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原因不明の急性硬膜下血腫になった話

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突然の激しい頭痛と嘔吐に襲われ、自分で救急車呼んだら初日と2日目はそのまま帰されたけど、ようやく3日目に急性硬膜下血腫と判明。その入院生活12日間のいろいろ。
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7.【最終話】消化試合

7.【最終話】消化試合

 4/16(日)の午後、担当医師がベッドまでやってきた。
「週明け月曜日にもう一回あたまのCT撮って、問題なければ18日に退院ということで」
頭を下げるDr.「しばし!」
返事をする私「御意!」

 8人の男性ドクターで構成された医療チーム with ナースたちのおかげで、私の体調はほぼ回復。気分もシャバにいるときと変わらなくなってきている。残り2日間は消化試合。気楽なものだ。

 退院までのあい

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6.早朝、危機イッパツ

6.早朝、危機イッパツ

 7日目の4/14(金)。そろそろ退院の雰囲気が漂ってくる程度に回復してきた。
トーキョートッキョキョカキョクみたいな響きのカイトーケッシュジョキョジュツ(開頭血腫除去術)もなく、特別な投薬もなく、ただ、止血の妨げになる血液さらさら系の錠剤を休薬し、ひたすらビーフリードとラクトナントカを点滴すること1週間。きのう撮った頭部CTで出血の広がりが認められなかったため、キャスター付きの点滴棒、ポ

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5.救済のアイテム三部作

5.救済のアイテム三部作

 4日目。4/10 (月) けさも6時すぎ、いつもの電気シェーバーの音で目覚める。朝食を経て午前中の回診。医師たちのゴツゴツした足音が仕切りカーテンに近づいてきた。

「夏樹さーん、おはようございまーす」

「ぁいざいまーーーす」

 これは自分でも驚く。「おはようございます」がこうなってしまうのだ。救急搬送依頼の電話で「よろひいでふ」と返答したときのように、まだ言葉が非常にゆるい。医師たち半笑い

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4.スルーされたSOS

4.スルーされたSOS

 2日目。4月8日(土)朝、だいたい6時頃に自然と目が覚めた。天気は良さそうだ。陽が射しているのがカーテン越しにわかる。

 メンドクサイ難病科病棟の場合、朝6時になると女性の元気な声で「おはようございます! ◯月✕日△曜日、6時になりました」みたいなアナウンスが流れるが、ノーゲのほうは静かなものだ。
 しばらくすると廊下の水回りあたりから、電気シェーバーの音が聞こえてきた。看護師の巡回も始まって

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3.八年に一度の本能寺?

3.八年に一度の本能寺?

 4月7日、ノーゲの控え室にて入院宣告をされた後まもなく、病棟のベッドへ案内される。だいたい13時すぎだったと思う。

 ここまで来る間に「ノーゲ」という単語を何度も聞いた。ノーゲとは脳神経外科の略称で、イントネーションは「教授」と同じ。ギョーカイっぽくてかっこいい(?)

 今回、私の案内された病室は二人部屋の窓側だ。大きな窓から空が眺められ、それだけでも救われる。また、入院できたことによる安堵

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2.“曇”天の霹靂

2.“曇”天の霹靂

 自分で救急車を呼び、検査だけやって治療もなく、頭痛と吐き気を堪えながら自力(地下鉄)で帰宅した翌日の4月6日。

 このまま放置プレイで飲めず食えずで死を迎えるしかないのか、と思えるくらい弱気で意欲のカケラすらなく、ただ自宅の寝床に横たわっているだけの朝。頭の中でこんなことを考える。
 発症の晩(4/4)が満月前の乙女座ムーンボイド中で、4/5朝から月が天秤座の満月域。そして太陽は、頭部を意味す

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1.未曾有の頭痛

1.未曾有の頭痛

 未曾有の頭痛が起きたのは、2023年4月4日(火)の晩のことである。発症したばかりの時点では、まださほど深刻な痛みでもなかった。たとえて言うとワインを飲んだあとに感じる程度の頭痛だ。これならロキソニンを飲んで一晩寝たら治るだろうと考えていた。
 翌日夕方はプレイの予約が入っている。念のためお客さんには連絡を入れておこう。心配されないよう軽く書いたつもりだったが、「心配です。今回はキャンセルにしま

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