姿勢は妊娠期から作るもの

武術研究家のモノノフです。姿勢についてずっと研究しています。僕は武術のためなのですが、基本的には健康のためにあるべき姿を探しているものと思っていただいて構いません。それはなぜなのかということを踏まえて姿勢は妊娠期から作るものというお話をしましょう。

さて、ヒトは二足歩行になって久しいですが、この何年もの中でそれに向いた形になってきました。僕で言うと80kgを越す体重があります。普通に立って、普通に歩いていますし、走ることも可能です。しかし、80kgの荷物を持って走れますか?半分でもいいです40kgの荷物を背負って走れますか?少なくとも僕は走れません。

これはどういうことかというと、ヒトの構造が二足歩行に適する形になり、重力をうまく地面に逃がす形になっているのです。ヒトは重力と対抗する形になっているのです。

ヒトはどのように立ち上がってきたでしょうか。ヒトの一生で考えてみましょう。

まず生まれたばかりの時は首も座っていない仰向けの状態です。そこから首が座り、寝返りが打てるようになって段々背骨周辺の筋肉が鍛えられていきます。寝返りを打ってうつ伏せになり、ずり這いをはじめ、ハイハイになっていきます。高這いになり、つかまり立ち、そして一人で立ち、歩行が可能になります。

仰向け、うつ伏せ、ずり這い、ハイハイ、高這い、つかまり立ち、歩行と進むごとに地面に接する面積が減っていきます。つまり接地面積当たりの重量が増すのです。そのように進化してきました。ヒトの身体はうまく力が流れるようにできています。これを縦に流しているのが立つということで、横に流したり、ヒトを倒すために使うのが武術となります。力みがあるとうまく力を流せず、バランスに歪みが出ると腰痛や、膝痛などが発生します。痛みはバランスの歪みです。

この仰向けから歩行までのステップをしっかり行えば、ヒトはバランスよく立ったり歩行したりできるようになっています。このステップをしっかり踏んでいない、もしくは飛ばしているので、長く生きると身体の各所に痛みが発生するのです。

さて、その話がなぜ妊娠期、子供目線でいうと胎児期からなのでしょうか。生まれたとき子供はポテっと寝かせると仰向けになります。これはなぜでしょうか。

実は一番最初の重力との戦いなのです。

みなさん想像してください。お腹の中と外とでは重力は6倍違うと言われています。ただの水中にいたわけではなく、羊水の中にいたので浮力がめちゃ高いのです。赤ん坊はその中で、単細胞から魚、両生類、爬虫類をへて哺乳類になる旅をしてきました。それがいきなり6倍の重力下にドンと置かれてください。仰向けでベチャッとなりませんか?それが生まれたての赤ん坊の状態です。

胎児はこの単細胞から哺乳類の過程を子宮の中で本当は丸まって育たないといけないのです。しかし、現代人は腹圧が弱く子宮が圧力をかけることができません。結果細長い形で成長して、本来の過程をいくことができず、腹筋が弱く背中が張ったような赤ん坊になってしまいます。圧力がかかると丸くなるというのはイメージできるでしょうか。基本的に運動不足が原因です。最近は産婦人科でも妊婦は歩け歩けと言われるのはこのためです。

胎児の頃から姿勢を正すことが必要

なのです。ただ、胎児から生後1年までの正しい姿勢は丸まったような姿勢です。これが足りなかったような子供はお雛巻きと言われるような丸まるような巻き方をしてあげることが有効であったりします。おじいちゃんおばあちゃんやその上の世代には非常に評判が悪かったりしますが、その時代の子供とは違うのです。抱っこ紐での抱っこも子供の首がまっすぐになってしまわないように注意しましょう。
ただ、必要のない子供や、むしろ向いていない子供もいるので、そのあたりはちゃんと自分の子供を観察しましょう。

子供のうちに姿勢を正しておきたい要因の一つとして、子供はみんな天才ですので、間違った環境を与えられると間違った環境で生きていけるように成長します。例えば、姿勢が悪いとどうなるかというと、骨が変形するのです。一度骨が変形して成長しきってしまうと手術でもしない限り戻らないので、今度は変形した骨にあったバランスを探さないといけなくなります。

本来持ってた潜在能力を活かしきれず、ベストではなく、マストベターを探す戦いに移行してしまいます。自分の子供のポテンシャルを最大限に活かしたければ、妊娠期から注意が必要なのです。

モノノフ













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