椎名誠さんの新刊『机の上の動物園』が8月25日(金)に発売されたことを記念して、本文の一部を公開します。
本書について
世界中を旅してきた著者が旅先から持ち帰ったモノや道具を一堂に集めた一冊。フランスのフライパン、パタゴニアのカンナ、アムチトカ島のナイフ、南米の飾り馬とホルスタイン、世界各地の道で拾った石ころ、アメリカ西海岸のなめくじ人形など、何の役にも立たないが、なぜか気になって手放せない愛しきガラクタたちを、旅のエピソードとともに紹介。椎名誠ならではのユニークな旅の流儀が見えてくる。作家生活40年余にして初めての「モノ雑文集」。
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目次
Ⅰ 愛と哀しみのオムレツフライパン
南回りのパンかじり旅/各駅停車的ヒコーキ/屋根裏部屋
カンナとノコギリに裏切られた/漁師ナイフと軍隊ナイフ
アマゾンの手づくりアナコンダ
Ⅱ インドの神サマやアフリカのイモリ様
踊るシバの神さま/巨大フライパン/ロシアの謎のガギガギ物体
鉄が食いつく/アザラシには内緒の卑劣な武器/毛皮の重ね着
Ⅲ 机の上の動物園
北極ギツネに助けてもらった話/ベトナムのすんごいおしゃれネコ
水牛はおとなしい働きもの/イスタンブールのカチカチワニ
南米からきた陽気な三匹?/アヒルよりも小さなクジラ
ナメラ伝説/昆虫博物館開設の夢
大草原の食うか食われるか/ギザギザ怪物と無口なネコ
Ⅳ 噛みつき小石
いろんな顔になった/頼りになりそうな小さな金属のかたまり
力強い実力者のおすがた
Ⅴ ラオスのグルグル目玉
旅でであった造形美
ごあいさつ
著者紹介
椎名 誠
1944年東京都生まれ。作家。『さらば国分寺書店のオババ』(1979年)でデビュー。小説、エッセイ、ルポなどの作家活動の他、写真家、映画監督としても活躍する。「本の雑誌」初代編集長。主な著作に『犬の系譜』(講談社)、『岳物語』(集英社)、『アド・バード』(集英社)、『中国の鳥人』(新潮社)、『黄金時代』(文藝春秋)などがある。近著は『おなかがすいたハラペコだ4月夜にはねるフライパン』(新日本出版社)、『失踪願望。コロナふらふら格闘編』(集英社)、『シルクロード ・楼蘭探検隊』(産業編集センター)など。
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