【小説書き方:勉強】『文章を仕事にするなら、まずはポルノ小説を書きなさい』
BL小説書くのが趣味で、いつか小説で食べていければなぁと思っています。
今回は、そんな気持ちでいた私がAmazonで見つけて買った↓の本について紹介します。
※kindle版のリンクです。書籍版も販売されています。
男女の恋愛ものであるポルノ小説に関する本なので、BLではないですが、エロ小説の考え方、書き方などを学べればと思って買いました。
【本の概要】どんな本なのか?
ジュブナイルポルノ(若者向けのポルノ小説)を主に書いていらっしゃる、わかつきひかるさんという方が書かれた本です。
簡潔にまとめると、
ポルノ小説(そしてエロゲのシナリオライター)は、一般小説よりも敷居が低いので、まずはポルノ小説を書き慣れて文章力をつけてから、他のジャンルを書くという方法がおすすめ!
ポルノ小説の書き方も解説するので、実際に投稿してみましょう!
という内容。
より詳細な内容を紹介するため、目次を引用します。
本書は8部構成になっています。
【1】ポルノ作家という仕事
【2】ポルノ作家の仕事先
【3】ポルノのツボはここにある
【4】長編ポルノ小説を書いてみよう
【5】投稿しよう
【6】編集者から連絡が来たら
【7】本が出たらすること
【8】作家として軌道に乗り始めたら
『文章を仕事にするなら、まずはポルノ小説を書きなさい』目次より引用
それぞれの項目について、ざっくりまとめていきます。
【1】→ポルノ小説家ってどんな仕事?(収益、懸念など)
【1】では、ポルノ小説から入る利点と、ポルノ作家と聞いて思い浮かぶであろう不安ポイントについて解説しています。
・ポルノ作家のおおよその収益
・ポルノ作家の経歴ってマイナスになるの?→ならない
・パワハラ、セクハラなどあるの?→今はほぼない
・女性だけど、童貞・処女だけど大丈夫?→大丈夫!!
などなど。
収益については出版社との契約によっても変わるそうですが、1冊出版されたら〇万円、電子書籍化もされたらこのくらい、と具体的な数字で記載してあったので参考になりました。
【2】→ポルノ小説といえど、ジャンルはさまざま(大人向け、若者向け、女性向けetc)
【2】は、ポルノ小説、と一口で言ってもさまざまなジャンルがあり、向いている人も違う、という話です。
私は、ポルノ小説といえば、駅のキオスクなどで売っている、黒っぽい装丁でちょっと年配の男性が読む物、という認識がありました。
ですが、実際は対象年齢の違いでジャンルが細分化していて、レーベルも多数あることを知りました。
多数紹介されていましたが、代表的なのは下記の3つなのかな、と思います。
【官能小説専門レーベル】
いわゆる、ポルノ小説と言われて連想する本。
50代くらいの男性会社員が読者。
フランス書院文庫、マドンナメイド文庫などが代表レーベル。
【ジュブナイルポルノ専門レーベル】
フランス書院文庫などよりは、もうちょっとカジュアルなポルノ小説。
20~30代の若い男性が読者。
美少女文庫、二次元ドリーム文庫などが代表レーベル。
【乙女系専門レーベル】
女性向けのきらきらしたポルノ小説。
30~60代の主婦が読者。
ティアラ文庫、オパール文庫などのレーベルがある。
ジャンルの特徴のほか、各ジャンルにおける仕事の多さや報酬の高さ、向いている人などが解説されています。
漠然と、エロい小説を書きたい!それで稼ぎたい!と思っていましたが、自分に合ったジャンルのレーベルに挑戦することがより近道になるなぁと思いました。
私が書きたいのはBL小説ですが、おそらく乙女系専門レーベルが一番傾向としては近いのではないかなーと読んでいて思いました。
【3】【4】→ポルノ小説を実際に書いてみよう!
