趣味を読書にしたいと言う人に

 趣味を読書にしたいけれど挫折したという人は結構いるようだ。それを踏まえて色々考えてみたいと思う。


1.別に読書なんかしなくてもいい

 ここに気付いていない人は多い。どんな趣味でもそうだが、義務になって、こなさなければならなくなると辛くなるものだ。
 一旦、読書を趣味にする事を諦めて、そこから考えていけば良いように思う。
 また「読書」を立派な事とか流行に合わせなきゃと考えるのも挫折の原因だ。長編小説を読むばかりが読書ではない。

2.「薄い本」を読んでみる

 これは書こうと思ったら他の人も書いていたので驚いた。だからまあ、パクリなんだけど、パクリではない。
 この「薄い本」とは何かと言うと、コミケなんかで入手できる「同人誌」である。
 ここで出てきそうな「コミケで売ってる同人誌なんてエロばかり」というのも古い(というより偏見に満ちた)考えだ。漫画ばかりでなく小説もあるし、評論もある。専門分野の研究も見逃せない。食べ歩きの軽い感じの本だと思って手にとったらかなり詳しい内容だった事もある。
 コミケだと会場が広すぎて、どこに行ったらという場合、ある程度ジャンルが絞られたイベントが良いように思う。創作漫画なら「コミティア」、文章なら「文学フリマ」、専門分野なら「おもしろ同人誌バザール」や「資料性博覧会」がおすすめだ。

3.「タレント本」もバカにできない

 これは好みの問題だが、「タレント本」と分類される本にも面白い本がある。
 以前他の所でとうじ魔とうじ氏の「とうじ魔とうじ養成ギブス」を絶賛した事がある。この人の舞台に出ている所、「地下紅白」で観ただけなのだが、他にも「半芸術」もなかなかだった。無理やり分類すれば「演劇論」「芸術論」になるのだろうが、創作のヒントが端々に感じられる。
 近いようなマイナージャンルでは、みうらじゅん氏の本が面白い。「ジャンルにはまっていく人」を端から見ているような思いである。大槻ケンヂ氏の本も特にエッセイはそんな傾向である。大槻ケンヂ氏は音楽や映画の話も上手いが、UFOを書かせたら日本一だと思う。
 最近自分が面白いと感じているのが、キャンプ芸人としてブレイク中のヒロシ氏の本で、昔の、自分で自分を笑い飛ばしていた自虐ネタの本も面白いのだが、生き方、働き方のヒントとなる本も出している。

4.積ん読だっていいじゃないか、資料だもの

 資料本、解説本等にハマるとこんな考えになってくる。図鑑を読むような思いである。また、一度読んだからといって古本屋に持っていく必要もない。
 逆に「図鑑や百科事典が好きなんだけど創作も読んでみたい」という人におすすめなのが「鼻行類」「秘密の動物誌」「平行植物」といった作品だ。
 こんな創作の書き方があるのだと思うと、世界が広がる。
 また、「文章の書き方」そのもののパロディになっている塔島ひろみ氏による「楽しい「つづり方」教室」という本もある。

 

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