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僕が猟師になった理由

僕が狩猟免許を取得したのは大学2年生の冬のこと。
まるで思い出話のように言ったけど、免許取得したのは2020年12月、めっちゃ最近の出来事だ。


どうも大学生から狩猟免許を取る人間が珍しいらしくて質問されることも多いので、今回は猟師になったきっかけを書いてみようと思う。

免許を取った理由は、一言で言えば
『肉と自然が好きだから』 でだいたい合ってる。
昔から食いしん坊だったし、ど田舎の祖父母の家にも入り浸っていた。

ただ、それだけじゃないことも内容を読んでもらえれば伝わると思う。


カメ五郎さんというサバイバル愛好家に影響を受け、狩猟に興味を持つようになったのが高校2年生のころ。


(カメ五郎さんは、テントでの野営生活で、罠猟で捕った獲物と野草のみを食して、けっこう長い期間を山の中で生活するという企画を自分でやっている。ニコニコ動画やYouTubeで『カメ五郎の狩猟生活』で活動しているので興味のある人は是非。)


もちろん狩猟生活であるからには、鹿やイノシシの解体など、かなり刺激の強い映像も含まれている。興味を持ち始めたばかりのころは、その見慣れない動画内の光景にずいぶんと衝撃をうけたものだ。でも、すぐに抵抗はなくなった。


多分その理由は僕がそこまで生々しい映像に苦手意識を持っていないこともあるが、カメ五郎さんの獲物の扱い方がとても丁寧だからだと思っている。


僕はもともと肉と自然が好きだ。一昔前の『黄金伝説』というテレビ番組の無人島生活というコーナーもかなり好きなタイプだった。だから、刺激の強い過程はありつつも、大きなかたまりのお肉を食していく映像がめちゃくちゃ魅力的に見えたのを覚えている。高校生の頃、『大学生になったら自分にも狩猟ができるかも』と思ったことを思い出した。


もちろん、拒絶感をぬぐえないタイプの人がいることも重々承知している。確かに見方を変えれば不愉快なグロ映像でもあるかもしれない。


獲物にとどめをさすときには悲鳴が響くし、
解体までに大量の血が流れる。
多くの人にとっては目を覆いたくなる映像のはずだ。


でも、その過程から目をそらすのがよいかと聞かれて、否定できる人も少ないんじゃないだろうか。
カメ五郎さんが肉のかたまりに豪快にかぶりつくときの喜びの顔は、動物の解体の過程なしには成り立たないことは、僕たちが食卓に並べている食材においても同様であるからだ。


誰もが感じている『食べる喜び』は、いのちを奪うときの居心地の悪さと切り離して考えることはできない。それは都市部に住んでいようが同じことだと思う。


殺生と解体と食事シーンを一連の流れとしてシリーズ化されているカメ五郎さんの動画からは、すべての食料をコンビニやスーパーで済ませられる便利な生活では得られない学びに満ちている。

自分の無知と世界の本質を同時に知れた気がした。
『狩猟って深いぞ』
身体の内側が痺れたのを覚えている。
ただの肉好きが購入する側ではなく調達する側になるきっかけとしては、それが最初だった。


時は流れて大学生活に入った(ストレスで死にそうな受験期を経て、上記の動画の記憶はトんでいた)。1年間だらだらと遊んですごした後、高校時代の狩猟への興味が急にフラッシュバックした。なんかカメ五郎さんと同じことをするためには免許が要るらしいじゃん、ということで、初心者狩猟講習会に行ってみた。そのあとすこし免許の勉強をして合格、何回か狩りを経験して今に至る。


免許を取ってすぐに獲物を獲れる人は一握りだ。
素人から毎年コンスタントに獲物を捕るまで
だいたい5年くらいかかると言われている。
なげぇよ、というのが素直な感想だ。


だから僕はおとなしくベテランの師匠を見つけて、
その人の猟にひっついていくことにした。


今後は狩猟現場のリアルな部分についても、
記事を書いていきたいと思う。


こうご期待。それでは。

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