発達障害の診断がついた日の話
こんにちは、モンブランひとみです。
息子は2歳3ヶ月で広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)の診断を受けました。以前のnoteで息子の発達障害に気付いたきっかけについて書きましたが、今回は診断がつくまでの流れを振り返ってみました。
▼記事はこちら▼
・子供の発達に不安がある
・発達障害を疑っている
・今後どうなっていくのかわからなくて不安
そんな方の参考になれば幸いです。
発達障害の診断に結び付くきっかけ
未就学児の子供が発達障害の可能性を指摘される場は以下2つが多いと思います。
①保育園
②定期健診(1歳半検診、3歳検診等)
我が家の場合どうだったかというと…
■保育園
息子が1歳0か月になった月から、保育園に入園しました。私の仕事復帰のためです。
登園・降園で息子の様子や、他の子の様子を見る中で、息子がひとりで黙々と遊んだり、他の子が集まっている様子に気付かない姿を見て「自閉傾向があるのでは?」と感じていました。ただまだ1歳と小さいため確信は持てなかったです。
かつ息子は入園以降風邪をひき続けて、入園1か月半後には感染症を悪化させ菌血症で入院してしました。退院して保育園に行くとまた感染症を起こし、再入院。そこで免疫疾患があることが発覚。
結局半年で保育園を退園。半年の中で1日フルで登園できたのは14日間のみ。そのため園の先生から息子の発達特性について指摘されることはありませんでした。
■定期健診
1歳半健診や3歳健診などの定期健診も発達特性や、発達障害の可能性を指摘される場として多いと思います。
ただ息子の場合は、1歳半健診で異常を指摘されませんでした。発語は少ないものの、大人の言葉の理解はでき、指示動作に従うことや指差しなどができていたため、一般的な1歳半健診でのスクリーニングは問題ないという判断でした。
1歳半健診では言語の遅れをメインで見るため、こだわりの強さや社会性の障害が主な特性であるASDは気付かれにくいという側面があります。
受診を決めた理由
保育園でも健診でも発達特性を指摘されなかった息子。免疫疾患があるうえコロナ禍という時世もあり、自宅で2人だけで過ごすことがほとんどでした。そのため同年代の他の子がどんな様子なのか、息子の様子と違うのかをわからないまま過ごしていました。
でも息子は明らかにこだわりが強く、同じ行動を繰り返したり、決まったルールをこなせないと機嫌が悪くなったりしていました。
そのような行動を見るに「誰もそうとは言ってくれないけれど発達障害だと思う」と感じていました。
私は発達障害の専門センターを併設する精神科で看護師をしていたこともあり、発達障害については多少知識がありました。でも子育ては初めて。自分の子のことになるとわからなくなるものだなぁと実感しました。「この子が発達障害ならすべての子が発達障害になってしまうのでは?」と思ったり。本当に混乱しました。
1歳半~2歳の頃の息子はこだわりが特に強く、当時は私自身も疲れ果てていました。
▼当時のこだわりの様子▼
「親が困っているなら何かある」最終的には親の勘です。「第三者に一度ちゃんと診てもらおう」と思い、地域療育センター(名古屋市の発達障害支援の中核機関)の受診を決めました。
療育センターを予約
息子が2歳になったその月に療育センターに予約電話をしました。児童の発達障害を診断できる機関はどこも混んでいます。我が家も受診まで3ヶ月待ちました。
診断当日は3人の方とお話しました。
①予診をとってくれるスタッフさん
②心理検査をしてくれる心理士さん
③診察をしてくれる医師
療育センターに到着したら、7畳ほどある個室に通されました。部屋の真ん中にテーブルがあり、ブロックなどのおもちゃもある。
①予診
部屋の中で子供を遊ばせながら、30分ほど予診をとってもらいました。
生活の様子(何時に起きて、何時に食事を摂るなど)を細かくお伝えし、困りごとや気になる子供の言動なども全て伝えました。生まれてから受診に至るまでのあらゆること、例えば妊娠前は切迫入院していたとか、出生体重や出生直後の子供の状態なども。
