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有栖川有栖『濱地健三郎の幽たる事件簿』文庫解説執筆

 寒い日々が続いております。みなさんいかがお過ごしでしょうか。
 大寒波来襲の今、本当なら読んだだけで暖かくなるような本を取り上げるべきなのでしょうが、読んだら体感温度がますます下がりそうな小説の文庫化に際し、解説を執筆したのでそちらのお知らせをいたします。ごめんあそばせ。
 タイトルは『濱地健三郎の かくれたる事件簿』。作者は新本格ミステリーの大御所・有栖川有栖さんです。

 単行本と文庫を併せて全部で三冊出ている本シリーズ、最大の特徴は怪談と本格ミステリーの融合にあります。
 怪談めいたミステリーや謎解きをしながら進む怪談はこれまでもたくさん書かれてきました。しかし多くの場合、怪談かミステリーどちらかに比重が置かれ、片方は狂言回し的役割にとどまることが多かったわけです。
 ですが、本作は怪談でもありミステリーでもある、を目指して書かれていて、どちらも遜色なくジャンルの醍醐味を発揮しています。そうした魅力を体験談を交えながら綴りました。
 私としては本シリーズの魅力は有栖川さんのイマジネーションの大きさと、それを表現する文章の豊かさにあると思います。なぜか新本格のファンからは敬遠されることもある怪談ですが、怪談だからこそ発揮される有栖川さんの魅力を発見してもらえるとうれしいところです。
 ぜひご購読くださいね。

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