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【Essay】妙に明るいと思ったら、今日が満月らしい……

夜中の三時に目が覚める。
それ自体はよくあることなのだが、その日はどこか部屋の雰囲気が違って見えた。

そう、部屋が〝見えること 〟が違っていた。

普段は真っ暗闇の時間帯。その日は窓にかかったカーテンの隙間から光の柱が伸びていた。
その淡い光が部屋を横切って、ほんのりと明るく魅せていたのである。

夜中に起きて、トイレに行く。
ついでに手帳や本を開いてみたり、スマホをいじって様々な作業をする……
そんな当たり前にこなしていた日々の動作すら惜しく感じ、立ち上がった私は窓ににじり寄り、じっくりと月を見上げて眺めてみたのだった。

肉眼ではほとんど満月に見えたが、本当に満月かどうかは分からなかった。
ただ、丸くて明るい月と、雲のない空と、灰色に見える世界の有りようが妙に心地よかった。

真っ白と真っ黒の間に挟まれた灰色の世界は、随分と幅が広いと思う。
自分は、そのグレーゾーンのどこに存在しているのか分からないが、グレーゾーンでなら、まだまだ生きていけるかもしれないと思った。


昨日の月光は、そんなことを私に教えて諭し、翌日にはわざわざ手帳を開いて満月か否かを確かめるという行動を取らせた。

ズボラで飽き性でうつ病で面倒臭がりな、この私を。
あっさりと動かしてくれたのだ。

満月。
おまえさん、なかなかやるなぁ。

ココロの吐き溜めな、掃き溜め倉庫(時代遅れなガラケー)サイトから……面倒でも諦めずにコツコツと引っ越した甲斐がありました!! と、言えるように頑張ります(´;ω;`)ウゥゥ