点によっていくつもあります。
PEST、5F、3C、SWOT、STP、4P…
これらの特徴的なことは頭文字を並べたものと、同じ頭文字のものを集めたものがあることです。
そして不思議なことに同じ頭文字でまとめられたフレームワークは数字を増やす提案が盛んに行われます。

例えば3CにCollaborator=協力者やContext=社会背景を加えて4Cや5Cにしてみたり、4PにPopularity=人気やPeople=人々を追加してみたりします。
確かにその観点は必要だよねと思わせる話術で新しいマーケティングの潮流のように語られますが、本当に必要なのかと言われると疑問が生じます。

3Cが3つなのは競争関係を表現する最小単位として捉える為です。
協力者は自社のリソースの一部と考えてもいいでしょうし、社会背景は顧客と市場の中に含まれます。
折角シンプルにまとめたMECEなフレームワークが台無しです。
4Pは自社が関与できる項目を整理したものなので関与できない人気や人々の存在は意味がありません。

ご飯を炊くことを考えた時、その要素は米、水、熱で表現できます。
圧力は熱の中に、浸水時間は水の中に含まれますし、酒や蜂蜜は炊き上がりを改良するものではありますが必須要素ではありません。
ふりかけや飯の友も美味しさを引き立てるのに一役買いますが炊くという本質とは論点が異なります。
要素を削ぎ落としてスッキリ考えられるように整理したものに再び要素を足していくというのは、気をつけないと炊き立てご飯にマヨネーズをかけるようなことになってしまうのではないでしょうか。
新しいかどうかではなく、本質的に正しいものであるかどうかは自分の頭で考えてみたいものです。

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