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映画「ライアー×ライアー」レビュー:2021年初リピート作

公開から1ヶ月が経ち、巷では話題作の公開も始まる中、上映延長が決まった「ライアー×ライアー」。先日2度めを観に行った際も、春休みと思しき学生さんでたくさん席が埋まっていました。

公開翌日に見に行った作品でしたが、どうしてももう一度観たくなってしまい、「アナと雪の女王2」ぶりに映画館でリピートしてしまいました。今回は私が2回観て感じたことをお伝えしたいと思います。

見応えのあるW主演

最初に観た時、真っ先に思った感想はこれでした。「森七菜ちゃんすごい!」。何が凄いのかというと、圧倒的な引き込み力。少女漫画の中の世界に、自分のペースに、持っていく力がとんでもないです。

この映画は序盤にスピード感があるので、個人的にはここで置いてかれたら一巻の終わりかなと感じました。ですが、そんな心配は全く無用で、劇場の人をまるっとそのままさらっていってしまうのではないかというほどの引き込み力でした。圧倒、という言葉が近いかもしれません。森七菜ちゃんを観るだけでも映画館に行く価値があります。

同じくW主演の松村北斗くんも、とてもよかったです。今までの北斗くんの演技歴を観てきてもキラキラなラブコメのイメージは全くなく、ミステリアスでクールな、事件の鍵を握る謎多きキャラなんかが多い印象です。今回はそんな北斗くんのミステリアスさがうまく作用していました。この透はどういう感情?何考えてるの?と、見ているこちらと湊が一緒になってやきもきできる。まさに「何だこれ?何だこれ?何だこれ?」と一緒に楽しめるのがよかったです。

「ラブコメ苦手な人におすすめ」

「ライアー×ライアー」についてのインタビューや雑誌などを読んでいると、こんな紹介文がかなりの回数で登場します。私も、この作品はラブコメがあまり得意ではない人も楽しめる作品だと思いました。

私はラブコメも時々見るんですが、ただ胸キュンばかりを追いかけたような作品よりも、特に人間の内面に目を向けたような人間ドラマの方が好きです。

確かに少女漫画が原作ですので、ややぶっ飛んだ設定でなかなか自分を重ねにくいとは思います。ですが「ライアー×ライアー」の着地点が単なる胸キュンではないということは随所に表れていました。突然の壁ドンも、俺様台詞もなし。どちらかというと、それこそ人の内面をとても重視しているようでした。湊も、透も、烏丸くんも、まきちゃんも、1人1人がよく考えて一生懸命に向き合っている様子がとても清々しく、爽やかな気持ちになりました。

まとめ

「ライアー×ライアー」は、テンポ感もよく、ユーモアもありつつ、真っ直ぐに人を思ったり悩んだりする人の内面を描いた素敵な映画でした。透は見た目はクールでかっこいいけど、実は不器用なところが愛おしくもあり。湊はまっすぐで素直なところが愛らしく。登場人物1人1人が、人を好きになることや、友情を通して成長していく姿が印象的な作品でした。

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