②心理検査
予診のあとは同じ部屋で心理検査を受けました。検査をしてくれるのは臨床心理士さん。2歳の息子が受けたのは、新版K式検査。発達水準を測る心理検査です。心理士さんからのクイズに子供が答えていくような検査で、1時間弱くらいかかりました。
積み木を積んだりパズルをしたりと、遊びの延長のような検査も多いのだけど、どうしても時間が長くなってしまうので後半は子供の集中力も途切れがちでした。
③診察
最後は部屋を移動して、医師の診察を受けました。診察室は広く、部屋の一部にはジョイントマットが敷かれおもちゃが用意されていました。診察室には医師だけでなく女性スタッフさんも同席されていて、スタッフさんが子供と遊んでくれている横で、親は先生からの話を聞きました。子供が遊ぶ様子も、大切な情報です。先生はその様子も含めて診断をされていました。
診断結果
心理検査の結果と息子の様子を総合し「広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)」の診断がおりました。先生はどんな障害なのか、どういう様子からその診断に至ったのか等を詳しく教えてくれました。
息子は「パズルなどの見て覚える・見て考える・手がかりを見つける能力はとても高い」一方で、「言葉の力・人とやりとりをする力が弱い」こと。そして行動の特徴として「興味のあることへの集中力はあるけれど、興味の内容が偏りがち」ということ。
言葉については、療育センターの予約当時(2歳0か月)は単語がいくつか出る程度だった息子。しかし3ヶ月経った診断当日(2歳3ヶ月)は2語文が出始めていました。
そのため先生は「言葉はこれから伸びそう、発達特性がなくても同じ程度の言葉の遅れはあり得る」一方で「言葉の発達が遅れる理由として、他者とのコミュニケーションや、周囲の人への関心が薄いことが予測できる。そういう意味では言葉の遅れが発達特性を裏付ける理由になる」とのことでした。「今後言葉の遅れがなくなれば、診断はアスペルガー症候群へ移行していくだろう」という見立てでした。
先生からの診断を聞いて、ショックよりも納得感が強かったです。普段から感じていた息子の行動の特徴をそのまま言葉にしてもらえたことに安心すらしました。
私たちが感じていた違和感が、専門家として多くの子供を診てきた先生にも伝わったことが安心感を感じた理由かもしれません。
今後の方針
診断を受けたうえで、今後の方針を聞きました。大まかな方針としては「なるべく集団に身をおいて他人と関わる時間を増やし、その中でコミュニケーションを学ぶ」こと。
そのための場所として
①発達が気になる子たちの集まる子育てサークル
②児童発達支援事業所などの通所サービス
が勧められました。
ただ息子は免疫疾患も持っているため、その日はサービス利用については返事ができないまま帰宅しました。
最後に
発達障害の診断名は、息子のことを知るための大切な取り扱い説明書です。親である私たちが息子の行動や思考を理解するためのわかりやすい目安になります。そして息子自身も、自分を知るための糸口になります。
でも大切なのは「発達障害」という診断が息子のすべてを説明するわけじゃないこと。発達障害は息子の一部だけれど、発達障害そのものが息子なわけじゃない。それを忘れたくないなと、感じました。
診断を受けた日からもうすぐ1年が経ちます。その気持ちは今もほとんど変わっていません。診断を受ける前と受けた後で息子が変わることは何もなくて、息子は息子のまま。発達特性に振り回されて困る場面を、一緒に減らしていきたいと日々奮闘しています。
発達障害は「病気」ではないため「治す」ものではありません。最終的に目指したいのは本人と周囲の人が発達特性と上手く付き合えるようになることです。「特性」としてうまく付き合いながら、困らず生活していくことがひとつの目標になります。
私の子育ても、息子の人生もまだまだ序盤です。
時には息切れすることもあるけれど、お互い心地よいペースで歩いていけたらいいなと思います。
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