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モンテッソーリ教育の幼児期と児童期

皆さんこんにちは、モンテッソーリ・ファーム代表のあべようこです。

発達の四段階


発達の四段階」という言葉を聞いたことはありますか?マリア・モンテッソーリがインドに滞在していた時にまとめた、「0歳~24歳まで、人は4つの段階に分かれて発達していく」という考え方です。

モンテッソーリ教育では、子どもの発達によって環境が分かれています。

モンテッソーリ教師の養成トレーニングコースも「0-3歳」「3-6歳」
「6-12歳」「思春期」と別々に行われます。

通常、モンテッソーリの小学校では、幼稚園とは別に環境が用意されていて、幼稚園から移行してきた子どもは、新しい「児童期」の新しい環境で、過ごすことになります。

幼児期と児童期


幼児期と児童期の子どもの特徴は異なります。

どう異なるのか?
短くお伝えすると

「幼児期:感覚器官と運動器官を練習しながら、それらを連動させて、身の回りの現実を探索し、文化に適応していた子ども達」

から

「児童期:頭の中で抽象化させて、想像力を使いながら論理的に、宇宙や世界のあらゆることを学んでいく」
と変化していきます。

児童期には、幼児期にあった「敏感期」「吸収する精神」「同じことの繰り返しの喜び」は徐々になくなっていきます。

そのかわりに「論理的思考力」「想像力」「バリエーションをもった繰り返しの喜び」「グループ活動の楽しみ」があらわれます。

これはよく保護者の方にもお伝えすることなのですが、幼児期と児童期の移行は「6歳になったから」とか「幼稚園卒園したから今日から児童期!」という風に突然行われるわけではありません。

本来個人差があり、そして非常にゆっくりとゆるやかに移行していくのです。

モンテッソーリの小学校につとめていた時、小学生クラスに新しく迎えた6歳児と過ごしながら「ああこの子はまだまだ幼児の環境の活動が必要なのにな・・・」と感じたことが多々ありました。

モンテッソーリファームでは、3歳から9歳までが、同じクラス内で過ごしています。幼児と児童の環境は、それぞれ部屋を半分にして別れているのですが、低い棚によるなんとなくの区切りがあるだけです。自由に行き来することができます。そしてその設定は予想外によい結果をもたらしました。

なんとなく棚で区切られている小学生クラス(手前)と幼児クラス(奥)

3歳から9歳が同じ環境で過ごせることの利点

自由に行き来できる環境でありながら、幼児の子どもが児童の子どもの活動を邪魔するようなことは今まで一度もありませんでした。

むしろ、児童期の子どもが広げて行っているタイムラインなどの活動を、年長児はチラチラ見たり・・・というくらいです。

小学生が幼児のロールモデルになる事もたくさんあります。

そして一番良かった点は「児童期の子どもが幼児クラスの活動をたびたびやりにいっている」ということです。

ゆびわづくり

それは6歳に限らず、8歳でも9歳でも・・・少し大きな、難しい活動をして疲れた時、みな嬉々として「日常生活の練習」の棚に行き、思い思いのハンドワークを行ったりしています。懐かしそうに「感覚教具」に触れていく子もいます。メタルインセットでデザインを楽しむ子もいます。

ぬいさし

そして、それらの活動に癒されている様子をたびたび観察しています。

ぽぷりづくり

それは、クラスが完全に分かれている時にはなかった出来事です。
「児童期だからもう幼児期の活動は必要ない」ことはありません。

忙しい小学生だからこそ、そしてアカデミックなことをたくさん学んでいる小学生だからこそ、合間にたっぷりの日常生活の練習やハンドワークを行える環境を、モンテッソーリファームではこれからも用意していきたいと思います。

洗濯を干す

(執筆者:あべようこ

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