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子どもの不登校や学校トラブルの相談と学校の先生に思うこと

心理臨床オフィスinemuriは【児童に強い】と書かせて頂いていることもあり、お子さんについてのカウンセリング申し込みが多いです。

お子さんについての相談で多いのは、「育てにくさに」「不登校や行き渋り」「(いじめなども含む)学校でのトラブル」についてなどなど。

それぞれのご相談で、内容は違いますが、

学校での問題について話を伺っていると、その根本に、「担任の先生は頑張っているのに関わらず、子どもたちや保護者とすれ違っている姿」が浮き上がってくることがあります。(場合によります!)

学校は、必ずしも悪い意味ではなく、独特の文化があるところです。私が大学を出てすぐのころ、心の教室相談員をしていたときは、前任者に「親族に教員はいる?もしいれば、教員がいます、って職員室で最初に言ったほうがいいよ」とアドバイスをもらうこともありました。これは、昔の笑い話ですが・・・

教員免許の更新も始まりましたが、学校の先生は本当に忙しいです。私も近接領域で働いていて、どんどん忙しくなっている印象があります。求められることが多岐に渡るというか・・・

仕事もして、同僚のサポートや助け合いもして、教員文化の中でも生き抜いて、勉強や研究もして、自分の生活もして・・・「体罰についての定義」などもどんどん変わって行く世の中にも適応して・・・人権意識をアップデートして・・・

忙しすぎるほど。

教員に向いているからこそ、やるべきことが見えすぎて頑張り過ぎてしまうことだってあると思います。

子どもや養育者の方からお話を聞いていると、

特に、やんちゃな風土の小学校などでは、本来は2年に一回のところ毎年担任が変わることや、場合によっては1年の間に担任が変わることもあり、まだ中学年なのに「もう担任5人目だよ」のようなことも。

(例えば、先生の妊娠・出産や介護による変更だったら、それは先生自身の人生の権利です。)

場合によっては、生徒による先生への反抗が強すぎたため(ぴったりの表現でないかもしれませんが)先生がまいってしまい辞職されることも・・・

そのままだと子どもたちは「先生は倒せるもの」「先生は反抗すれば変えられるもの」などと、俺達最強のように誤学習を積んでしまう可能性があります。そして、教育現場の大人との健康的な信頼関係を結ぶ経験をできないまま、中学・高校・大学とすすんでいかねばなりません。

お話を聞いていると、「子どもたちも大変だし、先生たちも大変だ。そしてその間にいる養育者も・・・」と切なくなることもしばしば。

そして、お子さんや養育者の方は、こうしてカウンセリングに来て頂くことができますが、教員の方々が自分自身のことでカウンセリングに来ることは、比較的、少ないようにも思っています(お子さんのことで来て下さることはありますね)。
時間的な余裕がないこともあるでしょう。スクールカウンセラーさんなどに話せていると良いのですが。

ぜひ、「頑張っているのに生徒とすれちがっている気がする先生」や「生徒が強くて余裕がないわ~という先生」たち。それらによってしんどいときには、当オフィスでなくてもカウンセリングや心理療法も選択肢にいれて頂けたらと思います。

臨床心理士もカウンセリングを受けることがあります。必要なときに、自身に必要なものを取り入れるのは、専門的で適切な判断です。

追記:後日、心理士のコミュニティの中で教員皆様からのご相談を多く受けているという方に会いました。とても安心しました。

先生たちにも、楽ちんになって欲しい

ここからは、少し宣伝。お子さんや養育者の方のカウンセリングの最中は、先生方の心情まで考えないことが多いですが(目の前のクライアントのことを考えています)。学校の先生たちのフリースペースやフリースクールがあったらいいのにな、なんて思ったりもします。

inemuriは、東京都世田谷区にある「楽ちん堂」でもカウンセリングを行っています。今はクラウドファンディングもしていますね。

ここはとても間口が広い、インクルーシブな総合福祉施設です。

もともと放課後等デイサービスをしていたこともあり、今も、18歳、19歳、成人になった発達障害のある若者たちが遊びに来ます。

近所の子どもたち、また、シングルマザーのご家庭の子どもたちが、遊びに来たり、ご飯を食べに来たり、泊まっていったりもします。

クラウドファンディングのように、不登校の子どもたちも来ています。

そして、近所の高齢者も来ています。

半身不随のオギタさんもいます。時にはテレビに暴言を吐いたり、よくない行い(?)もしますが、それを車いすの後ろに立った子どもたちが見守ってくれています。

さまざまな人たちが、誰にも気を使わず、ごった煮のように居る場所です。ここにあるのは余白や空白、余裕ばかり。余裕がないのはお金くらい。

先生たちのことを考えると、なぜか私は楽ちん堂のことを思い出します。

これだと結局、楽ちん堂の宣伝をしたかった記事のようですが。先生たちが良い意味での余裕を取り戻すだけで、少し楽ちんになるだけで、子どもたちの問題も変わって来るような気が私はしています。

何をしたらいいかは、みんなで考えていきたいですね。

先生たちが楽ちんに、子どもたちを思って楽しく働ける令和にできますように。

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