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役立たずの3C/STP

マーケティングの基本の話です。
商品企画を立てていく際には大きな外部環境の確認から徐々に焦点を絞っていき、自社の内部環境に目を向けて戦略を作り上げていきます。
それぞれの絞り具合に応じて、過去の事例から抽出されたフレームワークがあります。
世の中全体を見るPEST、業界内の競争状況を俯瞰する5Force、そして自社の競争環境を見る3Cがあり、立ち位置を明示するSTPがあります。
外部環境分析は捉える範囲が大きい為、なんとなく他人事のように感じてしまうこともありますが、3Cから自社のことになって、STPでようやく本気で考えるようになってしまうかもしれません。

3C分析をしてSTP分析に進むのが一般的です。
その時に3C分析の結果をどう扱うか次第ではただの役立たずな分析になってしまいます。
多くの教科書では3CとSTPの意味や順番を説明してくれますが、残念ながら連動についてまでは説明してくれていません。
3C分析をして競争関係を整理してわかった気になり、では次の課題へ、となっては3Cが現状理解以上の役には立ちません。
3CとSTPは絡み合うもの、そう考えなければなりません。

3CとSTPがどう絡み合うかはSTPについて考えれば見えてきます。
Segmentationは市場の切り分けを行います。
顧客はどのような特性に分かれるのかをMECEな観点で捉えます。
Targetingは対象の選定です。
自社が狙うのはどこかを選定します。
Positioningは位置付けの明確化です。
競合と自社の位置関係を明らかにすることで自社の立ち位置と優位性を示します。

もうお分かりいただけるでしょう。
3Cで出てきた結果はその後のSTPに呼応していくのです。
Customerの特性を一度MECEな観点から俯瞰すれば顧客セグメントが見えます。
Companyの観点が狙うべきターゲット市場の選定を後押しします。
Competitorに対して自社の立ち位置を特定しなければなりません。
これらが絡み合い連動していれば確からしく役立ちそうな考えが出来上がります。

マーケティングは分析するだけでなく、戦略に活かして初めて役に立ちます。
役に立てるには納得感が欠かせません。
その為には矛盾や論理の破綻が大敵となります。
フレームワークを埋めるだけでは各フレームワークごとの繋がりに納得感を与えることができなくなり、納得感が生み出せなくなるリスクを抱えます。
フレームワークの連動性や、フレームワークの間を埋めることを意識しなければただの頭でっかちな役立たず情報に陥ってしまうかもしれません。

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