oniku

だいたい悩んでる。

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最近の記事

共感に触れる

朝井リョウの「正欲」が文庫化されたので読んでいる。今ちょうど半分くらい。 彼の作品はほぼ触れたことが無くて、10年程前に「桐島、部活やめるってよ」を読んだのと、「何者」が映画化された際、文庫の帯に山田孝之が居たので衝動買いした程度だった。 オードリーの若林がやたらと話題に出すのでずっと気になっていたのだが、今回読んでみてかなり衝撃を受けている。久しぶりの感覚である。 なんか既視感というか、この味わいは前にもあったよな、と考えていたのだが、吉田修一の作品を読んで受けた衝撃と

    • 用事が無くても行けた眼鏡屋さんの話

      視力が悪い。子供の頃はなんとなく裸眼で頑張っていたのだが、高1の冬くらいに眼鏡をかけ始めてから、裸眼には戻れなくなってしまった。現在の視力は0.1以下なので、もう眼鏡が無ければ生きていけない。 新潟から東京に戻ってきた年の冬、日本一巨大なイオンモールと名高い、越谷レイクタウンのとある眼鏡屋さんに入った。業界では結構有名なのではないだろうか。若干値は張るが質が良く、おしゃれなものがたくさんある。 そこでたまたま接客いただいたおねーさんが綺麗な方で、お、ラッキー、と調子に乗って

      • 殻を破るきっかけ

        500日のサマーという映画がある。 天真爛漫な女性サマーに一目ぼれした青年トムの、500日の恋愛物語である。 今でも覚えているが、新潟に住んでいた当時、出張先の長野のホテルでパッとテレビを点けたらたまたまこれがやっていた。主演男優に見覚えがあった。ダークナイトライジングで警官役をしていたジョゼフ・ゴードン=レヴィットだった(インセプションにも出演。ノーラン映画でよく見かける俳優さんですね) あ、この人観たことあるやん、というくらいの感じでチャンネルを止めたが、オープニングの

        • 書くのが好きな話

          2016年2月、人事異動の時期、営業部長に呼び出された。 心当たりがあった私は、ああやっぱりか、と思った。 ----- 2015年4月、新潟から東京に呼び戻された私は、環境の変化に面食らっていた。地方特有のゆるい雰囲気に溺れ、全く仕事をしていなかった新潟2年間の営業生活から、東京で(当時は)最も厳しいといわれていたとある法人の、お膝元の店舗を担当することになった。 上司の課長は社内でも有名な鬼軍曹タイプで、怖い人と関わりたくない私にとって最悪の相手だった。また営業課は課

        共感に触れる

          35歳おじさんの転職事情③

          最終話です。 ◯就職活動のコツ 「あったこと、経験したことを、正直にきっちり話す」 これがすべて。嘘ついたり、大きく見せても自分が損するだけ。 某ガレソさんが新卒就活で噓をつきまくっていたという漫画を最近アップしていたが、結構共感があって笑ってしまった。あれも"就活においては"全然間違っていないと思うが、その後、その組織で生きていくのは無理して取り繕った自分である。 正直にする。これは応募書類や面接だけではなく、自分自身に対して正直に向き合う、という意味合いもある。本当

          35歳おじさんの転職事情③

          35歳おじさんの転職事情②

          前回の続きです。 ◯2回目の転職 2022年の夏手前頃から、今年の専任職員登用の試験をどうしようか…と考え始めた。しんどかったピークの時期は乗り越え、自分自身の内省も進み、まわりの人に腹を割って話し始めることが出来たものの、そもそも専任職員になりたい気持ちが非常にネガティブなものになっていることに気づき、じゃあ試験に臨むエネルギーを転職活動にぶつけてみてはどうか、と切り替えてみることにした。 ◯職種 大学職員の業務を通じ、自分自身の特性として、新しいことへのチャレンジに抵

