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取材した怪談

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私が取材した心霊的・不可思議現象の話です。
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2022年6月の記事一覧

【取材した怪談238】馬

四十代女性Lさんは幼稚園児のころ、ある特定の夢を見ると夢遊病状態に陥っていたそうだ。 当時、彼女の家族はアパートの2階に住んでいた。 彼女がその夢を見たときは、わんわんと泣きじゃくって、寝床から起き上がって部屋をふらふらと歩いて窓を開けて外に出ようとする。 バルコニーがないので落下するおそれがある。 そのため母親が常に近くで寝て、Lさんの症状が出るとすぐに自分も跳ね起きて幼い彼女を窓から遠ざけていた。 夢の内容は、一頭の褐色の馬が自分の目の前をただひたすら駆け抜けていく映

【取材した怪談237】着色

「女友達で、オーラの色が見える人がいるんです」と、二十代女性Bさんは教えてくれた。オーラとは、人体から発せられる肉眼では見えないエネルギーの一種である。 先の彼女の発言を受けたとき、「対面した時に相手のオーラが見える」という意味だと思った。実際そのようだが、その女友達はそれだけではないらしい。相手が打ったメール文の黒文字も、着色されて見えるそうだ。 「以前、彼女からご飯か何かにLINEで誘われた時、私が色々あって気乗りしなかったんですが、いつもと同じように『オッケー』みた

【取材した怪談236】心霊写真の正体

男性経営者のA氏と雑談している時、「新潟とか富山の怪談ってあるの?」と問われた。富山の寺家トンネルの体験談(心霊写真が関連する)を話したところ、「それで思い出したけど、俺も心霊写真の話あるわ」と言って話してくれたエピソードである。 彼が小学校高学年の頃の話だから、昭和後期の出来事だ。埼玉県内のキャンプ場で、学校行事として野外活動が一泊二日で行われた。キャンプ場での児童の様子は、教員らがフィルムカメラで写真に収めていた。デジタルカメラ等は普及していない時代である。 初日の夜

【取材した怪談235】人はねた

文章取材:30代男性 ・・・ 私は釣りが趣味で、連休となれば仲の良い友人達と夜釣りを楽しんでいました。 その時も深夜1時まで友人2人とI県で夜釣りをし、その後にT県の友人宅まで移動してまた釣りをしよう、ということになりました。夜釣りからの移動は予想以上にキツく、睡魔と疲労に襲われながらもなんとか2時間程でT県に到着しました。 そこで限界を迎えた私達は、近くの公園で車を停めて朝の待ち合わせ時間まで仮眠することにしました。公園には街灯もなく、山に隣接した林の中にポツンとベ

【取材した怪談234】婚姻予知/妊娠検知

【婚姻予知①】 広島県内の高校に通っていた女性Aさん。 「ある日の授業中に、『関西弁の人と結婚する』という情報が頭の中にいきなり降ってきました。予感でも願望でもなく、確定した事実というイメージです」 数年後、彼女は奈良出身の男性と結婚した。 【婚姻予知②】 女性Bさんは独身時代、アミューズメントパークに勤務していたことがある。 「仕事でいつも通りアトラクションの装置を操作している最中、『男性社員Cさんと結婚する』という情報が頭の中に降ってきました」 男性Cさんは