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協生農法という新時代

先日、NHKで協生農法なるものがしていた。知人の医者が出ていたのもあってみていたのだが、非常に興味深かった。触りは知っていたのだが、深くは知らなかった。もちろんテレビ放送なので、めちゃくちゃ深くやっていたわけではないだが、僕の知識よりは深かった。みなさんにも共有したいと思い書いてみようと思う。

一般的な農業といえば、畑を作り、畝を作り、単種の植物を育て、流通に流すものだろう。
では、協生農法とはどういった農法かというと、多種多様な植物を近くに埋めてその狭い中でバイオーム(生物群集、本来はもろもろの生き物を含むが今回は植物と微生物ということになる。)を作ってしまおうというものだ。100種類を超える植物を植えて、ブッシュのようになっている。雑草を抜くという発想もなければ、肥料や農薬をまくということもない。一度バイオームを作ってしまえば、あとはほぼ放置していいという農法なのだ。流石に雨が少ないなぁという時は少し水撒きをしてもいいそうだ。

この農法のすごいところは異常気象に強いという点だ。常時100種類からなるバイオームが形成されているから、ある植物にはよくない気候でも、その中の何かにはいい気候であったりするのだ。一般的な農法だと作っている作物によくない気候が来ると根こそぎダメになったりする。そういうことがないのだ。
しかも、土もカチカチの粘土質の土でもいいときたもんだ。その土質で協生農法をしているひとも「この土質でできたらどこでもできる。」と言っていた。そらそうだと思う。多種多様な植物がいるおかげで微生物も多種多様になる。偏らない農法なのだ。そして、多種多様な植物があり、微生物が生きているため土壌が良くなる。つまり地球にも優しいのだ。
みなさんは農薬をまく理由はお分かりだろうか?虫がくるからだ。一見当たり前のように思うかもしれないが、実は肥料を撒くと虫がよって来るのだ。肥料に含まれるリンを感じて虫がよってくる。虫がくるので農薬を撒く。農薬を撒くので地中の微生物も死ぬみたいなことが起きてしまう。
協生農法は肥料をまかないので、虫も寄らない。結果農薬もまかないのだ。

もちろんいいことばかりではない。取れる作物は味が濃く美味しいのだが、見た目が美しくないし、安定しないのだ。正直流通に乗せるには厳しい代物だと僕は思う。気候やタイミングによって取れる作物が違うし、何が取れるかはやっている方もわからないのだ。もちろん広さにもよるが家族で食べる分には十分に養えるという。野菜嫌いの子どもも自分で採った野菜だと食べるそうだ。その気持ちもわかる。

僕の知人に歯科医師を引退し、農業をしているひとがいる。その人は土を研究し、一般的な農法だが、非常に美味しい野菜を作る。流通している野菜とは比べ物にならないほど美味しい。どの野菜も非常に立派で味もめちゃくちゃ美味しい。流通させるように商売でしていないからなのだが、この味は協生農法では出せないということになる。

ということで、必ずしもいいことばかりではないのだが、僕はこの協生農法に未来を感じている。そのNHKの放送内にもあったが、アフリカでもこの協生農法は成功している。貧しい土地でもできるのが生きたのだ。森を切り開いて畑にしていた農法とは違い、砂漠やサバンナのような乾いた土地でもできる農法なのだ。

最初に話した知人の医者は「プラネタリーヘルス」と言って地球の健康を診ているという。この地球の健康にいい農法をすれば土壌がよくなり、微生物が活発に動き出す。その微生物がしっかり働いた野菜は人間の腸内環境を良くし、結果人間の健康にも寄与するというものだ。
僕から見るとかなり大きいものを題材にしていると思うが、実際結果を伴っている。女医さんなのだが旦那さんは小太りから健康的に痩せた。
人間の健康は結局、食と水に収束する。
つまり地球を健康にしたらそこに住む人間は健康になるということなのだ。
実際、虫や細菌がついた野菜はサルベストロールという成分を作る。野菜には茶色の点がつくのだが、ここにサルベストロールあるのだ。農薬をまいている野菜にはこれができない。

ちなみにサルベストロールという成分は身体にできたがん細胞がアポトーシスと言って自ら死ぬことに関与している。これが十分にあるとがん細胞はできても自ら死んで生きやすくなるのだ。現代人はがんが多くなったと言われている。もちろん長生きをするようになったからという理由が大きい。そのほかにも農薬を撒いた野菜を食べるようになったからという理由もあるのだ。ただ、誤解しないでほしいのは農薬が身体に悪いというわけではなくて、サルベストロールを含む食材を摂る量が減ったというところが大きいように思う。

もちろんそれだけでガンが予防できたり、がんになったりするわけではないが、食べ物について正しい知識を持つというのは健康に非常に大事だと僕は思う。

生活や習慣が身体を作るのだ。

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