医療逼迫のそもそもの問題

新型コロナウイルスに対応している看護師が足りないというニュースがよくされている。看護師が何人辞めたとか、看護師のボーナスが0だとか、なぜそんなことが起きるのだろうか?

医者も看護師も疲弊している。表に出てきていない部分もいれると、もっと辞めているひとは多くいる。

このいつまで続くともしれないコロナ渦の中、あなたは20万円でどれだけ身を粉にして働けるだろうか?コロナ担当の医療従事者で20万円、コロナを受け入れている病院の従業員で10万円、その他の医療従事者で5万円だ。

新型コロナウイルス感染と関係ないところでも病院は避けれているので、患者がこない。結果病院としての売り上げが上がらずボーナスカットという事態に陥っているのだ。その他の病院など悲惨な扱いということになる。

普段よりリスクが高いのに賃金が減るのだ。例え賃金が上がったとしても危険に対して見合っていない。20万円もらったところで、10ヶ月経った今となっては1ヶ月余分に2万円もらったと言える。

自分と家族を危険に晒し、肉体的にも精神的にも疲弊して月2万円のプラスだ。
医療従事者というだけで子供が学校でイジメにあう可能性だってある。高齢者の両親や祖父母は自分が死にいたらしめるきっかけを与えかねない。それで月2万円だ。

これから月日だけが流れて、給付金がなければもっとお金にならない。
ボーナスがマイナスにされた病院はもはやリスクだけ増えてマイナスだろう。

経営者だともっと悲惨だろう。従業員を守らないといけないことから、お金を出すために貯金を切り崩しているひとは少なくない。

普通の仕事なら一度首を切ってまた雇えばと思うかもしれないが、看護師などは田舎だと一度首を切ると手に入らない。雇い続けたいけど、そのためには身を切り売りしていかなければならないということになる。

一度閉めてまた開ければと思うひともいるかもしれないが、それは病院の場合現実的ではない。保健所の各種検査などが通らないと開院できないし、それは何年かに一度改定されていて、以前の施設では今は基準を通らないというのはザラにある。

そうすると再始動するのに余計な金銭的時間的負担がかかる。
それなら辞めるということになるだろう。

さて、完全にのっぴきならない病院経営だが、全ての問題はここにある。
それは何か?

医療費が安いこと

だ。
リスクに対して対価が見合っていない。
国家資格に高度な専門職のスキル、そして今回のような有事の際の必要性それらを加味するとこれだけの金額でできることではないのだ。

それが今回の看護師大量離脱や、リスクだけ大きくなってボーナス0の正体だ。

歯科などもっとひどい。例えば親知らずなら日本で抜いたら患者負担が3000円から5000円がいいところだろう。病院の売り上げとしては1万円そこそこだろう。アメリカでは親知らず1本抜くのに2、30万円かかるそうだ。沈静(緩い麻酔)などかけて行うと聞いている。

歯の神経をとる治療も日本では神経1本で1000円そこそこ、前の歯ならもっと安いらしい。アメリカでは神経1本で3万円が相場だそうだ。奥歯など神経が3本あるからとるときはなんやかんやで歯としては1本に10万ぐらいかかるそうだ。それもまだ、神経治療だけで、被せ物はしていない。

わかってもらえただろうか歯科は特にひどいがアメリカと比べると2,30倍違うことになる。安く治療を受けられることによっていいことももちろんあるが、そのシワ寄せは医療従事者にいっていると言っても過言ではない。

そのシワ寄せが顕在化したのが、今回の看護師が大量離脱し、ボーナス0の正体だ。

財務省は医療費がかかり過ぎている医療費削減医療費削減と謳ってきた。
それの成れの果てなのだ。

僕は実は麻生さんのことがわりと好きだ。
問題発言が多いひとだが、ブレない。言いたいことがはっきりしているからだ。
特に

朝は希望と共に目覚め、昼は懸命に働き、夜は感謝と共に眠る

というのも非常にいい言葉だと思っている。

対韓国との政策も頑張っていると思うのだが、ここでもう一つ医療に対して頑張っていただきたいと思うのだが、どうだろうか?


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