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からくりとすり合わせの技

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愛知ものづくり産業史 機械産業編
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#ミシン

からくりとすり合わせの技⑤ 戦後復興(必要なものは何でも)

からくりとすり合わせの技⑤ 戦後復興(必要なものは何でも)

アジア太平洋戦争(昭和16~20年)の末期、愛知の機械各社はアメリカ軍による空襲の標的となって壊滅的な被害を被った。しかし終戦からほどなくして、焼け残った工作機械や材料をかき集め、「必要なものはなんでも」というスタンスのもと、ものづくりを再開する。その後、朝鮮戦争(同25~28年)勃発にともなうガチャマン景気という追い風が吹いたことで、回復は決定的なものとなり、多岐にわたる機械製品がつくられた。

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からくりとすり合わせの技③ 多彩な機械製品の誕生

からくりとすり合わせの技③ 多彩な機械製品の誕生

明治後期から大正時代にかけて、国産品の鋼材(普通鋼や特殊鋼)の普及が進むと、機械部品の素材の置きかえ(木から鉄へ)が大きく進展、国内機械産業の成長は加速度を増していった。愛知でも大正5年、電気炉製鋼による特殊鋼生産が始まった(電力会社・名古屋電燈の製鋼部門が独立した電気製鋼所による。現大同特殊鋼)が、これと前後して、県内外から集った起業家のアイデアのもと、多彩な機械製品(民需向け)が誕生している。

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