【取材した怪談話144】夜間警備・寺院
元警備員のJさんから伺った話。
彼が若手の頃、夜勤時に会社で待機中、とある寺院から設備異常を知らせる警報が鳴った。原因を確認するため、Jさんは会社の車両で現地に急行した。警備員の巡回・点検は、単独で行う。
寺院に到着したのは、夜二~三時だった。夜間は無人のため、照明もなく真っ暗だ。敷地内の駐車場に車を停める。
その時から、何となく厭な予感に包まれていた。内心は行きたくなかったが、仕事なので仕方がない。車から降りて、歩いて本堂に向かう。防弾用鉄板が埋め込まれた五キログラムの