35歳おじさんの転職事情

これまで2回の転職を経験した。


◯1回目
新卒入社後10年と数ヶ月勤めた会社に、2020年のGW開け、退職したい旨を告げた。
とりあえず京都にUターンしたいことが先行しており、その時点ではまだ就職先が決まっておらず、「決まらなかったら実家に戻って気長に転職活動すれば良いか。コロナ禍で社会は混乱しているし、焦らずどっしりいこう」くらいのメンタルだった。今考えるとかなり極端な思想である。

職種は大学職員に絞った。やりたいことが無かったからサラリーマンをしていた私が、なんとなくではあるが、唯一興味を持っていた職種だった。
上記の通り焦っていたわけではなかったが、とりあえず自分自身の社会人経験がどの程度通用するのか確認しておきたい気持ちもあり、GW前後に採用募集していた3つの大学に、履歴書をはじめとする書類を提出した。
ひとつは書類でお祈り、ふたつは突破し次の選考に進んだ。AとBとする。

Aは5月末にオンラインで面接。集団形式で5対1くらい。今でこそオンライン面接がごく普通になっているが、当時はコロナ禍の影響でまだ取り組み始めたばかりの時期で、かなり緊張していたのを覚えている。
これを通過し、SPI試験と並行して、6月中旬頃に東京で最終面接を受けた。
これらも無事通過、晴れて採用内定となった。

Bは6月頭に現地で筆記試験と面接。当時東京から京都の山奥まで車をぶっ飛ばし、面接に臨んだ。こちらも集団面接で6体1くらい。筆記試験は論文形式となっていた。
これも通過し最終面接の案内をいただいたが、その頃既にAの内定をもらっていた。

結構悩んだが、Aの立地が学生時代の生活圏内であり馴染みを持っているという点で、Aに決め、Bの選考を辞退させていただいた。
後悔は全く無いのだが、今思うと自分の能力や価値観、学校の規模としては間違いなくBの方が合っていた。
もしBから内定をいただき、そしてBを選んでいた場合、今帯広に居ることは無かったかもしれない。本当に分からないものだと思う。

ということで、結果的にはあまり苦労せずに転職活動が終わった。
準備期間も含め、具体的に動き出してから内定をもらうまで3ヶ月程度だった。仕事と並行しながら進めていたとはいえ、土日を犠牲にすれば充分準備出来ていたし、かなり運が良かったといえる。

◯Aの話
話は逸れるが、2回目の転職を考える要素のひとつにもなった、Aの雇用形態について触れておきたい。

Aは契約職員、いわゆる期限付き雇用という扱いだった。
Aの採用入口はすべからく契約職員スタートとなっており、雇用期間は3年間。3年のうちに専任登用の試験に合格すれば、専任職員(=無期限雇用)になれるという仕組みとなっていた。
試験は年に1回、最大3回のチャンスとなる。傾向としては2回目の試験が相当重要で、ここで専任になれるかどうかで本人の動向やメンタルが変わってくる。例えば2回目がダメだった場合、3回目を視野に入れつつも転職を検討していく方向にシフトしていくといった人もいるだろう。また1回目で通過することはかなり難しく、稀なケースとのことだった。

これについては本当に様々な意見や考え方があるが、試験を受ける側からするとまあ心中穏やかではない要素が多く、

・試験準備に結構手間がかかる(書類選考→集団面接→トップ面接)。もちろん通常業務と並行して進める
・同期をはじめ、同僚との変な駆け引きや気遣いが発生する場合がある(同期で自分だけ落ちた、自分は専任になったが先輩がまだ契約、等)
・割と落ちる。例年突破率は波があるものの40〜60%程度
・契約期間も専任と同様の業務内容

等、パッと思いつくだけでもこれだけの懸念点があった。

基本的にはほぼ全員が専任を目指すことになるが、割と落ちるため、試験に受からず、続けたくても続けられずに退職することもあるし、このような雰囲気に馴染めず早めに見切りをつける人もいる。私はそのクチだった。

また結構現場泣かせである。それなりに人の出入りの多い職場だったので、1年も続けてくれれば、戦力として定着して欲しいと皆が願うようになるのだが、この制度によって辞めざるを得ない人や、繰り返しになるが早めに見切りをつける人も発生する。

総じて採用側からすると都合の良い仕組みだと思われるが、本人と現場にとってはメリットが少なかったように思える。
ある程度人財が確保出来ている上で、社員を洗練させていきたい組織の戦略としては良いものになるのかもしれないが、実際にはその逆で、人が定着しづらく現場からは悲鳴が上がっている状況だった。

いっそ無くせば良いのではと思うのだが笑、形式や期間は様々ではあるものの、大学職員界隈では結構ありがちなシステムの様である。
ただ最初から専任だったら辞めなかったかと言われれば決してそうでもないし、当たり前だが専任になっても辞める人は辞める。
専任職員という切符が、本人を職場に繋ぎ止める鎖には必ずしもなっていないと思われるのが興味深い。

ちなみに私の場合は、同僚に恵まれ、変な気を遣う局面はほぼ無かった。むしろ同僚同士で情報交換を積極的に行い、みんなで試験に立ち向かうといった非常に良い感じになっていた。
ただこれも本当に人次第で、たまたまそのような人間が集まり、コミュニケーションを取ったからそうなっただけである。

なんか文句とか皮肉みたいになってしまったが、前職に恨みがある等では決してない。喧嘩別れしたわけでもないし、組織に属する以上は組織のルールに従うのが当然だと思っている。
プライベートで今後も付き合っていくであろう人と出会えたことも嬉しく思っているし、感謝もしている。
ただ当事者ではなくなった身として改めて振り返ると、ちょっと特殊な状況だったよなーと色々思い返してしまった。

転職についての話だったが、逸れまくってしまったので続きは次回にします。笑
余談大好きおじさん。

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