見出し画像

<感じない>は、自分からのアラート


「さっき外へ散歩に出たんだけど、
桜がばーと散って。

川が花びらだらけで。
綺麗というかなんというか。
それを人が写真を撮っていて。
ふーん、みたいな。

橋には鳥が止まってて。
何してんのかなって。」


それは何気ない会話だった。

話を聞いて私は

「綺麗とか、なにか思わなかったの?」

と聞くと

「別に。」

と彼女は言った。


悩みや忙しさに追われ、自然を目にしても
感情が湧かず、何も感じなくなったら
<心のアラート>かなと思う。


実は、私自身がそうだったから。


ー 3年程前
仕事帰りに道を歩いていたら
一緒にいた旦那くんが

「夕陽が綺麗だ」

と感動したように言う。
毎回この道を通るたびにだ。


それを聞いて私は
「だから何?」と心の中で思っていた。


夕陽が綺麗?何を言ってんだ。
そんなの当たり前だろ。
毎回いちいちウザいんだよ。
夕陽が綺麗なんて、呑気でバカみたいで、
あなたはいいよね。

私はこんなに、悩んで辛いのに。


そう、私は悩み、毎日が辛かった。

上司や社長との関係
仕事をしない同僚
この先のキャリア
やりたいことがいまいち現実化しない
収入

本当は何を望み、
なにがしたいのか。

空を見て綺麗だと思う時間があったら、
今この悩みや辛さをどうにかする方法が
知りたい。

そんな無駄で、くだらないことに
意味はない、と。


職場で思っていることを伝えているのに、
聞いてもらえないから
人間関係や環境が良くならない。

キャリアや能力のない私には、
転職なんて無理だから
簡単になんて辞められない。


こうして悩みは解決することなく、
いつも平行線。

良くも、悪くもならない。
毎日毎日、同じ日々を繰り返す。
感情や温度のない世界。


私が本当に感じている

<悔しさ、怒り、許せない気持ち>

こんな想いは。人と共に生きていくのに
邪魔で、意味がないことだからと、
全部自分には<ない>ことにした。

仕事を変え、勤務時間も変わり、
結婚し、楽しく過ごしていたはずなのに。

私の本当の、本当は、

心が擦り切れていて

もう綺麗なものが
<綺麗>だと思えなくなっていた。

そんな自分の異変に気づき、
私は自分を見つめることにした。


ー あれから数年、
 今の私はというと。


彼女から話を聞いたその日、
同じ川を見ていた。

桜の花びらが空に舞い
とてもドラマチックな風景だった。


風が見える。
風がちゃんと、いる。

風が渦を巻き、空中に桜が舞う。見上げると
その中を鳥が遊ぶように飛ぶ。

私は微笑んだ。
この美しい世界に。

そして、「ありがとう」と口にする。


綺麗なものを、
綺麗と思える自分が、ここにいた。

ーーーーーーーーーー


もしもあなたが今、
何も感じないのなら。

「ちょっと私、見つめどきかも」

という視点を持ってみて欲しい。


感じないは、アラート。
こうして必ず、
あなたがあなたにメッセージを送っている。


スタイルメイカー・安堂むう


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?