手入れという思想
養老孟司先生の著書『手入れという思想』に出会いました。
この本では、日本人の生活に根付いた「手入れ」という概念や感覚がどの様なものなのか、深く書き示されています。
日本人は、長年にわたって自然との調和を保ちながら里山を手入れし、大自然と共存してきた歴史があります。
そこには新たな生態系が生まれる程です。
全てが循環し、支え合って、里山になっているのです。
この「手入れ」の精神には、人間が自然の一部であるという理解が込められています。
また、私たちが、日常生活の中で行うお風呂、髭剃り、そして化粧もまた「手入れ」の一部です。
もしそれを怠れば、髪やヒゲ、心までもまるで原生林のよう乱雑に戻っていくように思います。
だからこそ、私の仕事である「髪を切る」という行為は、単に外見を整えるだけでなく、髪そのものを「手入れ」することです。
それは、まるで里山を手入れするように、お客様の日々の生活に寄り添い、手入れしやすく扱いやすい髪型を作ることなのだと強く思います。
私と社会の接点が明確になり、言語化された様に感じ、嬉しく思いました。
私自身が探究を続け、伝え、たくさんの方々が、「手入れ」が上手になり、
自分自身の髪を理解し受け入れて、うまく扱える様になったら、、、
自分を大切にする人が増えて、、、
他人を大切にできて、、、
いい世の中になるのではないか!!
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