          35歳おじさんの転職事情②

          35歳おじさんの転職事情

          これまで2回の転職を経験した。 ◯1回目 新卒入社後10年と数ヶ月勤めた会社に、2020年のGW開け、退職したい旨を告げた。 とりあえず京都にUターンしたいことが先行しており、その時点ではまだ就職先が決まっておらず、「決まらなかったら実家に戻って気長に転職活動すれば良いか。コロナ禍で社会は混乱しているし、焦らずどっしりいこう」くらいのメンタルだった。今考えるとかなり極端な思想である。 職種は大学職員に絞った。やりたいことが無かったからサラリーマンをしていた私が、なんとなく

          35歳おじさんの転職事情

          職場の居心地

          帯広に移住しておよそ2ヶ月が過ぎた。 転居を伴う人事異動…といった事情ではなく、自ら転職をして帯広にやってきた。 新卒で営業を10年(東京8年・新潟2年)、次に大学職員を2年半(京都)、そして再度営業職に戻った。 思い返すと、大学職員への転職の際、私は夢と希望に満ち溢れていた。 曲がりなりにも10年間ひとつの仕事を継続し、特に後半の5年間はそれなりの職務と役割を与えられていた自負があったので、全く異なる業種&職種とはいえ、次の場所でも活躍出来るのではないか…と自信を持って

          職場の居心地

          再開

          1月中旬から下旬にかけて、車で京都から北海道へ向かった。 旅と言える程の各地を巡ったわけではないが、相当ゆったりとした時間を過ごした。 名古屋で友人に会い、行ったことの無かった浜松で、これまた行ったことの無かったさわやかのハンバーグを食べ、 御殿場アウトレットに立ち寄り、 東京でお世話になった人に会い、住んでいた頃の街を気ままに歩き、 行ったことの無かった仙台でいろんなものを食べ、 青森の八戸からフェリーに乗り苫小牧に上陸後、札幌へ移動して友人に会い、 そして帯広にたどり着

          新入社員研修の記憶

          もう数か月前になるが、久しぶりに新幹線に乗って東京へ行った。 昨年の京都移住の際には複数回関西と関東を往復したが、コロナの影響もあり専ら車で移動していた。新幹線を使うのは2年ぶりとかだったかもしれない。 一時期は月に1~2回のペースで往復していたし、新潟に居た際は飛行機を使っていたりと、移動に関しては慣れていたつもりだったが、今回は結構疲れてしまった。 先に用事を済ませ、以前お世話になっていた方や旧友と会ってお茶等しつつ、気ままに都内を動き回っていた。明確に行きたいところが

          新入社員研修の記憶

          奥の手、切り札、逃げ道

          生まれ育った京都にUターンして1年が過ぎた。 自分で言うのもなんだが、量産型の、何の特徴も無い学生だった。元来自信が無く臆病な性格を引きずり、大学を卒業するまで、ただただ環境に流される生き方をしていた。自分で物事を成し遂げたり、決断をしたといえる記憶はほとんど無い。何の変哲もない学生生活を送り、就職活動すら自分の意志を強く持たなかった私は、何となくいくつかの企業を選び、選考を受けたものの、思い通りに進めることが出来なかった。これは当然だと思っている。それでも何とか細々と採用

          奥の手、切り札、逃げ道

          読書のきっかけ

          元々、全く本を読まない人間だった。 高校時代の現代文のテストで、課題図書があった。教科書とはまた別のもので、事前に読んでおかないとテストの内容が全く分からず、苦労するというものだ。たった今、タイトルをパッと思い出した自分自身に驚いているが、「やさしさの精神病理」という本だった。その本を1ページもめくらず、一切触らずテストに臨んだところ、何故か80点代後半の点数を取った。なんとかなるものなのか、と調子に乗り、次も全く読まずにテストを受け、10点くらいの最低点を叩き出した。優秀

          読書のきっかけ

          映画Every Dayと私

          2018年の2月、実家の愛犬が亡くなったと連絡があった。17歳の大往生だった。もういつそうなっても仕方ない、と思いながらその時を迎えたので、なんとなく覚悟はしていたものの、最期に立ち会いたかったなあ、こういう時東京は人を冷たくさせるよなあ、とか考えていた。 連絡が来たその日はなんとなくおセンチな気分になり、amazon primeで泣ける映画を探してみた。そして偶然出会ったのが、「Every Day」という邦画だった。 初めて観たその日、めちゃくちゃ泣いた。次の日も観てめち

          映画Every Dayと私