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激戦区のパリの保育園に入るには?

もしかしたら、子育てしやすいとうわさされてるフランスでは、保育園は十分足りていて、好きなときにいつでも、無料で利用できて、待機児童なんていないんじゃないかって思われてるのかもしれない。

まさかそんなことはない。

わが家は、子ども2人とも落ちている!

そしてその落選のとき受け取った手紙には、応募全体の80パーセントしか要望に応えられない、ということが書いてあった。

子どもが生まれる前から会社の人たちにも、特にパリでは、そうそう簡単には保育園に入ることはできないと言われ続けていた。

ただ今振り返ると、初めてのことで、フランス語の資料もよく分からず読んでいたので、ほとんど情報もないまま、あてずっぽうに探してた。こうすればよかったと思う反省点もいくつかあった。それから二次募集にも応募して、上の子のときはなんとか3ヵ月後には保育園に入れることになったのは本当によかったと思う。

まず、保育園と言っても日本のように様々ある。

・市が運営している保育園で、週4-5日通うLes crèches municipales(日本でいう、公立の認可保育園かな?)

・週2、3日や半日利用のLes haltes garderies

・そして市以外の社会福祉団体などが運営している民間の保育園のLes crèches associatives

・親も保育に参加して運営される、Les crèches parentales、などなど。

まず今回は、一般的な、O おーちゃんの利用していた、パリ市立の保育園、Les crèches municipalesのことを思い出して書いてみるよ。

保育園の入園申し込みは妊娠6ヶ月から

フランスでは産休が産後は10週間あり、義務教育は3歳になる年の9月から始まるので、ほとんどの保育園は、2ヶ月半から3歳までの子どもを対象にしている。日本では4月から入りやすいように、フランスでは9月からが一番入りやすい。ちなみに学校の年度始まりは9月だけど、同じ学年になるのはその年に生まれた子たち1月から12月までが一緒になる。

まだいつから入るか決めていなくても、いずれは保育園を利用したいと思うなら、情報を集めるためにも、とりあえず妊娠6ヶ月になったら、すぐにでも区役所へ行って申し込みを始めたほうがいい。必要書類はなんてことはなく、すぐに集められるし、簡単に申し込みはできた。その場で区内の三つくらい保育園を登録することができたけど、いろいろな保育園を見学したり、こちらが好きなところを選べるわけではなく、違いも良く分からないし、担当の人の言うようにアパートに近い順にお願いしておいた。

それから数日後に区役所から、ある保育園に予約を取って面接に行くように、という連絡があった。園長先生にはとにかく良い印象を持ってもらうために、すぐに保育園に電話しなさい、モチベーションレターを書きなさい、面接後も何度も電話して空きがないか聞きなさい、などといろいろ言われた。でも、もういきなりすぎて、心の準備もできてないまま向かった面接では、結局のところ、書類作成のための確認程度の内容しか聞かれなかった。

1~6月生まれのほうが保育園に入りやすい

保育園で面接をして登録してもらったからと言って、もちろん終わりではない。子どもが生まれたらすぐに、出生証明書を持参してまた区役所へ行って、登録の更新をしないといけない。ここでもう一度、いつから保育園へ入りたいかの調整をする。

だけどわが家は、O おーちゃんが4ヶ月のときに引越しをしてしまったので、引越し先の区でもう一度申請し直さなければいけなくなってしまったのだ。もちろん登録はパリ市内だったので引き継がれてはいたのだけど、引越したのが4月だったのもよくなかった。9月から入りたかったから、前の年までの更新だったらまだしも、5、6月ではほぼ入園先は決定してしまうから、4月の更新ではすでに遅すぎた。

子どもが生まれたら家族が多くなり引っ越すことも十分にありえることだけど、保育園に関しては、その引越し時期もしっかり考慮しないといけない!!

