ある雨の日に耳にするのは
カランコロン コロンカロン カランコロン コロンカロン……
雨樋が鳴らすメロディアスな音をベッドの中で耳にする朝、それほど降りが強くないことを知る。
レインブーツにするか、普段使いのシューズにするか迷いつつも、後者を選びいざ出陣。
シーズーかマルチーズか、はたまたそのミックスか?と思われるコを連れたカップル。
さっき見かけたと思ったら、同じ方面に行くのね。
背後からはドイツ語らしい会話が。
ここ最近、ドイツ語をよく耳にする。
実際には、それらしいとは思うものの、北欧の言語やオランダ語とどのぐらい異なるのかは分からない。
商店街通り。
濡れてつやつや光る石プレートの上を歩くと、靴底がペタペタして、すべりやすいのかブレーキがかかるのか微妙なところ。
傘に落ちる雨粒がぽつぽつ、ぽつぽつ、ぽつぽつ、ぽつぽつ。
インターフォンを押すと、ジーッという音とともに、ガチャっとエントランスが解錠。
キュッキュッ、キュッキュッと靴底と床のアンサンブル。
ガタンゴトンとゆられるともなく3階へ。
さあ着きましたよ。
ブザーは鳴らさなくてもドアは開いています。
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