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「皆んないつかは」

愛するものが死んだ時には、
自殺しなけあなりません。
しかし同んなじ自殺をしたんじあ
それではあまりに面白くない。

絶望したつて手が動くのですから、
勝手に文字を書き出すのですから、
あの子のゐない人生を、えがいてみるも面白い。

ほんに歩めど深みにどぷりと、
浸つてなかなか進めないので、
こんな汚れた泥濘ぬかるみのなかじあ、
やつぱり文字を書くのに限る。

だうせいつかは皆々様も、
揃ひも揃つてされかうべ。
そんなに必死に生きたとしても、
揃ひも揃つて暗室のなか。

愛するものが死んだからこそ、
決して還つて来ないからこそ、
あとちよと光のなかで生きたい。

早死にしたつて、生をいたところで、
だうせあの世はないのですから。

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