電車内清掃アルバイト キングいや、やっぱり蝶野さん編


今回は初めて蝶野さんがいない日だ。なんか寂しいし、緊張する。もう蝶野さんなしでは掃除できない身体になってしまった。


なんでいないの蝶野さん。



もぅマヂ無理。


リスカしょ・・・



ということで(?)
事務所に入ると面接の時話しかけてくれたキングがいた。
池袋ウエストゲートパークのキングからとったのだが、改めて見ても金髪が似合っててかっこよかった。


少し話すと僕より5個くらい歳下でもともとヘアメイクをやっていたらしい。
だから髪型がこんなおしゃれなのか。

キング:「タバコは吸わないんすか?」

僕:「4月から禁煙したんですよ」

キング:「あ、そうなんですね。一本いります?」

僕:「いただきます!」


文面で見るとおかしいが、僕等はごく自然な流れでたばこを吸った。



うまい。



あれ?



なんでたばこやめたんだっけ?



・・・




まあやめとくか。


(あぶねー!!)


って感じでなんとかその一本で耐えた。


今日はそのキングが一緒について回ってくれるみたい。



よかった。


まだ一人じゃない。




いや俺がいうのはおかしいけど、もう一人で出来ますよ!!!



キングは蝶野さんとは掃除のやり方が違った。一回全部最後の車両まで往復して掃除、その後モップを持っていき、最後帰るときに窓閉めていくという二往復するやり方だ。


蝶野さんのやり方で慣れてしまっていたから正直やりづらかった。

だけど見た目に反してキングはめちゃくちゃ真面目にやっていた。
座席の端っこの隙間によくゴミが押し込まれているんだけど絶対に見落とさないで取っていた。


僕:「彼女はいるんですか?」

キング:「彼女っすか?高一からいないんすよ」

僕:「え!意外っすね!相席屋来ます?笑」

キング:「いやそういうとこには興味ないんすよ、そもそも女の人と話すとかあんま興味なくて」


僕:「あーそうなんですね」


キング:「ゲロは経験しました?」

僕:「あー2回くらいありました!一回がっつりあったんですけど、蝶野さんがお好み焼きに例えてきてマジで気持ち悪くなっちゃいました」

キング:「あー確かにゲロとお好み焼きって似てますもんね」





キングは




良い人すぎた





その後も良い人すぎるキング。故に特に面白いことも起こらず時間が過ぎていった。


その日はそれで終わり。


蝶野さんって凄かったんだ。僕は実感した。



その次のアルバイト。

今日は蝶野さんがいる。僕は心を踊らせて小雨の中小走りで事務所に行った。

蝶野さーーーーーーん


心の中でそう叫びながら事務所に行くと蝶野さんはまだいなかった。





まだかな




相変わらず最初の1時間くらいは休憩なので半沢直樹の再放送を見ていた。

すると蝶野さんが入ってきた。

「おーおはよう」

優しい笑顔。





もう離れないからね。





よし行こう


と言われ始まった。

僕はウキウキでものすごいスピードで掃除をし始めた。


すると蝶野さんがまた


「どうしたの?え?どうしたの?どうしたの?」


親友の彼女を助手席に乗せてラブホの駐車場入ったくらい「どうしたの?」と言ってくれた。




これこれー!




その後氷結と檸檬堂の新品の忘れ物があって貰っちゃって良いですかね?って聞くと
蝶野さんは檸檬堂のパッケージをじっくり見て、「これあげるよ」と氷結をくれた。



いやちゃんと選ぶんかい!




その後電車の車両が出来た年を見て

「平成2年かぁ、今は令和2年だから10年前かぁ」



おもろー!!



てな感じでキングで不完全燃焼だった僕は蝶野さんで灰になりました。

いや


キングでイケなかった俺は無事蝶野さんでイケました。

いや

キングの首を取り蝶野さんがキングになりました。


これで!!!




また何かあったら更新します!


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