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【イベントレポ】未経験から憧れの広報PR職に。仕事の流れや具体的な施策のご紹介。

華やかなイメージのある広報PRのお仕事。

女性も多く活躍しており、「私も挑戦してみたい!」と考えている方も多いのではないでしょうか。とはいえ、実際どんなお仕事をしているのか、よく分からない部分が多いお仕事でもありますよね......。

そこで今回、SHElikes*1 のコミュニティーが開催するイベント『この話を聞いてみよう〜広報PR編〜』に参加し、未経験から広報PR職に転職されためいこさんにお話を伺いました。

●めいこさん
広報コンサルアシスタント。出張手配専門の旅行会社で営業職を経て、今年の4月から広告支援サービスコンサルティング会社に転職。現在は主にクライアント様向け資料作成・リサーチを担当している。


広報のお仕事に興味がある方、広報のお仕事のリアルが知りたい方、未経験から広報への転職を考えている方。

こちらの記事を読むことで、広報の基本から、他では聞けないような具体的な案件のお話など、広報PRのお仕事についてより理解を深めることができますので、ぜひ参考になさってください!


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広報PRは、信頼関係を構築する仕事。
課題解決のためには、ご要望に応えない姿勢も大切。


ーー広報PRについて初めて聞く方のために、簡単に教えてください。

広報PRとは、企業・団体が事業や商品について、「社会の人に理解してもらい」「良い信頼関係を築き」「最終的にファンになってもらう」ためのコミュニケーション活動のことです。



ーー”広報PR”と聞くとメディアの取材を受けているイメージが強いのですが、それもコミュニケーション活動の一環なんですね!一連の仕事の流れや、担当している業務を教えてください。

まず、営業が案件を獲得します。その後、お客様のご要望や課題をヒアリングし、社内で戦略会議を実施。会議で出たアイデアを提案書にまとめ、お客様にお渡しし、提案内容を気に入っていただけたら、改めて提案書の内容をご説明させていただきます。契約を結んだら、実際に提案内容を実行に移していきます。実行しつつ反省しつつといった流れです。

私は実行フェーズにきたところで、資料作成やリサーチのアシスタントを担当させていただいています。



ーー色々な段階を踏んで、実行に移していくんですね!具体的な案件内容は、どのようなものがありますか。

お客様はコンサル企業や、ベンチャー企業など多岐に及びます。案件は、企業の認知度をあげたいとか、ファクトブック*2 を記者の方ともっとコネクションをとりたいだとか、採用・広報に力を入れたいというものがあります。

他にも社員さん同士の繋がりを増やすために、社内広報へのアドバイスが欲しいという依頼もありました。広報はパブリックリレーションズなので、幅広い範囲で関わりがある仕事なのだと感じています。



ーー社内広報のアドバイスまで......!本当に幅広い案件があるんですね。仕事のやりがいや、実際に働いてみて感じたギャップはありますか。

まだアシスタントで、大きな業務に携わっていないのですが、コンサルタントの方から「手伝ってもらえて助かりました」と言っていただくと嬉しいです!

広報PRの仕事を行う上で、会社が大切にしている考えが「自分が仕事に携わったということに意義を持たせよう」です。私がサポートしたことで、コンサルタントの方に仕事がやりやすくなったと感じていただけると、意義を感じます。

仕事内容自体は、SHEの広報PRコースで習ったこととほとんど一緒ですね。まだ私も広報PRコースを受講している途中ですが、「この内容、実際の業務でもやったことある!」と思いながら聞いています(笑)。

ギャップは、想像していた以上にコミュニケーションがカジュアルだったことです。前職ではお客様とのやりとりはメールか電話でしたが、現職ではFacebookのメッセンジャーでやりとりすることもあります。フレックス制度を取り入れている会社なので、前職の定時制とは、働き方も大きく変わりました。午後からの出勤も認められているんですよ!