そして、一番入りやすいのはもちろん0歳であるのは日本と同じだけど、9月からだけではなく、年中随時入園することが可能(理由は下に)。だから、クラスが持ち上がり空きがでる9月より前に0歳クラスに入ることができる、1-6月生まれの方が圧倒的に有利であり、9月に2ヶ月半になっていない7月生まれ以降の子たちは、空きがあり次第ということになってしまい、待たされることもあり得る。

こんなこと考えて時期を調整して子ども産む人たちはあまりいないと思うけど、これは大きな違いであり、仕事復帰をすぐしたくてどうしても保育園に入れたい場合は、子どもの生まれる月も重要になってくるはず。

また育児休暇については書きたいと思うけど、フランスの育児休暇制度、特に手当があまりにもひどいので、取りたいとは思えない。会社の人事にも、育休ではなく、有給使った方がいいと言われたし、フランスでは産休後は育休とらずに、すぐ復帰する人が多いように思う。だから、日本で問題になってる、あえて保育園落ちて育休伸ばす、なんてことは絶対に考えられない。

一度落ちてもすぐに再応募すべし

通知が5月末には来ると聞いていたのに、全然来ないから、何度も区役所に通っては、どうすればいいのか相談していた。

保育園担当の人には、民間の保育園にも応募してみなさい、とパンフレットを渡されたから、通えそうな場所すべてに電話してみたり、訪ねてみたけれど、もう6月ではどこも定員でいっぱいだった。

それから、どうしても必要であれば、福祉担当の副区長に手紙を書きなさい、と言われて、準備しないとなあと思っていたころに、通知の手紙がやっと来た。

最初の応募には、残念ながら落ちてしまったけど、受け取った落選の通知書には、再応募の用紙も入っていた。幸いにも、パリ市の保育園は6-8週間に1回は再審査をしてくれているらしく、空きのあるところに入れてもらえる。

もちろん再応募することにした。そしてこのとき、区役所でアドバイスされたように副区長さん宛ての手紙も添えて返送した。書き方は全く分からなかったけど、ネットには、保育園入園のためのモチベーションレターは探せばいくらでもころがっていたので、いろんな例からよさそうなところを切り貼りしてなんとか仕上げた。早ければ早いほうがいいと思い、なんとなくいい感じだろうと勢いで、えい、と送ってしまった。

たぶん迅速な対応と手紙が功を奏したのだろうと思うけど、再応募の用紙を送ってから1ヶ月足らずで、保育園に入れます、という連絡がきた。

見学することもできない。親に保育園を選ぶ権利はない?

そういえば結局見学する機会ってなかったなと、ふと思った。区役所では場所の指定はできたけど、見学は全く話にでなかった。登録のとき保育園を訪れたときも、園長先生のいる部屋にしか案内されなかったので、保育園がいったいどんな場所なのか、決定の通知がきたこの時まで全く分からないままだった。

冷静になって今改めて考えてみると、見てもいないで決めなくてはいけないのは、博打的でとても恐ろしいことな気がしてきたけど、当時はいろいろ焦っていたし、ここで逃したらたぶん次はまわってこないだろうと思い、何も考えもせずに、指定された保育園にすぐ電話して、入りたい旨を伝えた。

ほとんど機械的に役所の人が近いところを選び、空きの人数によって振り分けられるわけだから、親に保育園を選ぶ権利はない、と言っていいと思う。市立保育園に限ったことだけど。

もし、ちゃんと見てから選びたいという場合は、最初に書いた、社会福祉団体の運営する民間の保育園のLes crèches associativesを探した方がいい。役所を通さずに保育園と直接やりとりするので、事前に見学したり、話を聞きに行くこともできるから。

私の場合、保育園に入れることが目的になって、こういうもんだ、って思考停止して流されてきてしまったと今気づいたし、もっと余裕もって情報収集して、市立の保育園だけでなくて、様々な選択肢の中から、良いと思うものを選べれればもっとよかったかもしれない。

だけど、朝、保育園に送りにいくとき、保育士さんが両手を伸ばすと、O おーちゃんがトコトコ歩いていって腕に飛び込み、ぎゅーっとされてる姿を見ると、救われた気がして、毎朝胸が熱くなってた。

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