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柔道で背骨を折った教師のニュース

アイスクリームを隠れて食べた生徒を柔道で負傷させた教師がニュースになっていた。嘉納治五郎先生が聞いたら涙するような話だ。

教育に武道を使えるようにと本来の武道の凄惨な部分をなくして、
競技化したのが柔道だ。それをこんな使い方するとか根本的な柔道のあり方を否定するような行為なのだ。

実は柔道は危険な武道で学校教育の場で死人がちょいちょい出る競技だ。
最近は武道の授業を空手道に移行する流れがある。
菅政権になって加速するかもしれない。

さて、今回の生徒は背骨を骨折した生徒と、首を傷めた生徒がいるということだが、首の方はおそらく鞭打ちだろう。

負傷部位から考えて受け身が取れていない、もしくはそもそもの身体が柔道という競技に耐えられるレベルまで鍛えられていないことが考えられる。

だから柔道は最初に受け身と寝技の練習を延々とさせるのだ。
そこで身体を作っておかないと間違いなく大きい事故が起きる。

ちなみに柔道での死亡例は基本的には柔道歴の浅いものが大外刈りを掛けられて受け身を取り損なう例がほとんどだ。

今回も生徒は柔道歴がかなり浅いと僕は見ている。
そんな子供に柔道の投げ技を延々すればこれぐらいの怪我は当たり前と言える。

絞め技で失神させて、それをビンタで起こしてまた練習というのが問題になっていたが、柔道歴の浅いひとにすることではないが、これ自体は僕はそれほど問題だとは思っていない。失神理由が脳震盪ではなく、絞め技による脳貧血だからだ。これは正直気持ちよく寝たぐらいの感覚しかなく、数秒のことであれば脳には全く問題がない。

脳に全く問題はないというものの誤解がないように繰り返すが、
柔道歴の浅い子供にするようなことではない。

今回の問題は武道業界全体で考えないといけない部分がある。
この教師はそもそも人間性に問題があるので論外として、
武道業界が考えないといけないのは、

現代人の身体の弱さ

だ。
武道や格闘技をする前に身体を作るという段階が必要なのだ。
昔はほとんどのひとが農家で、畑仕事を子供の頃からしていて、
武道などを始めるのに、身体がすでにある程度できている状態からスタートできたのだ。

座っている状態も維持できない子供がいるのに、
武道などできるはずもないのだ。

最初は地味な練習になる。
それを如何に楽しくするかが、指導者の腕の見せ所だ。
学校の授業でするなら、なおのこと地味な練習をするべきだ。

自分一人ではできなくてもみんなとやればできることもある。
大衆の威神力というやつだ。

武道をきっかけに身体を動かす喜びや楽しさ、ひととの接し方や加減を
学べると一番いいと思っている。

学校教育と現代人の身体の弱さにマッチする武道は合気道ではないかと個人的には思うが、無茶すると怪我をするところもあるので、競技人口や教えるひとの数なども考えて空手道あたりがとっつきやすいのかなとも思う。

今回の教師は今までも同じことをしているようなので、教育現場からの退場が望ましいように僕は思う。

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