見出し画像

信念、努力…みちのくダービーリベンジに燃える山形戦士たち

 4月13日ユアテックスタジアム仙台で行われたみちのくダービー(明治安田J2リーグ第10節)は0-2とベガルタ仙台に敗れたモンテディオ山形。6月22日(土)17:00~明治安田J2リーグ第21節、NDソフトスタジアム山形にて行われる再戦で、モンテディオ山形の監督、選手たちはリベンジに燃えている。

 モンテディオ山形渡邉晋監督は2014~2019年監督としてベガルタ仙台を率いた。一貫して後ろから丁寧にパスで組み立てるスタイルを貫き、就任から1、2年経つとポジショナルプレーと呼ばれる選手に良い立ち位置を取らせて数的優位をつくり出しゴールに向かうスタイルを取り入れ、2017年にはJリーグYBCルヴァンカップベスト4、2018年には天皇杯準優勝へとチームを導いた。そして2023年途中からはモンテディオ山形で指揮を執る。ピーター・クラモフスキー前監督(現・FC東京監督)が既にポジショナルプレーの下地をつくっていたこともあり、より良い立ち位置、より良いビルドアップを追求しながら、J2優勝、J1昇格を目指している。

 渡邉監督は信念の強さを見せる監督である。4月のみちのくダービーで敗れた後の監督会見では悔しさをにじませていたが、失点シーンについての質問に対して「1点目に関して言うと、我々はあそこに相手を食いつかせて背中を取りに行くというものを準備していました。(中略)守備の問題というよりは攻撃の部分でのミステイクがあったと思っています。ただ、それを逃げて、長いボールを入れて相手陣地に何かを起こすということを我々はやっているつもりはないので、あそこは我々に利益をもたらす可能性が十二分にあるということを考えた上でのボールの動かし方をしているつもりです」と左サイドからのビルドアップについて語った。そこで結果的に失点につながったからと言って、今、山形がトライし続けている最後尾から攻撃を組み立てていくことへの挑戦をやめることはしないという強い意志と矜持を示した。6月の対戦ではさらにビルドアップに磨きをかけ、山形らしいスタイルで、古巣ベガルタ仙台へのリベンジを目指す。

 リベンジという面で、強い思いを持っているのは、2021~2023年ベガルタ仙台でプレーし、今シーズンからモンテディオ山形でプレーするMF氣田亮真も同じことだろう。初めて山形のユニフォームに袖を通して迎えた古巣とのみちのくダービー。積極的にゴールに向かっていったが、ゴールを奪うことができず、結果を出したのは仙台時代左サイドハーフでポジション争いをしてきたMF相良竜之介の方だった。相良が得意とするゾーンから鮮やかなミドルシュートを決められ、「素晴らしいパフォーマンスだったと思いますし、先に決められて自分もゴールを決めたい思いはありましたが、彼が素晴らしかった」と相良を称えた。今度は自分が活躍したいという思いは人一倍強いはずだ。

 ドリブルや個人技の育成で名高いカナリーニョFCで育ち、ジェフ千葉U-18、専修大学でもずっと個人技を磨き続けてきた。大学時代は「朝の練習からこだわって練習して、夕方は筋トレに行って、グラウンドを使っているアメフト部が帰った後、毎日練習してボールを触ることを意識しました。誰よりも努力したので、絶対どこかのJクラブから話が来ると思っていました」と必死の努力を実らせてプロ入りを勝ち取り、プロ入り後も努力を重ね、V・ファーレン長崎、ベガルタ仙台、そしてモンテディオ山形で活躍を見せている。
 信念を貫く監督、そして努力を積み重ねる選手。リベンジに燃える山形戦士たちがダービー勝利に向かい、牙を剥く。

みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!