見出し画像

【エッセイ】はじめての交通事故



~皆様、1年間に交通事故に遭う確率は何%か知ってますか?~














0.2%だそうです。

1/500です。


宝くじに当たる確率が
1/200,000,000
だそうですから、
そう考えると、めちゃくちゃ高確率です。


大きな事故にあう、
もしくは起こしてしまえば大惨事です。


皆様も、どうかお気をつけてください。


そんな0.2%の確率に
私も当たってしまったことが
過去にありますので、今回その話をさせていただければなと思います。


どうか皆様お聞きいただけないでしょうか?









3年ほど前
結婚式の準備で式場と家を
妻と一緒に車で何度も往復してた頃の話です。



私は、超がつくほどの小心者ですので
運転する時は、いつもビクビクです。


もし事故にあえば
激痛の中、死ぬのは嫌だなぁ…とか


誰かを引いてしまえば
取り返しのつかないことだ。とか


常に最悪のケースを考えながら運転をします。


あらゆるシチュエーションを、頭の中で
想像して、こういう時はこうする!などとイメトレをしておきます。


如何なるときも冷静に的確な対応
ができるようにしておかなければいけません。




父はバスの運転手でしたから
安全運転については英才教育を受けてきたつもりです。


これから人生を共にする
大切なパートナーを助手席に乗せてるわけですから絶対に事故を起こすわけにはいきません。




そして、私の乗る車
小さい頃に亡くなった祖母の形見になります。


走行距離は16万㎞を超えて
かなり年季の入った車になります。


乗り換えを何度も考えましたが
祖母とこの車で過ごした思い出を
振り返ると中々、
新車を買おうという気持ちにはなりませんでした。


子供の頃、後部座席で
弟と後ろから恐竜が追いかけてくる妄想をしてジュラシックパークごっこで遊びました。


イスの隙間に、鼻くそとかお菓子のカスとかを隠したりしました。
(結局、大人になって自分で掃除することになります。)


大切な思い出が詰まった車なので
事故で廃車にするわけにはいきません。




そんな様々な想いを胸に
妻を助手席に乗せて運転していると
長い渋滞に巻き込まれました。


1ミリも動きません。


事故でもあったのでしょうか?


バックミラーを見ると
私達の後ろに車はいません。


どうやら、私達が
渋滞の最後尾みたいです。


今日はウェディングドレスの試着の予約をしているので、なるべく遅れたくはありません。


困りました。


…5分ほど待ちました。



動きません。



…10分待ちました。


全く動きません。



…15分ほど待ちました。


ありゃりゃ、ダメですね。


私は妻に試着の予約遅れますと
電話するようにお願いしようとしました。




その瞬間、前にいる車が
突然バックしてきて私達の車に向かってくるのです。



最初に異変に気づいたのは妻でした。



「え?


え?


え!?


ええええええええええ!!!


いやあああああああああ!!!」




妻が聞いたこともない悲鳴をあげました。



私も突然の出来事にパニックになります。


記憶が無くなり
何をしていたかわからなくなるほど
頭が回らなくなりました。




当時の状況を後で
ドライブレコーダーで確認すると


私は

「ば、ば、ば、ば、ばっ、ば、ばばっ!ばば、ばっ、ばばばばばば!!」

と、たくさんの「ば」を連呼していました。


恐らく、
「前の車がバッグして来てる!!」
という、見ればわかることを言いたかったのだと思います。



そして、私達はなす術もなく
突如バッグしてきた車にぶつけられてしまいました。


そこそこの衝撃とともに私と妻は、
「「ヴッ!!」」という低い声を出し、
ドライブレコーダーが機械音声で
「強い衝撃を検知しました。」と他人事のように棒読みで言いました。






まず、妻の無事を確認してから
どうすればいいのか
気持ちを落ち着かせて頭を整理します。



急にバックしてぶつかってきた車は
黒のベンツです。


本当に勝手な偏見ですが
黒のベンツは怖い人が乗っているイメージです。(すみません…)


私は、咳払いをして喉の調子を整え
低い声で立ち向かう準備をしました。


でも、実際に車から降りてきたのは
優しそうな中年の男性でした。


そして、丁寧に謝ってきて
冷静に対応してくれました。


少ししてから警察の方が来て
色々な処理をしました。


その間に、今になって渋滞が緩和されて
車の流れが良くなりました。


でも、私達は事故の処理をしなければいけないので動けずにいます。




通る車、みんなが私達を見ます。


恐らく、ほぼ全員が
この状況を見て
ボロボロの古い車に乗った若者カップルが
よそ見運転でもして
ベンツにぶつけたと思っていることでしょう。








それは、ちょっと少しばかり

…屈辱的です。


ただ、それを説明する方法はありません。


私は悪くないと周りの方に
わかってもらうために必死に
「やれやれ、ぶつけられちゃったよ~、
まいったな~」
って顔をしました。


妻は、今の状況が恥ずかしいのか
無意味なアピールをする私の隣にいるのが恥ずかしいのか、心を無にして
無表情で遠くの空を長らく眺めていました。




そして、事故対応が全て終わり
ドレスの試着も予約時間をずらして
無事終えて家に帰りました。


10対0の事故ということでした。










冒頭にもお伝えしましたが
皆様も、交通事故のニュースが世の中絶えませんのでお気をつけください!


ちなみに、その後
念のため整形外科に行き
私達に事故の後遺症などは残りませんでしたし、祖母の車は保険でしっかり修理し未だに現役で走ってます。







この記事が参加している募集

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?