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【エッセイ】恋の予感がする


~皆様、恋はしていますか?~



29才の男が言うには、恥ずかしすぎる質問をいきなりしてしまいました。

すみません…



実は恋をすると、
脳内にドーパミンが大量に分泌されて
記憶力が向上したり、やる気が上がったりするそうですよ。


もちろん、青春時代のような
甘くせつない恋だけではなく、今話題の推し活もドーパミンがたくさん出るので健康にとても良いのです!


いつまでも健康でいたい方は恋をたくさんしてください!



そんな所から、今日は
恋についてのエピソードを話したいと思います。


どうか皆様聞いていただけないでしょうか?







私が大学1年生の頃、
4つ年上の姉が大手ホームセンターに就職しました。




そんな姉から突然
「あんたの中学の同級生にカオルくん(仮)っていう人いた?」
と聞かれました。





カオルくん…?


「もしかして、えりあしが長いカオルくん?」


「そう、えりあしが長いカオルくん。」


「あまり話したことないけど、カオルくんがどうしたの?」





「…カオルくんってどんな人?」


「うーん、覚えてないなー。
なんでカオルくんのこと聞くの?」


「…なんでもない。」


姉が照れ臭そうに誤魔化しました。














??






??????







えええ?


こ、これってまさか!?


姉はカオルくんに恋をしてるのではないでしょうか!?





私は、姉の乙女な部分
正直見たことがありませんでした。


いつもジャージに近い格好で
化粧をしてるのもほぼ見たことがありません。


「私には私の生きざまがあるから、男なんか興味ない」という感じの人でしたが、

どうしたことでしょう…



カオルくんのことを聞いてきた時
髪をクルクル弄る仕草していました。



これは間違えなく恋する乙女の仕草では
ありませんか!?




弟として姉の恋路を応援してあげなければいけません!







しかし!!





後になって記憶が甦ってきたのですが
カオルくんは、とても不思議な人なのでした!


中学生時代、家庭科の授業中に
カオルくんと隣の席になったことがあります。


その時の家庭科の先生は、私語が嫌いな方でした。


それにも関わらず、
カオルくんは
あまり話したことのない私に対して
耳元まで口を近づけて

「ダイエットの語源を知っているかい?」

と突然聞いてきたのです。



私は、先生に怒られないように
ビクビクしながら
「…知らない。」と小声で返しました。



カオルくんは、
やれやれと言う仕草をしてから
私の家庭科のノートに
勝手に文字を書き始めました。





「ダイエットの[ダイ]は英語で言えば[死]、

[イエット]は[まだ]

つまり、ダイエットというのは





[まだ死なない]という意味なんだ。」





大人になった今でも彼が言ったセリフを
一語一句鮮明に覚えています。


その後、家庭科の先生に怒られたからではありません。


今、思い出しても

彼はなぜ、
先生に怒られるリスクを負ってまで
授業中それを伝えたかったのか?

なぜ
あまり話したことがない私に伝えたのか?


そして、なぜ
自分のノートならまだしも、私のノートに
シャーペンや鉛筆ではなく
消せないボールペンで文字を書いたのか?


全てが未だに謎だからです。



それもあって、
姉と不思議なカオルくんの恋が成就するのは、すごく複雑な気分なのです。



もし、姉と結婚して
カオルくんが義理のお兄さんになれば
よくわからない雑学を延々と聞かされるような気がして、気持ちが前向きになれませんでした。







ただ!



まだ慌てる必要はありません。

カオルくんが姉のことを好きだとは限らないですからね。


姉の一方的な想いかもしれません。


こういう時は、様子を見ることが大切です。
好きなアイドルやタレントに熱愛報道がでても同じことが言えます。




そもそも、カオルくんと
姉は関わりがないのに
どうして姉がカオルくんのことを知っているのでしょう?

(私が中学生の頃、姉は高校生です。
姉とカオルくんに面識はないはずです。)


まだまだわからないことばかりです…









しばらくして、
私の友人のゴリラさん(ゴリラになりたいと思ってる友達)が、大慌てで電話してきました。



「今日、ホームセンター行ったら
カオルくんと、モンキーパンツのお姉さんが働いてたぞ!」



!?


…なるほど、そういうことでしたか。

カオルくんと姉は、
職場が一緒だったのですね。


そこで2人は出会ったのですね。




「しかも!聞いて聞いて!

カオルくんが、仕事中ずっとお前の姉ちゃんのこと見てたんだよ。」


ゴリラさんがウホウホと興奮しながら喋ります。


カオルくんが私の姉のことをずっと見ていた…?
嫌な予感がします。



「んで。
なんで見てるの?って聞いたんだよ。


そしたら…」



ゴクリ








「僕は、あの人のことを
LIKE か LOVE で言うなら…












LOVE なんだ…




って言ってたぞ!」


ゴリラさんはカオルくんの
独特な喋り方を真似しながら私に伝えました。




「君のお姉さまはモテモテですな~!!
ヒューヒュー!」


その後、ゴリラさんが
電話越しとは思えないほどの
ハイテンションで囃し立ててましたが
私の耳には一切届きませんでした。





…これは、もう認めざるをえません。


相思相愛というやつではないでしょうか。


いくら、弟の私でも
姉とカオルくんの幸せを邪魔するなんてできません。







カオルくん!




…いや!



お義兄ちゃん!



俺の大切な姉さんを泣かせたりなんかしたら絶対に許さないからな!



私はカオルくんに届くはずもないのに
心の中で叫びました。








それから、1年後
姉が結婚すると言って、
お相手を家に連れてきました。




姉の3つ年上のハンサムで笑顔が眩しいナイスガイでした。



カオルくんでは、ありませんでした。


不思議なことは言わない
とても真面目な方でした。







姉が私にカオルくんのことを
聞いてきたのは、
彼が仕事中ずっと見てきて
何者か探りを入れたかったからだそうです。



私の早とちりでした。









ちなみに、こちらが姉とそのナイスガイの
結婚式に続く記事です。
家族みんなでドタバタしました。
未読の方、もしよろしければぜひ↓↓






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