ーー仕事内容だけでなく働き方も変わったんですね!変化の多い日々だったと思いますが、仕事をするなかで、1番辛かったことは何ですか。

すごく辛かったというほどではないですが、大変だなと感じたエピソードがあります。前職は旅行会社で出張手配をしていて、やりとりをするのはエンドユーザーの方でした。旅行会社はサービス業ですし、お客様のご要望は全てお応えするのが当たり前というスタンスでした。

しかし、現職はお客様のご要望を聞きつつも、最終決定権はこちらが握るというスタンスです。お客様のご要望でも、課題解決に結びつかず、逆効果になってしまうことも多いです。私たちはあくまでも課題に対してアドバイスをする立場なので、最終的な決定はこちらで決めます。ゆくゆくは慣れなくてはいけないのですが、前職と真逆のスタンスが難しいです......。


ーー仕事によって、お客様目線のあり方がここまで違うなんて驚きですよね......。ちなみに、めいこさんが仕事をする上で大切にしていることは何ですか。

2つあります。
1つ目は、コミュニケーションを積極的にとることです。
広報は関係を構築していく仕事なので、色々な人と信頼関係を築くことが大切です。

2つ目は、「目的」を意識することです。
仕事を依頼された時には、あらかじめ「目的、期限、必要な情報」を明確にしています。資料作りひとつにしても、これは社内で使うものなのか、それともお客様にお渡しするものなのかで形式が変わってくるので、必ず確認しています。


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社内広報と社外広報とでは、対象と目的が異なる。
具体的な施策や、意識するポイントの違い。


ーー先程、社内と社外で形式を変えるとお話されていましたが、案件ベースでは社内広報と社外広報とでは、どのような違いを意識していますか。

社内広報は、企業内のコミュニケーションの促進が主です。
だから、より奇抜で面白いアイデアが出ますね!例えば、体操を作るとか。一時期、筋肉体操が流行ったじゃないですか(笑)SHEだったらSHE体操を作って、皆でやろうというものです。社内外でコミュニケーションのきっかけにもなりますし、会社に愛着を持ってもらいたいという意図もあります。

社外広報は記者の方向けで、どう伝えて取り上げてもらえるかが重要になってきます。記者の方が書いた記事が、一般の方にどういう印象を与えるかを、常に意識していますね。そこはSHEのブランディングコースの勉強も役立つと思います。



ーーちなみに、社内広報の場合、お客様はどれくらいの予算を想定しているのでしょうか。

最近携わったものだと、予算80万円でした。
内容は、社内向けメルマガの配信、動画コンテンツ作成、座談会の企画です。予算も大事ですが、何より予算に見合ったお仕事を提供しようという意識でみんな働いています。


ーー予算80万円のお仕事って、かなりプレッシャーを感じますね......。社外広報の場合、具体的な施策はどのようなものがありますか。

プレスリリースを書くことはもちろん、記者会見のセッティングもあります。プレスリリースを出すと、新聞や雑誌が取り上げてくれます。そうすると、一般の方の元に情報が届きやすくなり、認知度があがりやすくなります。

私が面白いと思ったのは、メディアトレーニングです。
代表者インタビューの練習のようなことをして、広報PRの専門家のフィードバックを受けるというものです。話す内容はもちろん、見た目の印象や話し方、メディアの方にどう対応するかのトレーニングも行います。例えば、スーツの色とか、この話題はセンシティブかどうかとか、もっと声を張った方がいいんじゃないかとか。そんなところまで見てるんだ、と毎回驚きます(笑)。

自分から発信しているわけではなく、あくまでも記者の方に取り上げてもらう形なので、どういう表現で記事が書かれるかは、私たちではコントロールできません。だからこそ、どういう風に届けたいのか、印象のトレーニングが重要です。広告と違って、自分たちの思い通りに書けない大変さもありますが、第三者が書いた方が信頼度が上がるので、そういった効果も期待しています!