【3】ではポルノ小説を書く上での心構え
【4】では実際にポルノ小説を書く手順
を解説しています。
【3】で勉強になったのは、読者に合わせて書き方を変える、というポイントです。
・男性向けでは、胸の柔らかさなどをリアルに、臨場感たっぷりに書き、ヒロインを魅力的に魅せる。
・女性向けでは、宝石やドレスなどが出てくるキラキラした世界観で、健気に愛されるかわいらしいヒロインを書く。
男性は、魅力的な女性を抱いていることに萌える
女性は、愛されている自分にときめく。
ということなのですが、こういった視点で考えたことがなかったのでとても参考になりました。
【4】では、起承転結による作品の構成の決め方、企画書の書き方など、実際に小説を書く流れを解説しています。
【4】の流れに従えば、1作書けそうな感じです。残念ながら私はまだ1冊にいたるくらいの文量(原稿用紙300枚ほど)を書ける筆力がないので、現在は短編小説を書いて練習中です。
ただ、構成の決め方や企画書に関することは、短編でも応用できる内容なので、参考にしています。
【5】~【8】→投稿方法と、デビュー後の流れ
書いた小説を投稿しよう!ということで、【5】では基本の投稿方法について解説しています。
新人賞に応募する際などは、その賞の要項に従うことになりますが、レターパックの記載方法や、原稿の印刷方法など基礎中の基礎が丁寧に解説してあるので安心です
また、落選した場合についても記載があります。
落選の場合、明確に連絡がこないことがあるそうで、その場合は大体半年たったら、他のところに応募するのもあり、だそうです。
落選した小説についてネットで検索すると、「落ちた小説は、どこでも落ちるから、他に投稿しても無駄」と書いてあり、私もずっとそうだと思っていました。
しかし、作者のわかつきさんは下記の理由から、ポルノ小説は別の賞にも応募すべきだと述べています。
【理由①】
一般小説では下読みという工程があり、下読み担当者はどの社も共通しているので、同じ担当者に再び落とされる可能性がある。
しかしポルノ小説は下読み担当がおらず、都度編集者が直接読んで判断するので、社ごと、編集者ごとに判断をしてもらえる。つまりA社でNGでもB社でOKということがありえるため。
【理由②】
よい小説だったとしてもタイミングやレーベルの考え方、編集者の好みで採否が変わるため。
「ロリものとしてはいい出来だけど、うちの社ではロリものは出さないことに決めているからなぁ」という、作品の出来に関係のない理由で不採用になる場合がある。
『文章を仕事にするなら、まずはポルノ小説を書きなさい』より要約引用
【6】では、応募作が編集者の目に止まり、連絡が来た後について解説しています。原稿手直し~出版までの流れについてですね。
【7】では、本を出版後、振り込まれた金額の確認をすることと、その本を販促ツールとして他の出版社に営業をかけることを勧めています。
【8】では、作家として軌道に乗り始めたのち、慢心せずに出版社への営業をかけることと、書店営業にも行くことを勧めています。
おわりに:ポルノ小説もといエロ小説で書きたい人、稼ぎたい人には一見の価値あり
エロ小説の書き方、考え方、その小説の売り方(投稿方法、営業方法)などが一通り書かれているので、この界隈で働きたい人は入門書として読むのにちょうどいいと思います。
私はこの本で、「読者に合わせて書き込む部分を変える」というのが衝撃でした。
たしかに、男性向けのポルノ小説をチラ見したことがありますが、胸の柔らかさ、髪の匂い、汗の甘酸っぱい匂いなどが詳細に書いてあり、生々しいなーと思ったのを覚えています。
逆に女性向けの乙女系小説だと、宝石やドレスのきらびやかさ、相手の男性のかっこよさなどの書き込みが多かったなーと思います。
自分が書くときにも気をつけたいですし、今後小説を読むときにも「この作品の読者対象は誰で、どういった読まれ方を想定しているのか」など考えながら読んでみたいと思います。
ではでは今回はこの辺でノシノシ
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