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「全国最中図鑑」67 御酒最中(石川県白山市)

石川県の白山市美川地区には、昔から「御酒節」という民謡が伝えられている。北前船で栄えた江戸時代、船主の家では毎年2月に仕事始めの起舟きしゅうという行事が行われ、商売繁盛と安全操業を祈って全船員を集めて酒宴が催された。「御酒節」はその席で必ず唄われたという。
御酒という言葉は、「この御酒は(何某)御祝の御酒じゃもの、参れ参らにゃ御酒が無になる・・・」という歌詞からきている。
「御酒最中」は、この「御酒節」にちなんだ菓子で、地元で昭和21年に創業した和菓子の老舗・フタマサ御酒堂が考案したもの。名前から何となく酒あんの味をイメージしがちだが、酒類は入っていない。爽やかな香りが広がる柚子あん、深い味わいの抹茶あん、なめらかな口当たりの薄口あんの3種類があり、大きさも大・中・小と揃っている。地元の行事には欠かせない名物最中である。

フタマサ御酒堂
白山市美川新町ソ212

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