ーー第三者を通すことで、信頼度が上がる。これも戦略の1つなんですね......!ちなみに、行った施策に対するフィードバックはどのように受けるのでしょうか。

Webサイトやブログのアクセス数を計算して、どれくらい効果があったかを確認します。お客様によっては、広告費の換算といって、メディアに掲載された記事が、広告費で大体いくらになるのかを換算したレポートを送っています。


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広報PRは戦略のアイデアを練る仕事。
日々学び続けることが、お客様の課題解決に繋がる。



ーー広報PRをする上で、これは身につけておくといい能力はありますか。

基本的なことだと思いますが、まずはレスポンスの速さです。私は社内でSlackを使っていますが、「常に連絡がとれる状態にしておいてね」と言われています。例えば、仕事を依頼されたら、別のことをやっていたとしても、内容を確認してリアクションはしています。あとは報連相を徹底することや、疑問点があれば質問することですね!

もう1つは、発想力です。戦略のアイデアを練っていく仕事なので、普段から他の会社はどのような施策をとっているのかを考えることが大切です。私はPRタイムズでプレスリリースの内容を確認して、インプットを増やしています。あと、難しくなくてもいいので、新聞を読むのもおすすめです。今どういうものが伸びているかとか、こういう表現・発信の仕方は炎上しやすいとか、そういう視点で見ています。

また、Webマーケティングコースのマーケットトレース*3 もおすすめです。色々な施策例や情報収集の方法も学べますし、頭の体操にもなります。お客様の課題を解決するという意味では、コンサル会社と似たようなことをやっているので、コンサル経験者はPRの仕事もやりやすいと思います。


ーー常に学びが必要なお仕事なんですね。その点ではコツコツ努力できることも必要な能力なのかなと感じました!広報PRについて学ぶなかで、広報PRが上手だなと、注目している企業はありますか。

SNS運用も広報PRの手段のひとつなので、シャープさんとかSNSが上手な会社は広報PRも上手だと思います。あと、私が資料作りをする上で参考にしたのはメルカリさんのファクトブック*2 です。自分の会社の事業を一言で説明するって意外に難しいのですが、メルカリさんは綺麗にまとまっていてわかりやすいです!皆さんも、ぜひチェックしてみてください(笑)


ーーすごく気になります、絶対チェックします(笑)話は変わりますが、どういった給与体制で働いていますか。差し支えない範囲で教えてください。

最初に社長と話をして、未経験であることと前職のお給料を考慮して年収を決めます。通勤費や必要経費は別途支給です。私の会社は裁量労働制なので、業務量や成果によって昇給の可能性もあります。担当企業を持てたらお給料も上がると思うので、早くスキルを身につけたいです!


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コロナ禍で迎えた社会人2年目。
芽生えた危機感と、広報PR職との出会い。


ーーここからは転職のお話を聞かせてください。転職しようと思ったきっかけは何ですか。

入社した当時から、同期との関係に違和感を感じていて、転職は意識してました。働いて1年経ったとき、コロナの影響で仕事が大幅に減って、計画休業で週休6日になってしまったんです。最初は嬉しかったんですが、1年弱この状況が続く中で、実務で経験が積めないことに危機感を抱きました。社会人2年目でこんな風に過ごしていいのだろうかって......。

また、上長がパワハラ気質で仕事がやりづらかったことも原因の1つでした。計画休業の影響で他の先輩に会えなくて、誰にも相談できない環境で精神的にしんどくなってしまって......。そう考えると、コロナの影響が大きかったですね。



ーーコロナ禍で出張の在り方は大きく変わりましたもんね。本当に大変でしたね......。転職先に広報PRを選んだ理由は何ですか。元々、広報PRには興味があったのでしょうか。

インターンシップをしていた頃に、同僚から紹介してもらったのが現職の社長でした。社長に「広報PRは世の中にいい商品や、いい会社を広める仕事なんだよ!いい商品を作っているのに、なかなか認知度が上がらない会社はたくさんある。私たちがお手伝いすることで、いいものが広まれば、皆ハッピーになるでしょう」と熱弁されて、私もその使命に共感しました!

