あるコーヒーショップと私の、心地よい距離感
私が1、2週間に一度は一人で訪れるコーヒーショップがある。
車を出すのは、だいたい夜ご飯のあと、週末午後8時過ぎ。
子どもの寝かしつけを夫にお願いして、少しずつ静かになってきた住宅街で車のエンジンをかける。
たまにこの時間に、ホームセンターへ買い出しに行ったり、本屋へ行ったりする。ホームセンターでは必要なものを買いがてら、植木を見てまわったり、隣のスーパーを覗いたりして、一人で過ごす夜の空気感を楽しんでいる。
スーパーは休日にまとめ買いで急いでまわるので、普段は見ない棚を見たり、夫との晩酌によさそうなものを買って帰ったり。スーパーって楽しいんだよな。
話が逸れた(いつものこと‥)
さて、晴れて一人時間を獲得した私は、車で25分弱のスターバックスコーヒー目指して車を走らせる。
この車の往復でインターネットラジオを聴いたり、たまに音楽にしてみたり、何もかけずに考え事をしたり(運転しているので考えに入り込みすぎないように注意しなければいけません)している。
夜に出ていくには少し遠いが、夜のテールランプがポツポツ輝く大きな道を行きながら、気持ちが徐々に、しん、としていく。
昼間はとても車の多い片側二車線の道。適度な田舎なので、チェーン店が並ぶが、森や畑が広がったり、よくわからない池があったりする。
大きな道の両側の深い闇を通り抜けながら、私も、深く、静かに沈んでいく。
途中何度も信号に引っかかりながら、急がなくてよい心地よさも味わって。(いつもの急ぐくせがでるんだけれど)
最後の信号を曲がって駐車場に入った。
いつもの場所に車を停め、夜の空気を吸い込む。ここは適度な田舎の中の、少し田舎寄りな場所なので、空気が住宅地とは違っている。
「こんばんはー」
お店に入ると、心に沁みわたる香りと、挨拶。
そうそう、これ。ああ、なんて癒やされるんだろう。
この香りを感じながら、美味しいコーヒーを飲みながら、考え事をしたり、何かを書いたりすることが、私にとっては究極の癒やしである。
スターバックスコーヒーは世界中にあるチェーン店だが、やっぱり大好きだ。
何がそんなに好きなのか考えてみる。
ディズニーランドが好きな人は多いが、それと同じ空気を感じるなぁとだいぶ前から思っている。(言いすぎ?)ホスピタリティや、押し付けがましくない親切さ(たまに違う人もいるけど)を感じる。
どの店員さんも自分の仕事に誇りを持っていて、そんな人がいる空間は、居心地が良くなる。
店内は暗すぎず、明るすぎず、うるさすぎない。
地域柄、人も比較的少ない(大きい要素かもしれない。スターバックスでは珍しい。でも、人が多い店舗も入りたくなるので、条件に当てはまらないかもしれない。なんじゃそりゃ)
兎にも角にも、コーヒーの香りは、私を癒やしてくれることに違いはない。
朝も夜も、最高の時間を過ごせる。
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コーヒー豆は、切らさないように普段買うものとは別に、期間限定のものもあって、それは、買ったり買わなかったりする。(この前買ったものはとても口に合っておいしかった)
決めたコーヒー豆を抱えて、レジ横のショーケースを覗き込んだ。
うーん、今日は少しご飯を控えめにしたから
ドーナツ食べちゃおうかな。
とても、とても甘いドーナツと、熱めのラテをマグカップで注文した。夫へのお土産に、スコーンも追加した。
頭の中は、コーヒーの香りと考え事がくるくるとしていた。
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そうして閉店時間の22時まで過ごし、さらに夜が行き渡った広い広い駐車場から、現実世界へ帰る。マンションや街明かりや、ピカピカ光る信号を目に映しながら。
私と、あるコーヒーショップの、心地よい距離感のお話でした。