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映画「あのこは貴族」レビュー

こんにちは。
先日、公開前から楽しみにしていた門脇麦、水原希子主演の映画「あのこは貴族」をようやく観てきました。今回はストーリーについてのネタバレはせずにレビューしたいと思いますので、まだ観に行こうか迷っている方も、既に観た方もぜひ読んでいただけたら嬉しいです。

広く撒かれた共感の種

東京で裕福に暮らしてきた、華子(門脇麦)と、田舎育ちで東京に出てきた美紀(水原希子)。人によって、共感できるのは華子だったり、美紀だったり、或いは両方だったりすると思います。

登場人物はそれぞれが自身の境遇の中でもがきながらも生きている様子が描かれており、私もこういう感じわかるな、と思わず共感してしまうセリフやシーンがありました。ちなみに華子の友人である逸子が、私がここ数年ずっと思っていることをそのまま言っているシーンがあり、ここは共感どころの騒ぎではなかったです笑。

華子と美紀という正反対の境遇にある2人の視点から描かれた物語なので、どんな人が見てもどこかに共感できるポイントがあるのではないかと思います。共感しながら見ることで、より一層メッセージ性が感じられるような映画だと思うので、ぜひ小さなことにも自分を重ね合わせながら見てみてほしいです。

心の映し方の繊細さ

この作品素敵だなあと思うのが、静かに人物の表情や様子にその人の心を映しているところです。セリフの一つ一つには、その人の心情がそのまま表れていることもあれば、その裏に込められた意味の方が強調されているなと感じる時とあって。

登場人物たちが、この時この人の言葉を聞いてこう思ったのかなとか、そういうことを私たちに考えさせる余白を持たせながらも、しっかりと伝わってくるような繊細さがとても印象的でした。

最近は派手な作品よりも、こういった静けさの中に人間の心が映し出されるような作品が特に気に入っています。なのでもし同じような趣向の方がいたら、ぜひおすすめしたい作品です。

華子のファッションにも注目

そして、この映画を見るなら是非注目していただきたいのが、門脇麦さん演じる華子のファッションです。

私の中で、本当に育ちのいいお嬢さまってあからさまに派手にしているというよりも、上質なものをセンスよく身につけている印象なんです。なので、ごてごてしていなくて、品がある華子の装いはとてもリアルに感じられました。麦ちゃんの控えめな演技と合っていて、すごく自然に本当のお嬢さまがスクリーンの中に存在していました。

雨のシーンでフルトンの傘をさしていたのはさすが貴族と思いましたね笑。フルトンはエリザベス女王も御用達のブランドで、ドーム型になっているのがおしゃれで欲しいなあと思っていたのでつい反応してしまいました。これから観にいく方は、ぜひ劇中で見つけてみてください!

まとめ

誰もが一生懸命に生きていて、どんな環境に生きる人にも、苦しいことはある。明日から頑張る活力をくれたり、人生の美しいところをそっと教えてくれるような素敵な映画でした。心が洗われる、そんな言葉がぴったりな作品です。原作の山内マリコさんの小説も読んでみたいと思いました!観るか悩んでいる方も、ぜひ劇場に足を運んでみてください。きっと華子や美紀や、その友人たちから勇気をもらえると思います。

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