広報PRをして、認知度が上がって売上も伸びれば、会社もハッピーだし、お客様もいい商品に巡り合えてハッピーになる。当時から「やりがいがあって、いい仕事だな。いつか私もやりたい」と考えていました。


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人脈の繋がりを活用し、転職。
1つだけでも、強くアピールできるスキルを身につけよう。


ーー広報PRの面接って、どういうことを聞かれるのでしょうか。あまりイメージができないのですが......。

実は面接らしい面接をしていません。採用のきっかけも、社長がFacebookで英語が使える人を募集をしていて、それを見て連絡しました。よくよく話を聞くと、社長の会社ではなくて、社長の友人の代理で経験者を募集していたようで。私は未経験だから無理ですかね...と伝えたら、じゃあうちに来るか!と誘っていただき、入社することになりました。面接で聞かれたことといえば、前職のお給料くらい。特殊な転職方法ですよね(笑)

人脈の種まきが実を結んだ形なので、皆さんも持っている繋がりはどんどん活用していった方がいいと思います。異業種交流会や大学の同窓会に顔を出してみるとか、とにかく行動してみてください最近だと、SNS経由で人材募集している場合もあるので、SNSも要チェックです!



ーーやりたいことは口に出し、行動することで道が開ける。実際に転職されためいこさんが言うと説得力がありますね!ちなみに、未経験をカバーするために、アピールしたことはありますか。

広報PRには絶対必要というわけではないですが、私は留学経験があったので、インターンとして入社した際には、英語が話せることをアピールしました。当時はWebサイトの翻訳やメールを英文で作成する業務をしていました。1つだけでも、強くアピールできる部分があればいいと思います。オウンドメディアの運営業務もあるかもしれないので、Webサイト制作やSNS運用スキルも身につけておくと役立ちます!



ーーめいこさん自身もSHEの受講生だそうですが、広報PRのお仕事をする上で、おすすめのコースがあればを教えてください。

全部で4つあります。
まず1つ目は、ビジネスコースです。資料作成の際に参考にしましたが、すごく分かりやすかったです。資料作成は仕事の基本なので、今は使わない仕事だから必要ないと思わず、受講することをおすすめします。
2つ目は、ワードプレスコースです。お客様のオウンドメディアを動かす際に必要なスキルを学べます。
3つ目は、Webデザインコースです。こちらもお客様のWebページを動かす時に必要なHTML・CSSの知識を学べます。
4つ目は、ライターコースです。
社長インタビューやオウンドメディアの記事作成は、現在プロのライターに任せていますが、自分で記事が書けたら、強いスキルになると思います。SEOの知識を持っていたらPV数も集められますし、さらにいいです!

どのコースもなにかしら関わりが出てくるので、満遍なく色々なコースを見ておくといいと思います!


ーーたくさんありますね(笑)  でもそれだけ実践的なスキルが学べるということですね!貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました!

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イベントを終えて

今回、未経験から広報PRに転職されためいこさんのお話を伺いました。

華やかだと思っていた広報PRの裏側は、お客様の課題解決のために奮闘し、日々学びを続ける地道な努力で支えられていました!認知度の向上・コネクション作り・採用など、案件内容も多岐に及び、その目的により施策の方向性も異なります。1つのやり方にこだわらず、あらゆる方向から検討しトライすることは、広報の仕事に限らず、他の仕事にも活かせる大切な考え方だと感じました。

案件や課題解決に対するお話を伺うなかで、広報PR職の具体的なイメージが湧いてきたのではないでしょうか。このイベントをきっかけに、広報PRにチャレンジしてみたいと考える方が1人でも増えると嬉しいです!


#イベントレポ


注釈
*1.PCひとつで働けるクリエイティブスキルを学べるキャリアスクールコミュニティのこと。
*2.事業内容や展望、導入事例等をまとめた外部向けの資料のこと。
*3.黒澤友貴さんが発案した企業の商品・サービスのマーケティング戦略を分析するトレーニング方法のこと。


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