見出し画像

事実なのかプロパガンダなのか

まえにグルジア(現ジョージア)とロシアの戦争があったとき。
一瞬まるで圧倒的に悪いロシアが侵攻していったような
絵に見えました。またプーチンが酷い事をしている、
というようなイメージがあったのです。
しかし、グルジアが先に侵攻していました。

私はこれまでプーチンが悪魔のようなことを
散々しでかしてきたことと現在行っていることが
百パーセントプーチンの間違いであると思っています。

しかしどうでしょう。最初のグルジアが侵攻していた
というところで話が終わると「ロシア寄り」のような
意見だと思われるかもしれません。

西側メディアは毎回のように、正義は自分たちで、
相手は敵だと宣伝してきました。ではロシアのメディアは
というと、まず信用できるものではありません。
プーチンは独裁を強めることによって信頼性を失い
自分の首を絞めていく一方です。

映像も偽情報を作るのが簡単ですし一刻一刻様々な
情報を大量に流し続けて、何が真実か嘘かを見極める
能力のない私達を振り回す。
勿論世の中の宣伝の類の物の殆どはそうでしょう。
私が危惧するのは、西の話は本当でロシアの話は全て
噓だと思い込んで捨ててしまうことです。
どの情報が本物か嘘かは分かりませんが、
どちらが本当で嘘かなど、そもそも専門家ではない私達が 
どのようにして判断すると言うのでしょうか。

こういう時、記者でさえ混乱するような情報が多く溢れ
結局のところ、ある程度の時間をおいて見えてくるものを
待たなければ、何が何かは分からないと思うのです。
同時に、真実がどこまで分かるかも不明です。
むしろ「これは本当だ」と自信ありげに出てくる
情報にも注意が必要なのかもしれません。

情報には強い感情をわき起こさせるものが多くあります。
不安や恐怖や、悲しみ、苦しみなど。とても強烈なものです。
しかし、その情報が本当に真実かどうかを判断できるほど
私達はそもそもロシアやウクライナの事を
どれほど知っているのか、そして、プロパガンダほど
人々を扇動するために強烈な感情を伴うドラマ仕立てに
なっているはずです。

繰り返しますがプーチンは完全に間違っています。
彼はウクライナとそして他の国々対する戦争犯罪人です。
しかし、そのことと、ロシアの話は無視して
ウクライナの話だけ聞くような姿勢をとることは危険です。

さらに危険で間違っていることは、ロシア人やベラルーシ人を
標的にすることです。
これまで何度も争いの度に繰り返されてきた恥ずべきことであり
つい先日にも、バイデン大統領が、日本の強制収容から80年たつ
ことについて「二度とないように」と言ったばかりでした。

プーチンに対して怒りが湧くのは当たり前の感情ですが
ロシア人らへの攻撃や差別などを行うことは、
「むかつく奴は排除する」考えのプーチンと同じ行為でしょう。
また、ロシアの情報は聞きません、ロシアの話する奴はロシア寄り
ロシアの立場を話す奴は無視、など自分の感情的な意見に
沿わないものを無視する考えも、排除という点で
真実を見えにくくし、より攻撃的な賛同者と分断を生むでしょう。
専門家にも感情的な物言いをする人は多いので、そう言う場合は
変に誘導されたりしないよう注意して見ています。

今回の行いについてロシアは当然責任を負わなければならないし
とっとと狂った行いをやめるべきです。
同時にゼレンスキーがどのような行動をとってきたかや
ウクライナについても、冷静に見ていく必要があると思います。
どちらが悪なのか、という二元論では何も分からなくなります。
プーチンが悪いのは100パーセント分かり切っていることです。

重要なのは、どちらが正義で悪か等という議論ではなく
平和のためにこそ、情報についてはやはり
弁えた見方で冷静に触れていくことが重要だと思います。

戦争に反対するのは、私達と同じ人間が、突然日常を奪われ
殺され酷い目にあわされている事に対する怒りです。
それなのに、人を差別したり攻撃したりするのは
むしろ戦争賛成の意志になってしまうでしょう。

争いは長い間、お互いに癒せない遺恨を残すことに
なってしまう。停戦しても当事者に
本当の平和が訪れるのはいつのことになるのでしょうか。
戦争はインフラをことごとく破壊し 復興だけでも
いったいどんなことになるでしょう。
ロシアがアフガニスタンから撤退する時に
地雷をばらまいていったという本を思い出しました。

ウクライナの国民のことを想像すると、
またロシアから送り込まれ戦争で死ぬロシア兵のこと
を考えると、不安で悲しくて 実際に私は
メンタルを余計に悪化させています。

今すぐこのようなことが終わることを祈っています。
そして今も長く続くシリアなど、他国の争いにも同じように
関心が向けられますことを祈ります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?